辻堂駅そばの踏切は、1日に何度か開かずの踏切になる。
上りと下りが絡み合い、東海道列車を3本待たされるケースも何度か経験した。
踏切をぬけると、商店街を通って海岸へ向かう。
この道は、後半からポツポツとサーファーショップが並び、なかにはクィーンマリーのようなフランス料理を出す、少し知名度の高いレストランもある。
辻堂海浜公園の手前で右折し、134号線と合流する県道へ入る。
ちょうど浜須賀までの中間あたりで、木造2階建ての側面に黄色いペンキで大きく店名をディスプレイした、ガレージショップ”ジャンクハウス”を確認できる。
店内の雰囲気は、きわめて駄菓子屋的だ。
片岡義男の本によると、アメリカで日本の駄菓子屋に相当するのはドラッグストアらしい。
と言っても僕が彼の本を理解する限り、ドラッグストアはコンビニエンスストアに近いようだ。
”ジャンクハウス”へ入り、数々のアメリカングッズや帽子からソックスにいたるまでの商品を見ていると、とても楽しくて途中でやめることができない。
また1,2度覗いたくらいでは、希望のものだけを買ってすぐに店を出るようなまねもできないだろう。
でも、僕はまだ1品も購入したことがない。
魅力的な商品はあるのだが、コストパフォーマンスに納得できないだけの理由だ。
例えば、日本人にはただの白いアンダーウエアに見えてしまう、”ヘインズ”のTシャツも並べている。
3P(ピース)で1980円、市価としてはあたりまえのプライスだ。
近くのジーンズショップでは、セールで1300円まで下がる。
他の商品も、同様な価格付けと判断する。
だが、僕のこの考え方は、自分でも誤っていると思う。
子供の頃に駄菓子屋へ行って、コストパフォーマンスなんて考えていただろうか。
たしかに遠足の時などはスーパーマーケットへ行き、学校の指示する限度額いっぱいにおやつを買っていた。
でもそれは、駄菓子屋の楽しみ方とは次元の異なるものだ。
少ない小遣いで十分に買える、いわば子供をワクワクさせてくれる3流商品を、いかに楽しんで買っていたかは、かって誰でも経験したことだ。
特に店へ入る前には、今日はこれだけ使うぞと心に決めていた。
月にいくらの小遣いだったかはもう思い出せないが、面白いものがなければまた来るというようなことを僕はやらなかった。
数千円を握りしめてこの店に行ったとしよう。
きっと30分から1時間近くかけ、アメリカングッズをセレクトするに違いない。
しばらくの間、このような楽しみ方を忘れてしまっていたようだ。
言い替えるならば、視点を変えることによって楽しみ方を増やす、1つの手法を思い出してしまった。
購入したものは、書斎のインターメーベルへディスプレイされ、いつの間にか何処かへ行ってしまうに違いない。
次の休みは、”ジャンクハウス”へ行かないか。
オートバイの後ろに乗っけてやるよ。
こんな事に興味を持つのは、君も僕も同じさ、きっと。
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