プラハ最後の日、観光案内してくれたオサムちゃんと一緒に天文時計のある塔でやってた写真展を見た。「1989」ってやつ。1968と1989だね。プラハの春とチェコの独立。
68年、プラハの春。その写真。バーツラフ広場で行われた2万人集会。警官に拘束されるスラブ女性。デモ隊。
Roycesは若い姉ちゃんで、赤だ何だって全然、冗談みたいな話に思ってたけど、この写真に写ってる重みみたいなものってすごいと思った。もう2万人集会のヤツとかって芝居になってるもんね。
おやっ、と思ったのは、流血系の写真よりも、無言だったり静かな写真が目立つんだよね。機動隊の盾の前に若い女性がろうそくを並べる写真があるの。ろうそくは平和へのシンボルみたいなもんなんだって。それからオサムちゃんがやってくれたんだけど、機動隊に向かって鍵を掲げて振ってチャリチャリ鳴らすんだって。
「はやく(おウチに)おかえり」
みたいな意味をこめてやるそうな。
東ドイツから脱出してきた人の写真とか、表情を押し殺したジイサンが国旗を持って振っている写真とか、インターナショナルやチェコの国歌を歌っているものとか。
なんか夏だったせいもあるのかもしんないけど、これって原爆の写真展をみにくるようなもんかなとか、ふっと思った。忘れられないとか忘れたいとか忘れてはならないとか、国家に関わりそうで関わってるようで、でもそれに対して国よりも国民のほうがきついリアリティもってるんじゃないかなっていうか。
主義なんてポロポロんなって消えてったりするけど、そこで生きてきた人たちってやっぱそれ背負わなくちゃならないのねとか思うと何か疲れてしまうのでした。
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