素敵なクリスマスパーティ

2006年12月。輝たちは、洋次郎の所有する松平伯爵邸の一部を使い、アットホームなクリスマスパーティを開くことにした。
高校生なので、もちろんハメを外すことはできないが、そこは企画上手な彼らのこと。楽しいイベントを考えることだろう。
そして、何よりもあの豪華な洋館である。男子も女子も、ロマンチック聖夜の想い出を夢見て、その日を楽しみにしていた。

(1)

@弓道場

朝比奈 「そういえば、朱雀高校と親睦を深めて何かやるそうだが…」
円山 「ええ、生徒会主催のクリスマスパーティなんです」
 「ま、円山主将。そういえば朝比奈先生に、このこと、まだ話してなかったのでは;;」
円山 「あ、そうだったっけ(汗;)」
朝比奈 「そうか。弓道場以外でも交流を深めようというのだな」
 「先生、そのパーティ、土曜日の午後なんです。もしもよかったら、ご家族連れでいらっしゃいませんか?」
朝比奈 「ははは、気を使ってくれているみたいだな。だが、遠慮しておこう。私みたいな中年がいても場違いだろう」
 「そんなことありません。新聞部の北城くんのお父さんが料理を振舞ってくれるっていいますし…」
朝比奈 「そうか。大人もいるんだな。それなら安心だ。だが、やっぱり私は遠慮するよ。教師抜きのほうが楽しいだろう」←けっこう気を使っている
円山 「…すみません;」
朝比奈 「ただし…」チラリ
 「…う。何か言われるのかな;」
朝比奈 「パーティだからって浮かれ騒いで、周り近所へ迷惑かけるなよ。じゃあ、私は先に帰るから…」
円山&龍&部員 「お疲れ様でした!!」

「…パーティか。しかしどうして弓道部がクリスマスパーティなんだかわからんが…。俺の高校時代には、そんなチャラチャラしたイベントなんてなかったが…。バブルの頃あたりからだったかな。一億総にわかクリスチャンになったのは…。今や高校生が一丁前にパーティとは。まったく今のコっていうのは…。まあ、それはいいんだが、俺が一番気にしているのは調子に乗って酒を持ち込むやつがいなければいいということなのだが…。でもまあ、生徒の親が一人でも会場にいてくれるならば大丈夫かな」

朝比奈は、龍たち弓道部の顧問の先生(本編登場中)。40代真ん中ぐらいで、野武士のような風貌の男臭い〜タイプ。ゆえに一番クリスマスには遠いところにいるキャラだった。
教師として、彼はこの企画を聞いて、やはり最後の部分を気にしていたが、北城の父親が来てくれるというのならば大丈夫だろう。このほかにも建物の使用のこともあり、その管理者も立ち会うという。
「こういうこと一つずつを自主的にやらせるのが、我が校のいいところなのだ」

***

<出席予定者へ一斉メール>
鴻池です。
言い忘れたけど、パーティ参加者は、何か一つ簡単なプレゼントを持ってくるように! 
全員でプレゼント交換するからね!

宇都宮@自宅
この前、澤樹さんからパーティに着てくるドレスを写メールで送ってくれたけど、メールの最後にプレゼントを持っていくって書いてあったな…。
う〜ん、やっぱり俺も何かプレゼントを用意しないとな。だけど、何を贈ればいいんだろう。←初体験なのでよくわからない;
あれ?学園ブログに珍しく外部からトラックバックが付いているじゃないか。
しかも「クリスマスセレクション2006」! 
よし、ちょっとクリックしてみるか。

『あの笑顔が見たいから 恋するサンタクロースになる!』だって、なるほどね。
ははは… (←笑いながらも、ちょいとその気)
おや、男女別に何が欲しいかの意識調査結果なんていうのもあるな。よし、これも見てみよう。
●クリスマスを一緒に過ごす恋人やパートナーはいますか?
ふふふ…いますよ〜(^^; 
男性で「いる」割合は38%か。←余〜裕
●クリスマスギフトを贈る予定ですか
男の97%が贈るか。男性からのプレゼントはもはや常識…;やっぱりなあ。
●恋人に何を贈ってもらいたいのか
そうそう、これが一番大事なんだが…。うっ…ブランド物のジュエリー…か? 
やっぱ、そうなのかな? そんな風には見えないけどなあ>澤樹さん
だけど…うむむ…、どうしよう。予算もあるし;直接聞いてみるのが一番合理的なんだが…こういうのって、開けて驚いて、それでいて喜んでくれるっていうのがミソだし。ちょっと聞きづらいよなあ。やっぱ、こういうときは、あいつに聞くのが手っ取り早いかな。

そう一人ごちると、宇都宮は雅希のところへ電話をした。
雅希 「何だよ、今頃」 ←受験勉強中
宇都宮 「ちょっとお前にアドバイスしてもらいたいと思ってだな…」
雅希 「声が浮かれている。おいこら、惚気話だったら聞かねえぞ。こっちはお前らみたいな暇人じゃないんだ」
最近、ご機嫌な斜めのようなので、雅希に聞くのはやめた。

 「何の用? え?彼女へのプレゼント?そりゃもちろん、今日という日を記念するような特別なものを贈るべきじゃないのか? 僕だったらどうするかって?…そうだな…まずは真っ赤なバラ1輪にリボンを付けたのを彼女に渡すだろ。 すると「まあ…!」なんて、たいていの女の子は感動すると思うんだよね。その様子を観察してから、後ろ手に隠した本命のプレゼントを、そっと目の前に差し出す…。タイミングが重要だ。このとき、二人の前にイルミネーションとかあるといいんじゃないか。
…まあ、頑張ってくれ…」
ちぇっ、あいつ、彼女ができたからって、自慢しているんだな。くっそ、悔しい;
あ〜、どこにいるんだろう。僕のスイートハートは。

一方で、今回のドレスコードも悩ましい問題だった。
せっかくのパーティなので、楽しく個性的に行こうという基本路線は決まっているが、具体的なものがわからない。

九十九 「なかなか、皆が何を着てくるって噂が流れてこないわね」
 「うふふ…馨たちは派手だよ」
九十九 「たち…って、やっぱり龍くんとペアルック?」
 「まあ期待しててよ(^^;」
九十九 「いーわねー、いつも仲良くて〜」
 「途中から登場したナルミーなんかに負けないよ」
ナルミー 「…呼んだ?」
 「おいっ、いきなり出てくるなぁ。カゼ治ったの?」
ナルミー 「まだ万全じゃないけどね」
坂本 「意外だな。龍くんのほうが重症だったのか」
 「かおるが一番具合悪いときに、お見舞いに来てもらっちゃったからなあ」
 「大丈夫か?パーティに間に合うのかね」
ナルミー 「もしも彼がダウンしたら、僕が代りにエスコートするから」
 「懲りないヤツ;;」

九十九 「ところで、輝くんはずっと黒服でホストやるワケ?」
 「まあ、主催者としては、そういうことになるだろうな」
坂本 「ホントはサプライズやりたかったんじゃないですか?たとえば…アラブの王子様とか(笑)」
 「この前のアジア大会の開会式で、本物の王子様が白馬に乗って聖火点灯してたよね。アラビアのロレンスみたいでカッコよかった(^^*」
ナルミー 「あ、それ、僕がいただこうかな」 ←けっこう悪乗り
 「君には似合わないよ〜(笑)」グサッ

九十九 「でも、いずれにしても、みんなフツーじゃつまらないよね」
坂本 「だけど特殊な衣装なんて、フツーは持っていないよ」
 「じゃあ、平服で来た人には強引にくじ引きさせてコスプレさせるっていうのはどうよ。うちの衣装さんにユニークなのを見繕ってもらってくるから」
九十九 「それ、ナイス企画だわよ〜>馨姫」

 「どんなのがいいかな(^^)」ルンルン
九十九 「演出家として、一緒に考えてあげるわ」
 「ありがとう、九十九先輩。じゃあウチへ来て、実際に衣装を見て選ぼう!」
九十九 「そーしましょ。じゃーね〜」わくわく
坂本 「あの二人、企画モノというとすぐに意気投合しますね」
ナルミー 「何だか、嫌〜な予感がする(--;」
坂本 「そうだね。君は、この前のデビューで登場人物全員を敵に回した前科があるからね。報復が待っているかもよ」
 「それにしても、品位だけは保ってもらわないとな。格式ある伯爵邸なんだからね」

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