P.F. SLOAN & STEVE BARRI

P.F.スローン(1945年9月18日-2015年11月15日)は、ニューヨーク出身。60年代前半に、それぞれソロとしてデビューしていたP.F.スローンとスティーブ・バリでしたが、コンビを組んで、いくつもの匿名グループとしてサーフィン・ソングを連発したことは伝説となっています。中でも有名なのは、ファンタスティック・バギーズでしょう。また、"Let's Live for Today" のヒットを持つグラス・ルーツのデビュー・アルバムも、実は彼らのスタジオ・デモでした。二人はタートルズやママス&パパスなど数多くのアーティストにヒット曲を提供し、60年代のヒット・メーカーとなりました。バリー・マクガイヤが歌う "Eve of Destruction" は全米No.1を飾りました。また、スローン自身、歌手としても 、アメリカで"Sins of a Family"、日本では "From a Distance" などのヒットを放っています。一方、バリはプロデューサーの道を歩み大成功を収めています。

 

P.F. SLOAN SINGLES

Images Release Label Title TIME Writer Notes
'59-12 Aladdin 3461 All I Want Is Loving Flip Sloan Flip Sloan 名義のデビュー作です。
Little Girl In The Cabin Flip Sloan -
'60-11 Mart DS 802-45 If You Believe In Me Phil Sloan Phil Sloan名義でリリースされた2ndです。明るいラブ・ソングですが、声や歌い方もまるで別人のようで、つややかな声というよりは、少々ハスキーがかった感じです。
She's My Girl Phil Sloan こちらも楽しいポップ・ソング。A面よりもアップ・テンポでノリノリです。
- '65-8 Dunhill 45-D-4007 Sins Of A Family ご存じアメリカでもヒットを記録したダンヒルでのデビュー曲。テンション高く歌いだす、かっこいい曲です。
This Mornin' ファースト・アルバム収録のボブ・ディラン風の曲です。同アルバムの"I Get Out of Breath"ともよく似たメロディーです。
- '65-10 Dunhill 45-D-4016 Halloween Mary 語りかけるように歌うかっこいいポップ・ソングです。セカンド・アルバムに先立つシングルです。
I'd Have To Be Out Of My Mind ファースト・アルバム収録のフォーク・ソングです。
'66-2 Dunhill 45-D-4024 From A Distance こちらは日本でヒットを記録しました。学生時代、ビートルズしか知らない友人が絶賛してましたから、一般受けする曲なんでしょうね。僕としてはポクポクいう音や、繰り返しが安直に感じられてあまり好きでないのですが…。
Patterns Seg 4 これも前作ハロウィーン・メリーあたりを狙った曲です。楽しいムードです。
'66-8 Dunhill 45-D-4037 City Women アルバム未収録曲です。ストリングスや多重録音もいかしています。この辺からちょっと暗いイメージになっていくのはなぜでしょう。
On Top Of A Fence セカンド・アルバム収録の内省的な曲。正直言って暗くて苦手です。
'66-10 Dunhill 45-D-4054 A Melody for You アルバム未収録曲です。ひょうきんなピッコロが、アクセントではあるけどちょっといただけないかな。スローン&バリが脱けたあとのグラス・ルーツも演奏していました。後のCDで、未編集のエンディングも聴けます。写真はアセテート盤のものです。
I Found a Girl ジャン&ディーンに提供した曲で、彼らはサーフィン・サウンドで明るくやっていましたが、スローンはムーディーに大人の曲に仕上げています。もちろん、こっちの方が格段にいい曲になっています。

'67-1 Dunhill 45-D-4064 Sunflower Sunflower
(サンフラワー)
アルバム未収録曲です。イントロといい、どこか明るくなりきれない寂しさを感じます。
The Man Behind the Red Balloon
(赤い風船売り)
短編小説のような面白さがあって大好きな曲です。
'67-10 Dunhill 45-D-4106 Karma (A Study of Divinations) Philip Sloan 名義で発売されました。そのタイトルのとおり意味深な詩とメロディー。アルバムには収録されていません。ストリングスが前面に使われています。
I Can't Help But Wonder Elizabeth こちらも内省的なバラードで、アルバム未収録曲です。グラス・ルーツもレコーディングしています。
'69-1 Atco EP-C-4532 New Design P.F. Sloan
And the Boundaries In-Between P.F. Sloan
Above and Beyond the Call of Duty P.F. Sloan
'69-1 Atco 45-6663 New Design P.F. Sloan
Star Gazin' P.F. Sloan
- '72-11 Mums ZS7-6010 Let Me Be
Springtime



STEVE BARRI SINGLES

Images Release Label Title TIME Writer Notes
'61 RONA-1003 Down Around the Corner Norton Beckman タンバリンが効果的にフィーチャされたポップ・ソングで、「ダン・ダン」「イェ・イェ」「ラ・チャ・チャ」といった掛け声も楽しさを増しています。スティーブにしては、この吐き捨てるような歌い方は珍しいかも。
Please Let It Be You Steve Lipkin 流れるようなバラード。Wレコによるコーラスも味わい深いです。
'61 RONA-1004 Story of the Ring Steve Barri - Norton Beckman ストリングスがきれいな、流麗なポップ・ソングです。コーラスも非常に美しい。
I Want Your Love Steve Barri - Norton Beckman ドリーミーなポップ・バラードで、「パン・パン」という合の手が印象的です。
'62 RONA-1005 Don't Run Away from Love Steve Barri 元気ハツラツといった、ノリノリのポップ・ソングです。聴いているこちらもウキウキしてきます。オーケストラはジミー・ハスケルが率いています。
Two Different Worlds Wayne - Frisch 朗々と歌い上げるロッカ・バラード。
'62 RONA-1006 Never Before Steve Barri 「ディリ・ダンダン」という、60年代らしいポップ・ソングですが、ストリングスとギターのサビが泣かせる佳曲です。Special Thanks to ももちゃん !
Whenever You Kiss Me H. Bruce - S. Barri これまたドリーミーなバラードです。A面同様、コンダクターはジミー・ハスケルですが、ハッチ・デイビー的なアレンジです。
'63 RAMARCA-501
(DIMENSION-1014)
When Two People (Are in Love) Steve Barri これは、キャロル・コナーズ(テディ・ベアーズのアネット)とその妹シェリルと組んだ、3人組のユニット、THE STORYTELLERS としてのシングルです。ドリーミーな曲で、2つのレーベルから発売されました。
Time Will Tell C. Connors - S. Barri - H. Bruce A面同様、スティーブの優しい声に2人の女声がコーラスをつける、ドリーミーなポップ・ソングです。


SLOAN & BARRI SINGLES

Image Release Label ARTIST Title TIME Writer Notes
'64-2 Counsel 45-1301-V The Wildcats The Swim Sloan - Barri スローンのボーカルも強烈な、疾走感のあるサーフィン・ソングです。バンドにホーンも絡んできてノリノリのジャム・セッションを展開します。
(Upstream) Sepe - Brooks - Krasnow - Ashe 「ダン・ダム」というスキャットが楽しいインストゥルメンタル曲。ハンド・クラッピングや掛け声もパーティ風のセッションを想像させます。
'64-4 Reprise 0277 The Lifeguards Swimtime USA Sloan - Barri 朗々としたスローンの歌声が印象的な、パワフルで楽しいサーフィン・ソング。スティーブの優しい声も対照的で面白い効果をあげています。ジャック・ニッチェのアレンジです。
(Swim Party) Krasnow - Sepe - Al - Mar こちらもタイトルどおり楽しいインストゥルメンタル曲。発売したレーベルは異なりますが、前作と同じく、A面がスローン&バリの作品、B面がプロデューサーでもあるセペ、ブルックス、クラスノーのSBKプロダクションの作品となっています。
'64-5 Imperial 66036 Rally - Packs Move Out, Little Mustang B. Wilson - R. Christian 明らかにスローン&バリのボーカル曲なのに、ジャン&ディーンのLP「パサディナのおばあちゃん」にもそのまま収録されていました。バギーズらしい明るく楽しいポップ・ソングです。ジル・ギブソンの声がフィーチャされているのがポイントです。
(Bucket Seats) Don Altfeld テケテケ・エレキのインストゥルメンタル曲です。これもLP「パサディナのおばあちゃん」に収録されていた曲で、"Old Ladies Seldom Power Shift" というタイトルがつけられていました。ただし、このシングル・バージョンでは、途中に事故を思わせるクラッシュの効果音が挿入されています。
- '64-6 Imperial 66047 The Fantastic Baggys Tell 'em I'm Surfin'
A Surfer Boy's Dream Comes True
- '64-9 Imperial 66072 The Fantastic Baggys Anywhere The Girls Are ギターのカッティングが最高にイカシているサーフィン・ロック・サウンド。オリジナル・アルバムには未収録でした。
Debbie Be True コーラス部分だけマイナーで、面白い味を出しています。こちらもオリジナル・アルバムには未収録でした。歌詞違いの初期バージョンも存在します。
'64-10 Interphon IN-7711 Philip And Stephan Meet Me Tonight Little Girl Sloan - Barri フォーク調のギターで始まる可愛いポップ・チューンですが、アレンジやコーラスにビートルズの影響も見られます。
When You're Near You're So Far Away Sloan - Barri スローンの朗々とした歌いっぷりと対照的に、各小節の最後で打ち切るように歌うのはいかがなものでしょう。でも、追いかけるタイプのコーラスや、わざと外したコーラスなど微笑ましい感じです。
'64-11 Interphon IN-7712 Sheridan Hollenbeck Michelle's Melody Sloan - Barri ギターがメインでオーケストラをバックにしたインストゥルメンタル曲です。
Tokyo Melody Helmut - Zacharias 「東京メロディ」ということで、確かに太鼓風のドラムスやメロディ・ラインがかつての日本のイメージかもしれません。
'64-11 Vee Jay VJ-635 Theme's Inc. Paula's Percussion Sloan - Barri インストゥルメンタル曲です。スローンのギターと、ハル・ブレインのドラムスがフィーチャされています。
Theme From Peyton Place (Allison's Theme) Franz Waxman - Paul Francis Webster こちらもインストゥルメンタル曲です。
'64-12 AMY 916 The Street Cleaners That's Cool, That's Trash かなりレイジーな調子で演っている、お遊びソングでしょうか。ゴミの歌で、歌っているのが「清掃人」ですから。
Garbage City これはA面曲のインストゥですが、子供たちの掛け声に始まり、最後はガラクタの音で終わるという、ちょっとこだわっています。
'65-2 Imperial 66092 The Fantastic Baggys It Was I スティーブがリードを取る、ゲイリー・パクストンの曲。でもスローンはもっとハードに仕上げたかったとか。いやあ、この甘いアレンジが最高にいいと思いますけどね。
Alone On The Beach 昼間の賑やかさが去った静かな浜辺で一人たたずむ、ムード一杯のバラードです。
'65-6 Dunhill D-45-4002 Willie And The Wheels Skateboard Craze P.F. Sloan - Steve Barri ご存じ「サーフィン・クレイズ」をスケートボードに置き換えて歌っています。元が名曲だけにやっぱり、いいです。スケートボードの転がるSEも入っていてGOOD。
Do What You Did P.F. Sloan - Steve Barri 能天気な感じの曲です。
- '65-7 Dunhill D-1 Rincon Surfside Band Drag City / Hawaii / Surfin' Safari 3:02 放送用音源です。このA面の3曲はメドレーではなく、それぞれ1分でフェードアウトしており、ラジオ放送のCMなどで使用できるようになっています。
Surfer Girl / Honolulu Lulu / Little Deuce Coupe / Ride the Wild Surf / Surf City 2:55 B面の5曲は、それぞれ30秒でフェードアウトします。曲の持ち味を知るには、ちょっと短すぎる感じです。
- '65-10 Dunhill 45-D-4013 The Grass Roots Mr Jones
(Ballad Of A Thin Man)
Bob Dylan
You're A Lonely Girl P.F. Sloan - Steve Barri
- '66-5 Dunhill 45-D-4029 The Grass Roots Where Were You When I Needed You P.F. Sloan - Steve Barri
(These Are) Bad Times P.F. Sloan - Steve Barri
- '66-8 Dunhill 45-D-4043 The Grass Roots Only When You're Lonely P.F. Sloan - Steve Barri
This Is What I Was Made For P.F. Sloan - Steve Barri
- '66-10 Dunhill 45-D-4053 The Grass Roots Tip Of My Tongue P.F. Sloan - Steve Barri
Look Out Girl P.F. Sloan - Steve Barri
'67-7 Dunhill 45-D-4092 The Imaginations Summer In New York P.F. Sloan - Steve Barri スティーブのボーカルによる素晴らしいポップ・ソング。曲の美しさに加え、女声コーラスも優しいスティーブの声にあってとても魅力的です。右はカナダ盤です。
I Love You When You're Mad P.F. Sloan - Steve Barri サーフィン・コーラス・グループのバギーズのイメージを残しながら作られた、楽しいポップ・ソングです。これもスティーブのリード・ボーカルです。
'68-2 Dunhill 45-D-4128 The Inner-Circle Goes To Show (Just How Wrong You Can Be) P.F. Sloan - Steve Barri ご存じ、あの名曲です。バギーズでも、スローンのソロでも演っていますが、これはかなりデキがいいです。ほかに EPICS、FALLING LEAVES、JOEY PAIGEといったアーティストがカバーしています。
So Long Marianne Leonard Cohen スティーブのプロデュースで、聞き込むと非常に味わい深い曲です。



THE FANTASTIC BAGGYS (Sloan & Barri) ALBUMS


The Surfing Song Book - The Rincon Surfside Band (1965 Imperial IRL 374)
 有名なサーフィン・ソングのインストゥルメンタル・バージョン集です。
No. TITLE TIME WRITERS COMMENTS
A1 Surfin' Safari 2:14 Mike Love - Brian Wilson
A2 Surfer Girl 2:31 Brian Wilson
A3 Sidewalk Surfin' 2:17 Roger Christian - Brian Wilson
A4 Surfin' U.S.A. 2:17 Chuck Berry - Brian Wilson
A5 Surfin' 2:29 Mike Love - Brian Wilson
A6 Ride the Wild Surf 2:14 Jan Berry - Roger Christian - Brian Wilson
B1 Hawaii 1:42 Brian Wilson
B2 Drag City 2:09 Jan Berry - Roger Christian - Brian Wilson
B3 Little Deuce Coupe 1:46 Roger Christian - Brian Wilson
B4 Honolulu Lulu 2:14 Lou Adler - Keola Beamer - Jan Berry - Roger Christian
B5 Surf City 1:48 Jan Berry - Brian Wilson
B6 Skateboard Craze 2:02 Steve Barri - Phil Sloan これはスローン&バリのオリジナルです。

Tell 'Em I'm Surfin' (アイム・サーフィン) (1966 IMPERIAL IRL 367)
サーフィン&ホット・ロッド・ブームの終焉ということもあって、大きな成功へとは結びついていないものの、コアなファンやスローン&バリ信者にとっては外すことのできないグレートなアルバムです。洗練されたボーカルとサウンドがたまりません。オリジナルは11曲入りですが、その後シングル・オンリーだった"Anywhere The Girls Are", "Debbie Be True","It Was I"を加えて14曲入りで再発売され、CDの時代になると、たくさんのボーナス・トラックを加えてリリースされています。
No. TITLE JAPANESE TIME WRITERS COMMENTS
A1 Tell 'Em I'm Surfin' アイム・サーフィン 2:11 P.F. Sloan - Steve Barri アルバム・タイトル曲で、ワクワクするオープニングを飾っています。
A2 Let's Make The Most Of Summer レッツ・メイク・ザ・モウスト・オブ・サマー 2:05 P.F. Sloan - Steve Barri 静かなバラードです。
A3 Surfin' Craze サーフィン・クレイズ 2:12 P.F. Sloan - Steve Barri サーフィンの名曲です。
A4 Big Gun Board ビッグ・ガン・ボード 2:27 P.F. Sloan - Steve Barri
A5 Alone On The Beach アローン・オン・ザ・ビーチ 1:56 P.F. Sloan - Steve Barri これも静かなバラード
A6 This Little Woody ディス・リトル・ウディ 2:02 P.F. Sloan - Steve Barri
B1 A Sufer Boy's Dream Come True 夢見るサーファー・ボーイ 2:44 P.F. Sloan - Steve Barri ファルセットで聴かせるバラードです。
B2 When Surfers Rule サーファーズ・ルール 2:17 P.F. Sloan - Steve Barri 元気なサーフィン・ソング
B3 Wax Up Your Board ワックス・アップ・ユア・ボード 2:15 P.F. Sloan - Steve Barri
B4 Summer Means Fun 青春の渚 (サマー・ミーンズ・ファン) 2:10 P.F. Sloan - Steve Barri ブルース&テリーのヒットとして有名な曲です。スティーブの青くて清楚なボーカルがこの曲にピッタリです。
B5 Surfin's Back Again with Surf Impersonations サーフィンズ・バック・アゲイン 3:06 P.F. Sloan - Steve Barri アルバムのラストを飾るのは、元気いっぱいのサーフィン・ソングで、いろいろなアーティストの名前が登場します。極めつけは、最後にモノマネのオンパレード。似てるかどうかは不明ですが、サイコーに楽しい趣向です。
12 Move Out, Little Mustang 1:54 Berry - B. Wilson - R. Christian 1964年にラリー・パックス名義でシングル・カットされ、さらにジャン&ディーンのLP「パサディナのおばあちゃん」にも、そのまま収録されたという、複雑な経緯がある曲です。

"The Best of The Fantastic Baggys" (1992-8-11)

 オリジナルのラインナップに、10曲のボーナス・トラックと、1曲のシークレット・トラックを加えたベスト盤。
13 Save Your Sunday's For Surfin' 2:14 P.F. Sloan - Steve Barri 1992年のCD化の際に初めて収録された曲ですが、ヒット性の高い曲で、未発表にした理由がまったくわかりません。
14 Horace, The Swingin' School-Bus Driver 2:06 P.F. Sloan - Steve Barri 1992年のCDが初出のインストゥルメンタル曲。ジャン&ディーンがレコード化していました。
15 Hot Rod U.S.A. 2:25 Bobby Darin - Terry Melcher カバー曲ですが、バギーズのイメージにピッタリで、最高のホット・ロッド・ソングに仕上がっています。南アフリカのアルバムでしか聴くことができなかったレアな曲です。
16 Debbie Be True 2:17 P.F. Sloan - Steve Barri ちょっと奇妙な感じの曲ですが、聴くたびに愛らしくて、大好きになります。"Anywhere The Girls Are"のB面として発表され、オリジナル・アルバムには未収録でした。
17 Anywhere The Girls Are 2:13 P.F. Sloan - Steve Barri 2枚目のシングルで、ギターのカッティングがかっこいい曲です。オリジナル・アルバムには未収録でした。
18 My Heart Is An Open Book 2:34 Hal David - Lee Pockriss 1992年のCD化の際に初めて収録された曲ですが、未発表にしておいたのがもったいない素敵な曲です。
19 This Little Woody (Version 2) ディス・リトル・ウディ (ヴァージョン2) 2:27 P.F. Sloan - Steve Barri 1992年のCD化で初収録。歌詞や演奏が異なりますが、完成度が高く、素晴らしいですねぇ。
20 It Was I 2:39 Gary Paxton 「ラララ」というスティーヴの優しい歌い方に、無骨なスローンのコーラスがそっと寄り添う素敵な曲です。3枚目のシングルで、オリジナル・アルバム未収録でした。
21 (Goes To Show) Just How Wrong You Can Be 2:13 P.F. Sloan - Steve Barri 南アフリカのアルバムでしか聴くことができなかったレア曲です。
22 a rehearsal of the backing vocals for "This Little Woody". ディス・リトル・ウディ (リハーサル) P.F. Sloan - Steve Barri
* Save Your Sundays For Surfin' (Instrumental) 2:24 P.F. Sloan - Steve Barri

"Anywhere the Girls Are" (2000-12-19 Sundazed)

1992年のベスト・アルバムに、さらに7曲のボーナス・トラックを追加し、曲順も再編集されました。
* Alone On The Beach (Instrumental) アローン・オン・ザ・ビーチ
(インストゥルメンタル)
2:15 P.F. Sloan - Steve Barri
* Big Gun Board (Vocal Track) ビッグ・ガン・ボード (ボーカル・トラック) 2:13 P.F. Sloan - Steve Barri
* It Was I (Vocal Overdub 1) 2:39 Paxton
* When Surfers Rule (Instrumental) サーファーズ・ルール
(インストゥルメンタル)
2:16 P.F. Sloan - Steve Barri
* A Surfer Boy's Dream Come True (Background Vocal Overdub 1) 夢見るサーファー・ボーイ
(バックグラウンド・ボーカル・オーバーダブ 1)
2:45 P.F. Sloan - Steve Barri
* Let's Make The Most Of The Summer (Instrumental) レッツ・メイク・ザ・モウスト・オブ・サマー (インストゥルメンタル) 2:06 P.F. Sloan - Steve Barri


Ride the Wild Surf  (Imperial IRL 374)
南アフリカだけで発売されたバギーズ名義のアルバムです。バギーズと共に、フォーリン・リーヴスらの曲が収録されています。
No. TITLE TIME WRITERS COMMENTS
A1 (Papa Do Ron Ron) Wilson - Berry - Christian
A2 It Was I Paxton バギーズのシングル・オンリー曲を収録。
A3 (Let Him Run Wild) Wilson
A4 (Ride the Wild Surf) Martin - Magnus
A5 (Surfer Girl) Wilson
A6 (You're So Good to Me) Wilson
B1 Anywhere the Girls Are P.F. Sloan - Steve Barri バギーズのシングル・オンリー曲を収録。
B2 How Wrong You Can Be P.F. Sloan - Steve Barri バギーズ。当時は、このアルバムでしか聴くことができませんでした。
B3 (Soft As the Dawn) Waller - Asher
B4 (Breakaway) Martin - Magnus
B5 Debbie Be True P.F. Sloan - Steve Barri バギーズのシングル・オンリー曲を収録。
B6 Hot Rod USA Darin - Melcher バギーズ。当時は、このアルバムでしか聴くことができませんでした。


Swimmin' & Skatin' USA - The Fantastic Baggys (Meet The Lifeguards)
詳細不明なコンピレーションです。ファンタスティク・バギーズやライフガーズ名義で録音されたものや、スローンのデモなどが収められています。
No. TITLE TIME WRITERS COMMENTS
A1 Swimtime USA 2:05 P.F. Sloan - Steve Barri '64年4月に、ライフガーズ名義で発売されたシングル曲です。朗々としたスローンの歌声が印象的な、パワフルで楽しいサーフィン・ソング。スティーブの優しい声も対照的で面白い効果をあげています。ジャック・ニッチェのアレンジです。
A2 Swim Swim Swim 2:00
A3 She Only Wants to Swim 1:45
A4 Autumn 2:26
A5 Let's Swim Baby 1:50
A6 Big Boss Swimmer 2:10
B1 Skateboard Craze 2:06 P.F. Sloan - Steve Barri 65年6月に、ウィリー&ホイールズ名義でシングル発売された曲です。ご存じ「サーフィン・クレイズ」をスケートボードに置き換えて歌っています。元が名曲だけにやっぱり、いいです。スケートボードの転がるSEも入っていてGOOD。
B2 Swim Party 1:32
B3 Dragon Lady 2:27 P.F. Sloan - Steve Barri - Don Altfeld 1996年に、ヴァレ・サラバンドからのコンピレーションCD"Wax Board and Woodie"にも収録されました。
B4 Things Are Different Now 2:10
B5 Debbie Be True 2:04 P.F. Sloan - Steve Barri
B6 Swim Party [instrumental] 1:53 Krasnow - Sepe - Al - Mar こちらもタイトルどおり楽しいインストゥルメンタル曲。プロデューサーでもあるセペ、ブルックス、クラスノーのSBKプロダクションの作品となっています。




Where Were You When I Needed You - THE GRASS ROOTS  (1966-10 Dunhill)
 後に「今日を生きよう」などのヒットを連発するグラス・ルーツのデビュー・アルバムです。ところが、このファースト・アルバムはセカンド以降とは明らかに異なるシロモノで、スロー&バリを中心にして、ベドウィンズのビル・フルトンとジョエル・ラーソンのほか、スタジオ・ミュージシャンだけでレコーディングされたアルバムで、後の正規メンバー、ロブ・グリルらはまだ声さえ掛かっていないのです。そもそもスローン&バリは実体のないでっち上げグループでレコードを出すことはお得意で、グラス・ルーツもスローン&バリによる「冷たい太陽」がヒットしたことで、ツアーするバンドが必要になったため、ロブ・グリルらの13thフロアが改名してグラス・ルーツが誕生したのです。しかし、このアルバムはでっち上げられたなんて言ってられない、レベルの高い楽曲が並んでいて、とても魅力的な作品になっています。。
No. TITLE JAPANESE TITLE TIME WRITERS COMMENTS
1 Only When You're Lonely オンリー・ホエン・ユアー・ロンリー 3:13 P.F. Sloan - Steve Barri 第3弾シングルで、第96位でした。ミディアム・テンポの優しいメロディーです。スローンのボーカルが似合う、コーラスも含め、このアルバムを代表するような曲になっています。
2 Look Out Girl ルック・アウト・ガール 2:18 P.F. Sloan - Steve Barri アップ・テンポでさわやかなポップ・ソングです。トミー・ルーも歌っていました。
3 Ain't That Lovin' You, Baby ラヴィング・ユー・ベイビー 2:50 Jimmy Reed きれいなコーラスにも支えられたアップ・テンポの曲で、フルトンがリード・ボーカルです。スローンに声が似ていて、グラス・ルーツが実体化するときのボーカルとして起用されていたのに結局逃げられてしまいました。声が似ていると言っても、スローンの方が明らかに美声であり、フルトンはストーンズ的な黒い歌い方で、合わない気がします。
4 I've Got No More To Say アイヴ・ガット・ノー・モア・トゥー・セイ 2:50 P.F. Sloan - Steve Barri スローンの優しい美声が映えて、きらびやかなギターも似合う佳曲です。
5 I Am a Rock アイ・アム・ア・ロック 3:04 Paul Simon スローンによるサイモン&ガーファンクルの曲と言うのも意外ですが、ロック色が強い曲なのでいい感じです。
6 Lollipop Train (You Never Had It So Good) ロリポップ・トレイン 3:12 P.F. Sloan - Steve Barri スローンは同時期に、自分のソロ・アルバムでも収録していますが、こちらの方がバンド色を高め、楽器も増やしてより完成度をあげています。
7 Where Were You When I Needed You 冷たい太陽 3:03 P.F. Sloan - Steve Barri アルバムに先立つセカンド・シングルで、見事なプロダクションが手伝って、最高の作品になっています。シングル・バージョンがフルトンのボーカルで、このアルバム・バージョンはスローンのデモ・ボーカルだと言われているのですが、僕には、こちらもフルトンが歌っているように思われます。素晴らしいコーラスはもちろん、どっちもスローンですが。
8 You Didn't Have to Be So Nice ユー・ディドゥント・ハフ・トゥー・ビー・ソー・ナイス 2:22 John Sebastian -  Steve Boone ラヴィン・スプーンフルの「うれしいあの娘」のカバーです。スティーブ・バリによる優しいボーカル、素敵なメロディーにホッとします。
9 Tell Me テル・ミー 3:27 Mick Jagger - Keith Richards ローリング・ストーンズのカバーで、フルトンがボーカルをとっています。間違いなくフルトンの希望を聞き入れて収録した1曲といえます。
10 You Baby ユー・ベイビー 2:23 P.F. Sloan - Steve Barri タートルズでヒットを記録し、ママス&パパスも収録したこのキャンディー・ポップをスローンが自演しています。間違いなくこれも名演です。
11 This Is What I Was Made For ディス・イズ・ホワット・アイ・ウォズ・メイド・フォー 2:24 P.F. Sloan - Steve Barri スローンのデビュー・アルバムにもフォーク調のバージョンが収録されていましたが、ここでは深いエコーと重厚な演奏で、完璧なフォーク・ロック・サウンドが完成されており、名曲・名演になっています。イグアナスのカバーも同様のテイストです。
12 Mr. Jones (Ballad of a Thin Man) ミスター・ジョーンズ(やせっぽちのバラッド) 2:56 Bob Dylan グラス・ルーツのデビュー曲で、ボブ・ディランのカバーです。フルトンによるストーンズ的な黒いボーカルで、唸って唱えているような歌なので、全米第121位でした。
13 You're a Lonely Girl ユアー・ア・ロンリー・ガール 2:23 P.F. Sloan - Steve Barri デビュー・シングルのB面で、こちらもフルトンのボーカルでしたが、スローン&バリ作の素直なガレージ・ロックで、むしろこっちの方が親しみやすい作品です。
14 (These Are) Bad Times バッド・タイムズ 3:06 P.F. Sloan - Steve Barri セカンド・シングルのB面で、フルトンをリード・ボーカルにしており、レイジーな中にも絶叫するパートもある、なかなかの名曲です。ポール・リヴィアとレイダースも録音していました。
15 Tip of My Tongue ティップ・オブ・マイ・タング 2:34 P.F. Sloan - Steve Barri 後のグラス・ルーツで、ロブ・グリルも歌っています。パワフルなロックに仕上がっています。そのタイトル通り、舌先を使う歌詞ですね。
16 You've Got to Hide Your Love Away 悲しみはぶっとばせ 2:53 John Lennon -  Paul McCartney フルトンがビートルズを歌っています。「ヘイ」がコーラスによって妙に盛り上がりますが、そういう曲なのかな? この曲はバリー・マクガイアもママス&パパスと共に録音しており、スローンかバリの好みなのかと思います。
17 Hitch Hike ヒッチ・ハイク 2:41 Marvin Gaye -  William "Mickey" Stevenson - Clarence Paul マーヴィン・ゲイのカバーで、フルトンの曲です。これはなかなかいいじゃないですか。でも、当時は未発表で、アルバムの選曲から漏れたのか、
18 Eve of Destruction 明日なき世界 3:36 P.F. Sloan これもフルトンのボーカルによる、スローンの曲です。まあ、及第点かな。
* Where Were You When I Needed You (Single version) 冷たい太陽(シングル・バージョン) 3:03 P.F. Sloan - Steve Barri フルトンのボーカルによる、セカンド・シングルで、全米第28位を記録しました。コーラスではスローンの美しいボーカルも聴けます。
* Where Were You When I Needed You (Third version) 冷たい太陽(サード・バージョン) 3:01 P.F. Sloan - Steve Barri ロブ・グリルによる再録音バージョンです。グリルもフルトンのボーカルに通づるところがあるので、さほど違和感はありません。この曲のヒットとグラス・ルーツというグループ名を引き継いだという運命ですが、その後もヒットを連発できてよかったですね。


Child of Our Times - The Trousdale Demo Sessions 1965 - 1967  (2001 Varese Sarabande 302 066 157 2)
 ついに発表された、スローンのデモ作品集です。とはいえ、スティーブ・バリと行動を共にしていた時代の作品集なので、コンビのページに含めました。 
No. TITLE JAPANESE TITLE TIME WRITERS COMMENTS
1 You Baby 2:37 P.F. Sloan - Steve Barri タートルズのビッグ・ヒットですが、スローンのバージョンはグラス・ルーツのデビュー・アルバムでも聴けます。
2 I Know That You'll Be There 2:21 P.F. Sloan - Steve Barri
3 Another Day, Another Heartache 2:34 P.F. Sloan - Steve Barri
4 Miss Charlotte 2:34 P.F. Sloan 1966年8月のデモです。途中からテンポが変わるのが面白いです。スローン自身、1968年のサード・アルバムで演奏していますが、まったくの別曲になっています。
5 Is It Any Wonder 2:50 P.F. Sloan - Steve Barri
6 Can I Get to Know You Better 2:36 P.F. Sloan - Steve Barri タートルズのヒットで有名です。ほとんど同じアレンジで、そのままシングル発売しても十分ヒットしたと思われます。
7 Look Out Girl 2:23 P.F. Sloan - Steve Barri グラスルーツでもスローン自身がプレイしていた曲ですが、ここではより気楽な別バージョンとして楽しめる内容となっています。
8 See Ya 'Round on the Rebound 2:35 P.F. Sloan
9 Child of Our Times 3:57 P.F. Sloan
10 I've Got No More to Say 2:18 P.F. Sloan - Steve Barri
11 Cling to Me 2:59 P.F. Sloan
12 I Don't Wanna Say Goodnight 2:37 P.F. Sloan - Steve Barri
13 My First Day Alone 2:49 P.F. Sloan - Steve Barri
14 Troubled Mind 2:20 P.F. Sloan
15 Spinning Wheel 3:07 P.F. Sloan
16 It's Too Late Baby 2:30 P.F. Sloan - Steve Barri
17 You're a Lonely Girl 2:52 P.F. Sloan - Steve Barri
18 Say It Again 2:07 P.F. Sloan - Steve Barri
19 Baby I Can't Stop Myself 2:53 P.F. Sloan - Steve Barri
20 Danger Man (Secret Agent Man) 2:32 P.F. Sloan - Steve Barri




P.F. SLOAN ALBUMS

Songs of Our Times  明日なき世界 (1965-8-12 Dunhill DS-50004)
P.F. スローンのソロ・アルバム第1弾です。スローン自身の生ギターとハーモニカをメインにした、シンプルなセッションです。デモ・レコーディングと思われる曲が多数含まれ、演奏は一辺倒な感じがします。ステレオ初期の作品で、ボーカルが左チャンネル寄りになっています。
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A1 The Sins of a Family 大人は知らない 3:05 P.F. Sloan これは、文句なくカッコイイ! でも、歌詞は過激のようです。バリー・マクガイアの「明日なき世界」がナンバー・ワンを獲得した翌週に全米第87位を記録しました。
A2 Take Me What I'm Worth テイク・ミー・ホワット・アイム・ワース 2:50 P.F. Sloan ハーモニカが印象的な、ギターのカッティングもよろしい曲です。サーチャーズが全英19位にヒットさせました。
A3 What Exactly's the Matter with Me 何のために 2:32 P.F. Sloan ワルツのリズムを、定番のハーモニカとタンバリンが刻みます。バリー・マクガイアも発表しています。スローンの自伝のタイトルにもなりました。
A4 I'd Have to Be Out of My Mind アイド・ハフ・トゥ・ビー・アウト・オブ・マイ・マインド 2:27 P.F. Sloan - Steve Barri ゴーゴー風のギターもフィーチャされた、ロック調のナンバーです。「ハロウィーン・メリー」のB面でした。
A5 Eve Of Destruction 明日なき世界 3:15 P.F. Sloan バリー・マクガイアのナンバー・ワン・ヒットとしておなじみです。スローン版はその声質もあって、とても聴きやすい仕上がりです。
A6 This Mornin' ディス・モーニン 2:42 P.F. Sloan 12弦ギターのきらびやかなイントロで始まります。朝の歌にもれなく、美しいメロディーです。「大人は知らない」のB面としてもリリースされました。
B1 I Get Out of Breath アイ・ゲット・アウト・オブ・ブレス 3:19 P.F. Sloan 「ディス・モーニン」と双子のような曲ですが、よりメロディー・ラインに抑揚があり、スローンの伸びやかな歌声がすがすがしい、パンチの効いたヒット曲タイプのナンバーになっています。タートルズのカバー・バージョンも素晴らしい出来です。
B2 This Is What I Was Made for ディス・イズ・ホワット・アイ・ウォズ・メイド・フォー 2:24 P.F. Sloan - Steve Barri 内省的な名曲です。イグアナスがスペイン語(?)でカバーしています。
B3 Ain't No Way I'm Gonna Change My Mind エイント・ノー・ウェイ・アイム・ゴナ・チェンジ・マイ・マインド 2:50 P.F. Sloan - Steve Barri 堅い弦のギターで始まります。スローンのボーカルがオーバー・ダビングされていて、ハーモニカも楽しさを助長しています。
B4 All the Things I Do for You Baby オール・ザ・シングス・アイ・ドゥ・フォー・ユー・ベイビー 2:01 P.F. Sloan - Steve Barri これもワルツのメロディーです。フェード・アウトします。
B5 (Goes to Show) Just How Wrong You Can Be ジャスト・ハウ・ロング・ユー・キャン・ビー 2:07 P.F. Sloan - Steve Barri スローンはこの曲を、いろいろなシーンで何回もレコーディングしています。その中では比較的テンポの良いバージョンですが、インナー・サークルとして録音したものがデキがいいです。
B6 What Am I Doin' Here with You ホワット・アム・アイ・ドゥーイン・ヒア・ウィズ・ユー 2:45 P.F. Sloan - Steve Barri アルバム最後を飾るのは、元気のいいナンバーです。スローンも張り切って歌っていて楽しいです。ジョニー・リバースやトゥインクルも発表しています。


12 More Times  孤独の世界 (1966-2 Dunhill DS-50007)
P.F. スローンのソロ・アルバム第2弾です。相変わらずデモ・レコーディングと思われる曲も収録されていますが、前アルバムと比べて多彩な曲が並び、しっかりとしたプロデュースのおかげで楽器類にも幅が見られます。
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A1 From a Distance 孤独の世界 3:07 P.F. Sloan 1966年1月3枚目のシングルです。全米第109位、しかし日本では69年秋の再発売で火がつき、14万枚を売り上げました。スローンをまったく知らない友人が、CMで聴いてヒズ・フェイヴァリットとしていたことが思い出されます。
A2 The Man Behind the Res Balloon ザ・マン・ビハインド・ザ・レッド・バルーン
(赤い風船売り)
2:18 P.F. Sloan ミディアム・テンポのリズムで刻む、独創的な曲です。演奏も特徴的なベースに加え、電子オルガンが効果的に使われて、楽しい仕上がりになっています。後に6枚目のシングル「サンフラワー、サンフラワー」のB面としてもシングル・カットされました。
A3 Let Me Be レット・ミー・ビー 2:54 P.F. Sloan タートルズが全米第29位にヒットさせた有名曲です。スローンはややもったりしたテンポで歌っています。
A4 Here's Where You Belong 住むのはここだ 3:05 P.F. Sloan - Steve Barri ドラムスのパンチが効いて、メロディーも流麗な、まさにヒット曲と言った曲です。グラスルーツも発表しています。
A5 This Precious Time この貴重な時間 2:44 P.F. Sloan - Steve Barri これもメロディアスな曲で、スローンの美声による熱唱が心地よい曲です。
A6 Halloween Mary ハロウィーン・メリー 2:36 P.F. Sloan 1965年10月の第2弾シングルです。ハーモニカや木琴が楽しいハッピー・ソングで、語り口調の長い詞を、飽きさせることなく盛り上げています。
B1 I Found a Girl アイ・ファウンド・ア・ガール 2:26 P.F. Sloan - Steve Barri ギターのアンサンブルがとてもきれいなバラード・チューンです。なぜかモノラル録音ですが、デモ・レコーディングをそのまま収録したとも考えられます。シングル「メロディー・フォー・ユー」のB面でも発売されました。ジャン&ディーンは能天気なアレンジでシングル・カットし、全米第30位のヒットを記録しました。
B2 On Top of a Fence オン・トップ・オブ・ア・フェンス 4:22 P.F. Sloan アルバムイチ暗い曲で、スローンが熱唱するバラードですが、あまり好きではありません。シングル「シティ・ウーマン」のB面曲ですが、これもモノラルなのでデモ録音なのかもしれません。
B3 Lollipop Train (You Never Had It So Good) ロリポップ・トレイン 3:10 P.F. Sloan - Steve Barri ヒット曲タイプですが、僕にはお子様を連想させるタイトル・イメージや、明るくなりきれない中途半端なポップ・ソングのイメージがあります。バリー・マクガイアやグラスルーツの録音が有名です。
B4 Upon a Painted Ocean アポン・ア・ペインテッド・オーシャン 3:13 P.F. Sloan バックでペチペチ鳴ってるのがいいです。個人的には航海ものの歌って苦手なので、朗々とした歌いぶりにもちょっと興ざめしてしまいます。
B5 When the Wind Changes 風向きが変わるとき 4:25 P.F. Sloan ハーモニカのビブラートと、ジャカスカ鳴るギターがボブ・ディランっぽい曲です。しかも長くて、ちょっと飽きてしまいます。これもモノラルのデモ・レコーディングでしょうか。
B6 Pattern Seg. 4 四つのパターン 3:05 P.F. Sloan 「ハロウィーン・メリー」にも似た楽しい曲ですが、ロカビリー風のアレンジになっています。シングル「孤独の世界」のB面曲でした。



Measure of Pleasure (1968-12 ATCO - 268)
P.F. スローンのソロ・アルバム第3弾です。ダンヒル時代とは一線を画す、全編にわたりフォーキーで素朴な作品群で、ポップさの中にファンキーなテイストが加わっています。録音のクウォリティが悪いのが残念。
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A1 One Of A Kind 3:04 P.F. Sloan ファンキーな曲です。
A2 New Design 4:00 P.F. Sloan ウォーキング・テンポの親しみやすいポップ・ソングです。
A3 (What Did She Mean When She Said) Good Luck 3:01 P.F. Sloan ロックの
A4 How Can I Be Sure 4:47 P.F. Sloan ゆるやかな曲調です。派手ではありませんが、この時代の渋いインストゥルメンタルが聴けて、なかなか好きです。
A5 Star Gazin' 3:11 P.F. Sloan 楽しい作品ですが、他の曲同様、インパクトに欠けて心に残らない感じがします。
B1 Miss Charlotte 2:56 P.F. Sloan
B2 Champagne 3:38 P.F. Sloan
B3 And The Boundaries Inbetween 3:17 P.F. Sloan
B4 Above And Beyond The Call Of Duty 3:42 P.F. Sloan ブリッジで聴ける、ギターとハイハットのジャン・ジャン・ジャ〜ンが印象的です。
B5 Country Woman (Can You Dig It All Night) 4:16 P.F. Sloan


Raised on Records  (1972-6 Mums - 31260)
P.F. スローンのソロ・アルバム第4弾です。
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A1 Let Me Be 2:44 P.F. Sloan タートルズでも大ヒットした自作曲のセルフ・カバーです。
A2 The Way You Want It to Be 4:06 P.F. Sloan
A3 The Night the Trains Broke Down 4:15 P.F. Sloan
A4 The Moon Is Stone 4:09 P.F. Sloan
A5 Raised on Records 4:00 P.F. Sloan
B1 Springtime 4:31 P.F. Sloan
B2 Como 3:08 P.F. Sloan
B3 Sins of a Family 3:29 P.F. Sloan 邦題「大人は知らない」のセルフ・カバーです。
B4 Turn on the Light 3:00 P.F. Sloan
B5 Midnight Girl 3:00 P.F. Sloan
B6 Somebody's Watching You 4:04 P.F. Sloan



  Serenade of the Seven Sisters  明日なき世界 (1994-6-25 Pioneer PICP-1023)
22年の時を経て、P.F. スローンのソロ・アルバム第5弾です。1994年に日本だけでリリースされ、その3年後に "(Still on the) Eve of Destruction" のタイトルで海外でも再発売されました。邦題はデビュー・アルバムと同じなので、ちょっと紛らわしいですね。スローンもレコーディング時に48歳。ちょっとドスがきいたダミ声になったけど、シンセサイザーなどをフィーチャした現代風なプロダクションで、比較的落ち着いたたたずまいのアルバムになっています。プロデュースは元ワシントン・スクエアズのブルース・ジェイ・パスコウです。
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1 Love Go Easy ラヴ・ゴー・イージー 4:35 P.F. Sloan ポージーズのケン・ストリングフェローとジョン・オウアーが、バックコーラスとして参加しています。このアルバムを象徴する、AORの佳作です。
2 Spiritual Eyes スピリチュアル・アイズ 4:37 P.F. Sloan 流麗なワルツの、印象的な曲です。女声を含む、大勢のバック・ボーカルが盛り上げます。
3 (Still on the) Eve of Destruction 明日なき世界 <'94ヴァージョン> 5:40 P.F. Sloan もちろん、あの大ヒット曲ですが、ナント、詞を90年代の風刺に書き改めています。そして現代風の新しい演奏でかっこよく生まれ変わりました。タンバリンで始まるのも、60年代を思わせます。
4 Help Me Remember ヘルプ・ミー・リメンバー 3:36 P.F. Sloan おとなし目のストリングスが、この曲の品格を高めています。
5 Sleeping Dog Lie スリーピング・ドッグス 4:11 P.F. Sloan アルバム中でも、もっとも親しみやすいヒット・ソング・タイプの曲です。シングル・カットすればヒットしたかも。
6 Beethoven's Delight ベートーヴェンズ・ディライト 4:34 P.F. Sloan "I know, I know, I know …" と繰り返す、さざ波のようなフレーズは、デヴィッド・ランツの弾く可愛いピアノと相まって、とても印象的な曲になっています。
7 Woman and Gold ウーマン・アンド・ゴールド 6:05 P.F. Sloan 12弦ギターもフィーチャしたきらびやかなバラードです。バック・ボーカルは、ポージーズのケンとジョンです。
8 Brother in the Wind ブラザーズ・イン・ザ・ウインド 4:36 P.F. Sloan 優しいバラード曲です。これもポージーズの二人がバック・ボーカルで参加しています。
9 Crazy As a Daisy クレイジー・アズ・ア・デイジー 5:22 P.F. Sloan スローンの伸びやかなボーカルがすがすがしい、ちょっとレイジーなブギです。スローンも楽しくプレイしているのが目に浮かびます。
10 Secret Agent Man 秘密諜報員のテーマ 4:12 P.F. Sloan イントロで「お、これは!」と思わせるのに、かなりのタメでジラされます。そして、昔と変わらぬ、かっこいいギターと、打ちまくるドラムスで盛り上げてくれます。ザ・ヤング・フレッシュ・フェローズがバックを務めています。
* Simple Song of Freedom 自由の広場 3:58 Bobby Darin 1990年、ヨーロッパで発売されたオムニバス・アルバム"True Voices" (Demon/FIEND CD 165) で、スローンがボビー・ダーリンのカバー曲をやってます。ほかにも、ジョン・スチュアート、ジーン・クラークなどが参加しています。



Sailover  (2006 HIGHTONE HCD-8193)
P.F. スローンのソロ・アルバム第6弾です。またもや12年のスパンを置いての新作登場です。今回も、かつてのヒット曲をちりばめているのが、昔からのファンにとってうれしいところです。
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1 The Sins of the Family 3:43 P.F. Sloan かのヒット曲、邦題「大人は知らない」のセルフ・カバーです。歌いだしのスローンのシャウトの声質がまた変化していて、別人のようです。他の曲よりキーが高いからなのかな? 1曲目から変な衝撃を受けてしまいました。このとき61歳。デュエットしている Lucinda Williams の女声が、うまくマイルドにしてくれています。
2 Violence 3:54 P.F. Sloan ソリッドなナンバーで、淡々と歌われます。
3 If You Knew 4:43 P.F. Sloan - S.J. Kalinich
4 The Soul of the Woman 4:51 P.F. Sloan - S.J. Kalinich
5 Eve of Destruction 4:33 P.F. Sloan きらびやかなギターながら、落ち着いたマイルドなテイストに仕上がっています。2番を Frank Black が、4番を Buddy Miller がデュエット参加しています。 
6 Halloween Mary 2:31 P.F. Sloan ここでも、Frank Black がボーカルで参加しています。
7 All That Time Allows 4:30 P.F. Sloan
8 Hollywood Moon 2:31 P.F. Sloan
9 Where Were You When I Needed You 3;52 P.F. Sloan - Steve Barri Felix Cavaliere
10 Love Is 4 Giving 4:30 P.F. Sloan - Jon Tiven
11 Cross the Night 4:59 P.F. Sloan
12 Sailover 3:38 P.F. Sloan - Jon Tiven
13 PK and the Evil Doctor Z 4:59 P.F. Sloan
14 From a Distance 3:30 P.F. Sloan
* You Baby 3:15 P.F. Sloan - Steve Barri タートルズでヒットした曲ですが、60年代のアレンジとは一線を画し、キュートさを残しつつも落ち着いたムードになっています。アルバムからの3曲"Eve of Destruction", "Violence", "Sins of a Family"を含む6曲入りマキシCDシングルにカップリングされた、未収録3曲のうちの1曲です。
2006 HIGHTONE HCD602
* Wild Strawberries 5:22 P.F. Sloan ジャジーなムードで、リラックスして聞ける、5分超の大作です。
* Whatever God Wants 3:39 P.F. Sloan 大人のポップ・ソングで、好感が持てます。後半のハーモニカにスローンらしさが出ていて、思わずうれしくなります。




My Beethoven  (2014 MsMusic Mus 104-1)
P.F. スローンのソロ・アルバム第7弾で、亡くなる1年前の作品です。20年前のアルバムにも「ベートーヴェンズ・ディライト」という曲を収めていたことがあり、ついにベートーヴェンをテーマにしてアルバムを作成しました。オーケストラのスコアをスローンが書いています。
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1 The Black Robed Spaniard (Beautifully Blue) 4:36 P.F. Sloan  
2 Myths Unbuttoned 2:14 P.F. Sloan  
3 My Beethoven (Canto) 6:56 P.F. Sloan
4 A Day in the Country 4:37 P.F. Sloan 明るく朗々とした曲で、すがすがしさを感じます。
5 Working 4:19 P.F. Sloan  
6 In Celebration of 2:13 P.F. Sloan - Keith Reid  
7 This Love 3:37 P.F. Sloan
8 Chaos 3:14 P.F. Sloan スローンのピアノ曲で、ボーカルはありません。
9 The Joy of the Ninth 4:05 P.F. Sloan お馴染みの「第九」をモチーフにした曲です。
10 My Beethoven (inst) 7:07 P.F. Sloan ボーナス・トラックで、3のインストゥルメンタルです。






Special Thanks to ももちゃん