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鴻池 輝 「この前のボランティアが好評で、また依頼が来たんだけど」
坂本敦志 「また幼稚園ですか?」
輝 「いや、今度は地元の老人ホームからだ」
高野 龍 「敬老の日が近いですからね」
伏見 馨 「でも、お年寄り対象じゃ『ゴレンジャー』はウケないんじゃないの?」
輝 「そう、だから今度は別の出し物を考えているんだ」
九十九 誠 「会長がどうしてもって頼むんで、今回はあたしが演出と脚本を書くことになりました〜(^^)」
輝 「…僕は別に頼んではいないんだけどな…」
九十九 「うふっ、輝くんったら、あたしとの関係を隠さなくてもいいのよ〜」
輝 「おい、誤解を生むような発言は控えろ;」
手塚雅希 「お前らの関係なんてどうでもいい。今回は何をやるんだ」 ←またまた飛び入り参加
九十九 「よくぞ聞いてくれました。今度は「水戸黄門」よ〜♪!」
原田伊織 「…これはこれは…思いっきりVSOPだな」
小野亮太 「何それ?」
キタシロ(北城 悠) 「ベリー・スペシャル・ワンパターン。父ちゃんの時代に流行ったらしい」 ←死語だな;
九十九 「で、配役なんだけど…」
宇都宮隆行 「ちょっと待て。この前のような決め方は承服しないぞ」
龍 「そういえば、この前は部長は欠席裁判で悪役(ウッチー総統)押し付けられてましたしね」
九十九 「でもねえ、やっぱり配役イメージってあるからねえ」
輝 「そうだな。今度は大人相手だから演出家の意見は基本的に尊重しよう。で、譲れないのは、たとえば誰?」
九十九 「まずは『かげろうお銀』は、馨くんしかいないでしょ」
かおる 「うふふ…。8時半の入浴シーンもOKよ〜(^^)v」
九十九 「それと『うっかり八兵衛』はキタシロがいいわね」
キタシロ 「そ、そうなんっすか?(誉められているのかな?)」
かおる 「『風車の弥七』は、りう様がいいな〜」
九十九 「馨くんの希望じゃ断れないわね〜(^^*」
龍 「え、それってどんな役?」 ←この世代じゃわからんだろうな
かおる 「大丈夫。りう様にうってつけのカッコいい役だから」
輝 「すると、あとはご老公と、助さん・格さんが残っているな」
雅希 「印籠を出すのはどっちだっけ?」
九十九 「確か格さんだったと思うけど…」
宇都宮 「その他にはどんな役があるんだ?」
九十九 「水戸黄門といえば勧善懲悪。ということで、悪代官と悪徳高利貸しの越後屋。それから被害者ね」
亮太 「恐ろしくわかりやすいキャスティングですね(^^;」
宇都宮 「で、残った連中で、これらの役を分けるわけだな」
雅希 「よし、ジャンケンで決めるぞ!」←気迫!
坂本 「何だか迫力で負けそう;」
原田 「…雅希さんって、こういうときは一段と勝負強そう」
九十九 「ま、待って、手塚くん。後腐りないように、ここは運を天に任せましょう。くじを用意したわ。先端に役名が書いてあるから、一本ずつ引いてね」
輝 「うーん、何となく嫌な予感がする。どうぞ悪代官を引きませんように〜;」
そして、輝、雅希、宇都宮、坂本、原田、亮太が、運命のくじを引いた。
九十九 「みんな引いたわね。じゃあ、一人ずつ役名を言ってちょうだい」
雅希 「へへへ、俺、予定通り印籠の『渥美格之進』!」 ←相変わらずの強運
宇都宮 「よっしゃ。『佐々木助三郎』ゲット!(^^)v」
雅希 「え〜、お前とツートップやるの?何かビジュアル的にバランス悪くない?」
宇都宮 「ふん、俺だって共演者が不満だが、くじびきだからしょうがない」
かおる 「しっかし、濃ゆい『助格』コンビだな〜(笑)」
坂本 「ちぇっ〜、僕が『越後屋清兵衛』か(--;」 ←大当たり〜!
原田 「何ですか、これ?『貧乏長屋に住む労咳気味の傘貼り浪人』って」
亮太 「僕は…『その娘』ですか;」
九十九 「越後屋は借金のカタに娘を差し出させて、悪代官に献上するんだ」
亮太 「何だかゴレンジャーのときと同じ展開…(>_<。」
九十九 「勧善懲悪には単純明快が一番よ〜(^^)」←ある意味、真実かも
龍 「ところで、会長は…?」
輝 「これから見るところ…」 ドキドキ
かおる 「もしかして…悪代官?」
雅希 「おい、輝、早く発表しろよ」
輝 「…あ」
宇都宮 「悪代官か!」←期待!
輝 「『水戸黄門』だった…(^^)」ホッ
一同 がっくり (--;
輝 「な、何だよ。ちゃんと民主的に、みんなの前でくじ引きして決めただろう」
かおる 「会長じゃ、ご老公の風格が足りないな…」
輝 「んなこといっても、僕は誕生日がくるまでは花の17歳なんだぞ。そもそも老人役なんて…」
宇都宮 「だったらいっそ、お前んちの例のじいさまに頼んだらどうだ?」
九十九 「ウッチー、それ、すっごくナイスかもよ〜!」
雅希 「たまにはいいこと言うな>隆行」
輝 「なんで、そうなるんだ〜〜(>_<。)」
かおる 「いいんじゃない?だって、東都のOBなんでしょ」
輝 「老人が老人ホームを慰問したって喜ばれないよ」
雅希 「ともかく意向を聞いてみろよ」
輝 「ムダだと思うけどな…」
ぶつぶつ言いながら、輝は携帯を取り出した。
輝 「あ、おじいさま? 僕です。実はですね…」
九十九 「どうだった?」
輝 「それが…『水戸黄門』をやるって言ったら、やる気になって…。そういえば、おじいさまは時代劇の大ファンだったんだ。台本ができたら、みんなで家に練習に来いってさ…(--;」
かおる 「やったね!」
宇都宮 「確か、輝のじいさんちって、松濤のでっかい屋敷だったよな」
キタシロ 「練習後は何かご馳走してくれそうですね」
九十九 「台本は既にできているわよ」
雅希 「よし、さっそく行こう〜!」
原田 「ところで、そうなると会長は何をやるんですか?」
亮太 「残っているものとしては…」
宇都宮 「『悪代官』しかないだろうな」
輝 「ガーン(T_T)」
坂本 「ふふふ…。お代官様〜。仲良く悪事を働きましょうよ〜」←既になりきり
九十九 「はい!これで無事に配役は決まったわね。そうそう、最後にはテーマ曲『ああ、人生に涙あり』を、みんなで歌うから、歌唱練習もするっからね!(^^)」
***
翌日、老人ホーム慰問の出し物「水戸黄門」の練習のために、、メンバーは洋次郎じいさまの屋敷@渋谷区松濤にやってきた。
雅希 「…すげえ家だな。門から家が見えない…」
輝 「でかい犬がいるから気をつけてくれ」
原田 「うわ〜〜」 ←ラブラドールが飛び掛る
亮太 「きゃ〜、原田委員長が食べられる〜」
坂本 「でも、よく見ると尻尾振ってるよ(^^;」
キタシロ 「じゃれているみたいに見えますけど〜」
原田 「げえ〜重い〜;誰かこの犬、どけてくれ」
輝 「散歩に連れて行けっていってるのかもしれないな。お手伝いさんが休みだと散歩に連れて行く人がいないので、時々、訪問者に要求するんだよね。コイツ」
宇都宮 「原田。お前好かれたみたいだから、その辺、一周して来い」
原田 「え〜〜(>_<。);」
輝 「こんにちは。おばあさま。早速、仲間連れてきました」
曾祖母 綾子 「みなさん、ようこそいらっしゃいました」
九十九 「はじめまして、奥様。東都学院高校の映画部の九十九と申します(^^)」
雅希 「コイツ。一人、出張っている…(--;」
綾子 「おほほ、礼儀正しい生徒さんね。お名刺までいただいちゃって」
かおる 「お年召しているけど、上品な大奥様って感じだね」
龍 「そ、そうだね。何だか緊張しちゃうな」
綾子 「あら?あなたはもしかして日本舞踊の…」
かおる 「ハイ、伏見馨です(^o^)」
綾子 「まあまあ! 先日の舞台も拝見したんですのよ。藤娘、綺麗ねえって。輝さんのお友達とは思わなかったわ」
かおる 「どうもありがとうございます(^^)」にっこり
キタシロ 「さすが馨先輩。すっかり大奥様のハートを掴んでますね」
かおる 「ふふん。どうだ、これが私の人気と実力なんだよ〜ん!」
輝 「ところで、おじいさまは?」
綾子 「お仕事の打ち合わせをなさっているから、皆さんはこちらのお部屋で待っていてくださいね…」
一同は、瀟洒な洋間に通された。
亮太 「うわあ〜〜。すごい部屋、お城みたい(@_@)」
坂本 「ペルシャ絨毯にシャガールの絵、照明はバカラのシャンデリア。戸棚にあるカップ&ソーサーは、どうやらマイセンみたいだな」
かおる 「それがわかるだけでもすごいですね>坂本先輩」
坂本 「ふふふ…まあね」 ←意外な一面
雅希 「ジュースを持つ手が震えるな」
九十九 「じゅうたんにしみでもつけたら大変よ〜」
キタシロ 「おっとっと…:」←手が滑った
亮太 「うわあ〜言ったそばから;;」
龍 「危ない」
かおる 「ナイスキャッチ!りう様、野球部からもお声がかかるよ」
宇都宮 「キタシロ〜、言ってるそばから、気を抜くんじゃないっ!」
原田 「部長の怒鳴り声の方がビビるよな」
その時、ドアをノックする音が聞こえた。輝が立ち上がって扉を開けると、廊下に背の高いスーツ姿の男性の姿が見えた。
如月 「お時間を割いていただきまして、ありがとうございました」
輝 「おじいさまとの打ち合わせは終ったの?いつも大変だね」
如月 「では、輝様、失礼します」
かおる 「ねえねえ、すっごいカッコイイ人みたいだよ」
龍 「覗き見しちゃ悪いよ」
亮太 「ちょっと手塚先生に似ている…」
原田 「背の高いところはね」
キタシロ 「全然似てないよ、あの先生メッチャおっかなかったじゃないか…」
雅希 「おい、輝。今の男の人、誰?」
輝 「おじいさまの秘書だよ。相談役として時々会社に行くことがあるので、そのときは、いつも彼が迎えに来るんだ」
宇都宮 「駐車場に停めてあった、黒塗りのでかい車だな」
九十九 「やっぱりベンツだったわねえ(社長 会長の車)」 ←すみません、それしか知らないの;
坂本 「しかし、どこから見ても完璧なまで秘書然とした人だったな」
かおる 「はあ〜、ホントにいるんだね。ああいう人って…。思わず見とれちゃった(^^;」
キタシロ 「参考までに、お名前は…?(^^)」
輝 「如月っていうんだよ。珍しい苗字だろう」
九十九 「月の如し…ねえ。クールなイメージそのまんまね。まるでドラマか小説から出てきたみたい」
かおる 「ねえねえ、如月さん、歳はいくつ?」
輝 「確かまだ30前だよ。もちろん独身!(^-^)」
如月の話題に盛り上がっていた部屋に、ようやくこの屋敷の主:鴻池洋次郎が顔を出した。
今年95歳になる洋次郎は、足腰はやや弱っているが、耳も頭もクリアだった。
洋次郎 「みんな待たせたね。今回の劇の話を聞いたとき、ホントに僕でいいのかと思ったんだが…。実は僕は第一部の東野英治郎の時から「水戸黄門」のファンだったんだよ」
かおる 「それじゃ、まさにハマリ役ですねね!」
洋次郎 「君はお銀さん役だね」
かおる 「ハイ、かげろうお銀、全力を尽くして頑張ります(^^)」
綾子 「ねえ、とってもお綺麗な方でしょう。お人形さんみたい。日本舞踊をなさっていらっしゃるのよ」
洋次郎 「楽しみにしてますよ>お銀さん」
雅希 「ふうん…。このじいさまに付き従うならば、コイツより(文武両道らしい)さっきの優秀な秘書の人に格さんをさせたいな…」
宇都宮 「それを言うなら、助さんだろう。誰かさんとは品格が違う」
その頃、ハンドルを握っていた如月は、原因不明のくしゃみに襲われていた。
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