キーレスユニットの拡張

ターボタイマー動作中でも、キーレスが使用できるようにしてみました。

ご存知のように、アコゴンは、ターボタイマーを使用してのアフターアイドル時に、
キーレスが動作しません。施錠するのに、いちいちキーを差し込んでロックしなければ
なりません。キーレスが付いているのに使えなと言うのは、何事!?
キーレスに慣れてしまうと、キーでロックをかけるのは非常に面倒です。
あまりに不便なので、キーレスユニットの動作条件を拡張してみました。

【キーレスユニットに関して】
キーレスの機構は、MPCS回路によって分散コントロールされています。
ドアロックアクチュエータの駆動は、MPCS(アシスタント)が、担当していますが、
それ以外のインターロック制御を MPCS(ドライバ)や、キーレスレシーバなどでも、
分散して行っている為、非常に厄介です。

幸い、ターボタイマー動作中(キーが抜けているのにエンジンが回っている状態)に、
キーレスの起動条件に「NG」を発行しているのは、MPCS(アシスタント)と、
キーレスレシーバーユニットだけなので、この2つのユニットへの信号を操作
する事により、キーレスを使用可能にする事ができます。

<キーレスレシーバユニット>
キーレスリモコンを押した時、キーレスレシーバユニットからMPCS(アシスタント)へ
信号が出力されますが、この信号の出力が、7Pコネクタの 5番(黄)により、制御
されています。この端子が 12V(+B)で出力不可、0V(open)で出力可になります。
純正では、ここにIG1(キーUの位置で12V(+B))のラインが接続されており、
エンジン動作中は、キーレスの信号を出力しないように制御されています。
このラインをカットする事により、キーレス信号がダイレクトに出力される
ようになるので、キーレスが機能しそうですが、MPCSによりインターロックが
かかっているので、開錠のみ、可能になります。
リモコンエンジンスターターを使用している方は、これだけで十分ですよね。
ターボタイマーは、施錠ができないのが悩みの種なので、これでは解決になりません。

<MPCSアシスタント>
ドアロックアクチュエータをコントロールしている部分です。
アシスタントヒューズボックス裏側 24Pコネクタ 22番 により、キーレスの動作が
制御されています。この端子が 0V(open)で動作可、12V(+B)で動作不可になります。
純正では、ここにIG1(キーUの位置で12V(+B))のラインが接続されており、
エンジン動作中は、キーレスが動作しないように制御されています。
このラインをカットすれば、良いのですが、MPCSアシスタントユニットは、
コネクタ直結の為、ラインをカットできません。また、ドアロック以外の機構も
制御している為、安易にラインをカットしてしまうと、動作しなくなる部分が
出てきてしまいます(左側パワーウインドウ等)。

これを解決する為には、次のような信号が必要です。

エンジン停止時(キーU位置以外)は、0V(open)。
エンジン回転時は、12V(+B)。但し、ターボタイマー使用時は、0V(open)。

この条件を満たす信号は、ズバリ! Acc です。(キーT位置)
キーオフして、ターボタイマー使用中は、オーディオが使用できませんよね。
Acc は、アクセサリー電源で、オーディオユニット等の電源に使用されている信号です。

インターロック用の条件信号、および、左側パワーウインドウの制御リレー駆動用なので、
電力の消費は殆どありませんから、どこから取ってきても良いのですが、スマートに且つ、
安全なところから取りたいので、純正ナビユニット用に準備されたラインを使用する事にしました。
純正ナビ未装着車でも、ちゃんと電源が供給されているラインです。

さて、問題がもう一つ。どこで、IG1のラインとAccを 繋ぎ替えるかです。
前述のとおり、MPCSアシスタントユニットは、コネクタ直付けなので、
ヒューズボックスとMPCS の取り合い部分では、どうする事もできません。

ところで、IG1 や、Accは、どこから来るのでしょうか?
バッテリー 〜 キーシリンダー 〜 ドライバヒューズボックス 〜 アシスタントヒューズボックス
という経路でやってきます。

MPCSとヒューズボックスの取り合い部分でダメなら、さらに上流側で、繋ぎ替えれば良い訳です。
実際には、ドライバ 〜 アシスタント間で、繋ぎ替えを行っています(図:B)。

アシスタントヒューズボックス下では、「アシスタントテンションレデューサソレノイド」が
IG1信号を要求しているので、こちらには、そのまま IG1信号を供給します(図:D)。



【作業手順】

1.キーレスレシーバユニット 7Pコネクタ 5番(黄)をカットします。(図:@)






2.アシスタントヒューズボックス裏側 18Pコネクタ 7番(黄)をカットします。(図:A)

3.アシスタントヒューズボックス裏側 16Pコネクタ 7番(黄/黒)と、2でカットした
   7番(黄)(コネクタ側) とを接続します。(図:B)

4.アシスタントヒューズボックス表側 20Pコネクタ 13番(黄)をカットします。(図:C)

5.2でカットした 7番(黄)(ハーネス側)と、4でカットした 13番(黄)(ハーネス側)
  とを接続します(図:D)

6.未接続になっている、アシスタントヒューズボックス表 20Pコネクタ 13番(黄)
  (コネクタ側)
と、キーレスレシーバユニット 7Pコネクタ 5番(黄)(コネクタ側、
  ハーネス側両方)
をテープで絶縁処理します。(図:@、C)




【コネクタマップ】

以下のコネクタマップは、全て、ハーネス側から端子側を見る形で表記しています。


<キーレスレシーバユニット 7P コネクタ>
1 アース
2
3 青/赤 MPCS通信線
4
5 IG1(10A)
6
7 +B(20A)


<アシスタントヒューズボックス表側 20Pコネクタ>


1 8
2 白/赤 L.リア P/W SW 9 茶/白 L.リアスピーカ
3 アース 10 赤/黄 L.リアスピーカ
11 緑/黄 L.リア P/W SW
4 黒/緑 リア デフロスタ 12 L.リア P/W SW
13 アシスタント テンションレデューサソレノイド
14 緑/白 L.リア ドアSW
15
5 若葉/赤 L.リア ドアロックアクチュエータ 16 アシスタント ドアSW
17 ABS.L リアホイールセンサ
6 白/黒 L.リア P/W SW 18 ABS.L リアホイールセンサ
19
7 赤/黒 L.テールライト 20 白/赤 L.リア ドアロックアクチュエータ


<アシスタントヒューズボックス裏側 18Pコネクタ>


1 7 IG1(10A)
2 8
9 赤/黒 インストルメントパネル照明
3 サンルーフモータ 10 白/黄 R.リア P/W SW
11 白/緑 AM/FMラジオ一体式カセットステレオ
12 赤/青 MPCS(ドア)
13 白/赤 AM/FMラジオ一体式カセットステレオ
4 白/青 オーディオアンプ(BOSE装着車) 14 茶/黒 データリンクカプラ
15 白/黄 セーフティインジケータ
5 キーレスレシーバユニット 16
17 青/赤 PGM-FI ECU
6 黄/緑 サンルーフSW 18 ABSコントロールユニット


<アシスタントヒューズボックス裏側 16Pコネクタ>


1 白/青 テールゲートライト 7 黄/黒 Acc(7.5A)
2 8 青/白 パワーミラーSW
3 白/赤 P/W メインSW 9
10
11
12 黄/白 パワーミラーSW
4 13 若草 パワーミラーSW
14
5 黄/緑 オートA/Cコントロールユニット 15 黒/黄 オートA/Cコントロールユニット
6 16


【ご注意】
純正ハーネス切断の為、加工部位に関連している部分の メーカー保障は、
無効(有償)になります。また、年式により、配線の色が異なる場合があります。

【免責事項】
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