MICHELLE GILLIAM



Victim of Romance / Michelle Phillips (1977 A&M 4651) (ヴィクティム・オブ・ロマンス キング GP-2062)

ミッシェル唯一のソロ・アルバムで、ポップ感にあふれた傑作です。ママス&パパスのボーカリストとしては、キャス・エリオットの影に隠れていたイメージがありますが、ジャック・ニッチェのプロデュースに支えられて素晴らしいポップ・アルバムを届けてくれました。30年前、中古レコード屋で、このレオタード姿のセクシーなジャケットを見つけ、初めてソロ・アルバムの存在に気付いたのですが、その時から、時折聴きたくなっては棚から取り出す愛聴盤になっています。
A1 Aching kind 恋の仕打ち John Martin ミディアム・テンポの親しみ易いポップ・チューン。このアルバムのポップ感を象徴する1曲となっています。最初のシングル曲としても発表されています。
A2 Let the Music Begin 音楽をはじめて! A. Gordon コーラスが美しいバラード曲。「ハッピー・トゥゲザー」で有名なアラン・ゴードンの作品で、彼自身もレコーディングしています。
A3 Victim of Romance 涙のロマンス John Martin アルバム・タイトル曲で、スペクターっぽいアップ・テンポ曲です。サックスも効いていて、楽しいポップ・チューンに仕上がっています。4枚目のシングルでした。作者のムーン・マーティンのほか、リサ・バーンズ、ジョニー・アリデイ、アルヴィン・スターダストと、多くのカバーがあります。
A4 Trashy Rumors 恋のうわさ John Phillips 元夫ジョン・フィリップスの2番目の奥さんであるジェネヴィヴ・ウェイトが歌った曲。ミッシェルはどういう胸中でこの曲を演ったのか興味深いところです。ムーディーなナンバーです。
A5 There She Goes ゼア・シー・ゴーズ Michelle Phillips ミッシェル自身のオリジナル曲ですが、印象深いバラードになっています。シングルA3のB面としても発表されました。
B1 Paid the Price 愛の報い John Martin ドゥーアップのコーラスを従えてうたうレイジーな感じの曲。作者のムーン・マーティン、ニック・ロウ、ジョエル・ソニエーもこの曲を録音しています。
B2 Baby as You Turn Away ベイビー・アズ・ユー・ターン・アウェイ B., R. & M. Gibb ビー・ジーズのカバー曲です。落ち着いた曲ですが、転調がいかにもビー・ジーズらしくて好感が持てます。
B3 Lady of Fantasy ファンタジー・レイディ Michelle Phillips ミッシェルのオリジナルで、唯一ジョン・フィリップスがプロデュースしています。花びらがハラハラ落ちるようなホーンが印象的です。
B4 Just One Look ジャスト・ワン・ルック G. Carroll - D. Payne ドリス・トロイがオリジナルで、ホリーズ、リンダ・ロンシュタット、アン・マレーらもヒットさせています。ここでも歯切れのよいホーン・セクションが盛り上げて、楽しい1曲になっています。
B5 Where's Mine ? 私の彼は? R. Nagel - S. Matthews ファンタジーな、幻想的な曲です。
* No Love Today ノー・ラヴ・トゥデイ Roger Nichols - Will Jennings ここから先の10曲は、2005年に、hip-oselectから"Victim of Romance & Raities"(B0004931-02 紙ジャケCD)として発売された時のボーナス・トラックです。ロジャー・ニコルスのペンによる流麗なメロディーと、ハーモニカがこの時代のA&Mを象徴しています。1976年に、2枚目のシングル(A&M-1824)として発表され、アルバム未収録でした。
* Aloha Louie アロハ・ルーイ Michelle Phillips - John Phillips ハワイアンを題材にした南国ムードのある、ゆったりした曲です。ジョンとミシェルの共作です。1975年、ミシェルのソロ・デビュー・シングル(A&M-1740)ですが、なぜかセカンド・シングル(A&M-1824)にもカップリングされました。このルーイとはルー・アドラーのことらしいです。
* There She Goes (original version) ゼア・シー・ゴーズ (オリジナル・ヴァージョン) Michelle Phillips これは、デビュー・シングル(A&M-1740)にカップリングされていたオリジナル・バージョンです。テンポが速く、明るいポップ・ソングに仕上がっています。
* The Shoop Shoop Song
 (It's in His Kiss)
ザ・シュープ・シュープ・ソング Rudy Clark 1975年にジョン・フィリップスのもとで録音されていた未発表曲が7曲続きます。シングル曲を含めれば、「ヴィクティム・オブ・ロマンス」の前に、アルバムが1枚作れたはずですね。この曲はベティ・エバレットの1964年の大ヒットで、その後、シェールなど、たくさんのカバーが作られています。
* Trashy Rumors (original version) 恋のうわさ
(オリジナル・ヴァージョン)
John Phillips アルバム・バージョンよりテンポが速く、ポップ・ソングという様相です。
* Guerita グェリータ Michelle Phillips ペダル・スティール・ギターやハーモニーが南国風です。前半のアコースティックギターのカッティングや、ブーンブーン言うベースが何とも心地いいです。ミッシェルの作曲というのもすごいし、未発表だったのも勿体ない。
* Aces with You エイシズ・ウィズ・ユー Michelle Phillips これも、ミシェルのオリジナルです。やや哀愁を秘めながらも明るい曲調にまとめました。
* Champagne and Wine シャンペーン・アンド・ワイン Roy Lee Johnson - Otis Redding - Alan Walden くつろいだダルな感じがいいですね。オーティス・レディングの曲のようです。
* Having His Way ハヴィング・ヒズ・ウェイ Michelle Phillips ミシェルのボーカリストとしての魅力を感じられる好曲です。「キャス・エリオットにも負けてないわよ」って感じで伸びやかに歌っています。そして、この曲もミシェルのオリジナル。すごい才能じゃ、あ〜りませんか!
* You Give Good Phone ユー・ギヴ・グッド・フォンMichelle Phillips これもミッシェルの作曲ですが、なかなかのバラードに仕上がっています。
** Victim of Romance (promo single version) 涙のロマンス (プロモ・モノ・シングル・ヴァージョン) John Martin2005年のアメリカ盤のボーナス・トラックには入っていませんでしたが、2012年に日本でUSMジャパンから紙ジャケ発売される際に、このプロモ用モノ・シングル・バージョン2曲が追加されました。
** No Love Today (promo single version) ノー・ラヴ・トゥデイ (プロモ・モノ・シングル・ヴァージョン) Roger Nichols - Will Jennings これも上記と同じく、2012年の日本盤に収録されたプロモ・モノ・シングル・バージョンです。
*** Guerita グェリータMichelle Phillips ここから3曲は、2016年の4枚組CD "The Mamas & The Papas Ultimate Anthology" で初出となった、アルバムの選曲に漏れた、ジャック・ニッチェのプロデュースによるレコーディングです。この曲は以前ジョンのプロデュースで録音していた曲ですが、ジャック・ニッチェ版はテンポを落として味わい深くアレンジしました。「ゼア・シー・ゴーズ」に似た感じになっています。
*** Practice What You Preach プラックティス・ホワット・ッユー・プリーチ Dennis Lambert - Fil Spina スイングするR&B風の楽しいポップ・ソングです。
*** Had a Lot of Love Last Night ハッド・ア・ロット・オブ・ラヴ・ラスト・ナイト Barry Gibb - Maurice Gibb - Robin Gibb これはビージーズのバラードのカバーです。。



California Dreaming  (1979 American International Records 3001) (カリフォルニア・ドリーミング)

デニス・クリストファー、タニヤ・ロバーツなどが出演した、1978年のサーフィン映画のサウンドトラックです。ミッシェルもサントラに1曲参加していますが、作曲者のフレッド・カーリンは収録曲11曲のうち、7曲を作曲しています。主題歌の「夢のカリフォルニア」はアメリカが歌っており、ほかにはヘンリー・スモールやフロー&エディーといった有名どこが参加しています。
B3 Forever 2:42 Fred Karlin






SINGLES

IMAGES RELEASE LABEL TITLE TIME WRITERS NOTES
75 A&M 1740 Aloha Louie Michelle Phillips - John Phillips ハワイアンを題材にした南国ムードのある、ゆったりした曲です。ジョンとミシェルの共作です。ミシェルのソロ・デビュー・シングルですが、なぜかセカンド・シングルにもカップリングされました。
There She Goes (original version) Michelle Phillips アルバムや後のシングルとは異なる、テンポの速いバージョンで、こちらがオリジナルです。
76 A&M 1824 No Love Today Roger Nichols - Will Jennings ロジャー・ニコルスのペンによる流麗なメロディーと、ハーモニカがこの時代のA&Mを象徴しています。
(Aloha Louie) Michelle Phillips - John Phillips デビュー・シングル曲の再録です。
77 A&M 1996 Aching Kind John Martin ミディアム・テンポの親しみ易いポップ・チューン。アルバムの1曲目にも収録されました。
Lady of Fantasy Michelle Phillips ミッシェルのオリジナルで、唯一ジョン・フィリップスがプロデュースしています。花びらがハラハラ落ちるようなホーンが印象的です。
78 A&M 2021 Victim of Romance John Martin アルバム・タイトル曲ともなっており、スペクターっぽいアップ・テンポ曲です。サックスも効いていて、楽しいポップ・チューンに仕上がっています。作者のムーン・マーティンのほか、リサ・バーンズ、ジョニー・アリデイ、アルヴィン・スターダストと、多くのカバーがあります。
There She Goes Michelle Phillips これは、アルバムからカットされた、落ち着いたゆっくり目のバージョンです。