PEGGY SANTIGLIA

ペギー・サンティグリアは、エンジェルスのリード・ボーカリストとして「あたしのボーイフレンド」の全米ナンバーワンヒットを放ったことで有名です。ハスキーで鼻にかかった、かわいらしくパンチのある歌唱で、僕の好きな女性ボーカリストの3本指に入ります。バック・ボーカリストとしても引く手あまたでしたが、もっと表舞台で活躍してよかったのにと、感じます。ここではエンジェルス在籍時を除いたカタログをご紹介します。

写真 発表年 レーベル アーティスト名 タイトル 時間 作者 ライナー・ノーツ
1959 Tender 818 The Delicates The Johnny Bunny 2:03 Peggy Santiglia - Denise Ferri - Arlene Lanzotti デリケイツは、Peggy Santiglia、Denise Ferri、Arlene Lanzottiの3人組です。デビュー曲から3人のオリジナル曲で、言葉遊び的な擬音を面白く使うスタイルは確立しています。
My First Date 1:55 Catalano - Kulaga ありがちなティーン・ロッカ・バラードというのが、実は心地よく、安心して聞けるというものです。散らかった感じのパーカッション群もほほえましい感じです。
1959 Unart UR-2017 The Delicates Black and White Thunderbird 1:59 Billy Mure - Peggy Santiglia - Denise Ferri - Arlene Lanzotti 「ピ・ピ・ピ」「パパパ・ラ」という楽しい擬音と、歌詞自体も擬音の塊のような、弾むような可愛いポップ・ソングです。一番売れたらしく、中古盤マーケットでは一番多く見かけます。メンバー3人とプロデューサーのビリーの共作です。
Ronnie Is My Lover 2:12 Billy Mure - Dick Wolf 男声の「ンバ・ンバ・ン」という導入で始まるゆったりとしたテンポの曲。
1959 Unart UR-2024 The Delicates Ringa Ding 1:31 Jesse Strum 前シングル同様、「イエ・イエ・ア・オ」という楽しいポップ・ソング。エンジェルスの曲と言っても通用する、ヒット・タイプの曲です。ドン・コスタがプロデュースしています。
Meussary 1:46 Kaufman - Peggy Santiglia - Denise Ferri - Arlene Lanzotti この一風変わったタイトルは"Me-a-surray"「ミーザリー」と発音し、彼女たちがジングルなどを担当していた「WINS ラジオ・ショー」の中で、パーソナリティのマレー・ザ・Kがよくやっていた言葉遊びによるものです。イントロが「ラブ・ミー・トゥモロウ」にも似てますが、デリケイツのA面候補曲をやや落ち着かせて、語り調のパートを盛り込んだような曲です。メンバーのオリジナル曲です。
1960 United Artists UA-210 The Delicates Flip Flip 2:32 Peggy Santiglia - Denise Ferri - Arlene Lanzotti これもメンバー3人のペンによる曲で、デリケイツらしい、弾むポップ・ソングですが、インパクトはやや欠けるでしょうか。
Your Happiest Years 2:23 A. Schroeder - W. Gold ドリーミーなコーラス曲です。
1960 United Artists UA-228 The Delicates Too Young to Date 1:44 Peggy Santiglia - Denise Ferri - Arlene Lanzotti 可愛いピアノがフィーチャされた楽しい曲。デリケイツらしさあふれる魅力的な仕上がりです。
The Kiss 1:53 Peggy Santiglia - Denise Ferri - Arlene Lanzotti ミディアム・テンポで流れるようなメロディーで親しみ易い曲です。
1961 Roulette 4321 The Delicates Little Ship 2:43 Pomus - Shuman Arlene Lanzottiが脱退して、ペギーとデニスの二人組みになったようです。ペダルスティールギターがフィーチャされ、ゆったりとした船の航海をイメージさせます。写真のレーベルはギリシャ盤です。
Not Tomorrow 2:15 Weinsmantel - Schell 楽しいサックスがフィーチャされた曲で、デニスのボーカルが前面に出ています。
1961 Roulette 4360 The Delicates Little Boy of Mine 2:32 Goldner - Cox 「ディル・ディル・ディル」というクレフトーンズの黒いコーラスを従えて、相変わらず可愛いボーカルとハーモニーを聴かせてくれます。彼らのバック・コーラスのないバージョンが収録されている盤もあるので、マニアとしては要注意です。
Dickie Went and Did It 1:48 Raleigh - Barry 子供たちが歌うような、タイトルの繰り返しが印象的な小品です。途中に入る男声は作者のジェフ・バリーですが、ひょうきんで楽しい。
1961 Roulette 4387 The Delicates I Don't Know Why
(I Just Do)
2:28 R. Turk - F. Ahlert スタンダード曲をデリケイツらしくアレンジしています。オーケストラをバックに従えていますが、一般的よりテンポ・アップし、ポップな感覚を取り込んでいます。
Strange Love 2:07 D. Ferri - P. Santiglia ペギーとデニスのオリジナルです。タイトルどおり、ちょっと不思議な雰囲気を醸し出しています。
1964 Tollie 9018 Peggie Sans (Peggy Santiglia) Snow Man 2:39 B. Gaudio - S. Linza 元はエンジェルスのためのアイディアでしたが実現せず、 ペギーのソロとして発表されました。右の写真はそのエンジェルス名義のアセテート盤ですが、市販されたペギー・バージョンと同一のものです。作曲のPeggy Farinaはペギーのペンネームです。ボブ・クリューとフランキー・ヴァリの実力派コンビによるプロデュースで、バーナデッド・キャロルも参加してるようです。ペギーの伸びやかなパンチのあるボーカルは健在です。
Give Your Love 2:20 P. Granahn - T. Farina ハッチ・デイビー風のストリングスをフィーチャした、ゆったりとした曲です。
1965 Dyno Voice 213 Jessica James & The Outlaws Give Her Up (Baby) 2:29 B. Gaudio - P. Ferina ペギー・サンティグリア、バーナデッド・キャロル、デニス・フェリが結成したグループです。彼女らはルー・クリスティやフランキー・ヴァリのコーラスとしても活躍しました。このデビュー曲はロネッツのようなスペクター・サウンド調の曲です。
Come Closer 2:13 Bob Gaudio エンジェルスを思い起こさせる、ちょっとスローなナンバーです。1963年にジャッキー・ヒル、翌年にはディー・クラークがシングル発売しています。ペギー自身も、1966年にティファニー・ミッシェル名義で再録音しています。
1966 Dyno Voice 220 / Bronco 220 Jessica James & The Outlaws We'll Be Makin' Out 2:28 B. Crewe - B. Gaudio ペギーの張りのある伸びやかな可愛い声が、ポップな曲調で最高にいかしています。エンディングではペギーが目いっぱい高い声を出していて、スゴイです。シュープリームスのようなモータウン調の曲です。ルー・クリスティがバック・ボーカルに参加しています。2つのレーベルで発売されました。
Jessica James Lucky Day J. Pesci - A. Roberto B面はジェシカ・ジェームス単独名義になっています。ソウルフルに歌うバラードです。相変わらず迫力たっぷりで、なんともうまいペギーの歌声をじっくり堪能しましょう。
- 1966 Bronco ? Jessica James & The Outlaws Blue Skies 2:36 - -
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1966 MGM K-13624 Tiffany Michele (I Wish I Was in) Dixie 2:33 (adapted by Bob Gaudio) ベースだけをバックに、ペギーが低い声で歌いだします。ビブラートの効いた迫力ボイスで、だんだんホーンやパーカッションが加わって、オーケストラやバック・コーラスを従えていくと、すごいカリスマ性があります。これは大傑作!
Come Closer 2:55 Bob Gaudio ジェシカ・ジェームス&アウトローズと同じ曲ですが、こちらの方がクリアさが増してペギーのボーカルも洗練されています。演奏もギターが加わり、収録時間も長くなっています。
1967 United Artists UA-50168 The Serendipity Singers The Boat That I Row Neil Diamond ニール・ダイアモンドのヒット曲のカバーですが、このグループのメイン・ボーカルもニールとよく似たダミ声です。このグループはたくさんレコードを出しており、このシングルのみペギーがバック・ボーカルで参加しているらしいのですが、よく聞こえません。曲自体は元気がいいポップスで親しみが持てます。
Signs of Love N. Ho'mes 60年代のサイケデリックな作品ですが、悪くありません。これもペギーは参加してないように思えます。

1971 Bell 961 Dusk Angel Baby 2:58 Irwin Levine - L. Russell Brown 「ノックは3回」「幸せの黄色いリボン」で有名なDAWNが夜明けなら、DUSKは夕暮れということで、兄妹グループとして企画されたものです。ペギー・サンティグリアがメイン・ボーカルを担当し、トニ・ワインらがバックを務めます。バイクのエフェクトと導入のメロディーが、シャングリラスの「リーダー・オブ・ザ・パック」のオマージュとなっています。全米第57位のヒットとなりました。邦題はそのまま「エンジェル・ベイビー」です。
If We Just Leave Today 2:08 Margo - Margo - Medress - Siegel トーケンズ作曲による爽快感あふれるポップ・ソングで、伸びやかなボーカルが印象的です。ジャケットつきの1stプレス盤には、この曲が収録されていました。邦題は「さみしきララバイ」です。
Reach Out and Speak My Name Ardith Polley ジャケットのない2ndプレスからは、B面がこの曲に差し替えられています。壮大なイメージで、訴えかけるような迫力あるボーカルに圧倒されます。
1971 Bell 990 Dusk I Hear Those Church Bells Ringing 3:01 Irwin Levine - L. Russell Brown ベルの音や、掛け声も楽しいポップ・ソングです。途中、曲が一旦終了したようになるのも、いい効果が出ています。全米第53位のスマッシュ・ヒット。邦題は「ふたりのウェディング・ベル」です。
I Cannot See to You 2:31 Ardith Polley 邦題は「お別れなのね」。「ベンのテーマ」のようなきれいなバラードです。
1971 Bell 45,148 Dusk Treat Me Like a Good Piece of Candy 2:44 Irwin Levine - L. Russell Brown エンジェルス時代を思い起こさせる、ペギーの力の入った歌い方が聴けて、うれしくなります。しかし、ヒット・チャートでは全米100位に入れませんでした。
Suburbia U.S.A. 2:52 Ardith Polley 楽しいウキウキするようなインストゥルメンタル曲です。ボーカルをつければいいのに…。もったいない。
1971 Bell 45,207 Dusk The Point of No Return 2:44 Thom Bell - Linda Creed 元気いっぱいのモータウン系のポップ・ソングです。
The Something Song Ardith Polley 重々しいとさえ感じるほど、かなりテンポを抑えてスローに語ります。そんな中でもハーモニーが美しく、さすがは百戦錬磨のボーカリストたちです。
1978 Tk Disco 102 Fantasia Featuring Peggy Santiglia Sweet, Sweet City Rhythms / Summer in the City G. Criss - B. Terrell - C. Snyder / J. Sebastian 45回転30cm盤でリリースされました。ディスコ用に7分を超えるダンス・ナンバーになっています。2曲のメドレーですが、あまりそのことは感じさせないスムーズな構成です。
Go on and Dance R. Dahrouge 歌として聴くなら断然コチラでしょう。ペギーの歌声もパワフルです。
1978 Amazon 400 Fantasia Featuring Peggy Santiglia Fantasia / Carnival G. Criss - B. Terrell こちらはTKレコードの系列アマゾン・レーベルから、33回転の30cm盤でリリースされたもので、TK Discoからリリースされた上記のレコードより2曲多く収録されています。アルバム・タイトルは"Sweet, Sweet City Rhythms"となっています。12分17秒にも及ぶメドレーで、A面はこの1曲だけ収録されています。カーニバルとディスコの融合といったアレンジで、演奏が主体のため、ペギーの歌は色を添えているといった感じで控えめです。
Sweet, Sweet City Rhythms / Summer in the City G. Criss - B. Terrell - C. Snyder / J. Sebastian アルバム・タイトル曲です。時代で仕方ないですが、ペギーの歌声にもエコーが施され、ディスコで踊るための曲であり、聴くための曲でないのが残念です。
Go on and Dance to the Music R. Dahrouge ディスコ調の曲ですが、往年のペギーのパンチの効いた歌声が楽しめます。
Alice Street C. Snyder - B. Terrell これもテンポの良いディスコ・サウンドです。もっとペギーの歌声を聴きたいと思わせます。