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手作り個人誌を作ろう


連載小説「解のない方程式」がWEBでの連載として完結したことを記念して、1冊の本にまとめてみました。
やはり自分の作品が本という形になるのは嬉しいもの。しかし、印刷業者に任せると最低部数の確保とそれ相応の出費が余儀なくされます。そんなにたくさん要るわけでもない、しかもあまりお金もかけたくない場合はどうするか…。やっぱり手作り家内工業でやるっきゃないでしょう。
ということで、今回は限定10部、持っている資源を活用して、すべて手作業で作り上げました。そのメイキングを紹介します。

使用ソフト
●本文推敲・印刷 Micrsoft Word 2000
●表紙・挿絵作成 Adobe Photoshop 6
●表紙・挿絵の印刷 Adobe Illustrator 10
出来上がり(A5判)

手順1 発行計画を立てる
発行目的 (1)せっかくドラマがまとまったので、記念としてアナログなもので残したい
(2)支援してくれた人にも紙ベースで読んでもらいたい(押し付け;)
体裁 A5判 右開き 縦書き 2段組 両面印刷
作成方針 表紙と裏表紙にカラーイラスト、内部挿絵はモノクロ。
表紙と4コマ漫画は画質重視のために全てプリンター印刷する。

モノクロ部分はコピー機対応
発行部数 10部限定 (それ以上作ってももらってくれる人もいないだろうし、イベント等で販売するほどメジャーじゃないし…) ★若干ですが残部あります。興味ありましたらメールください。(7/9現在)
発行予定日 2006年6月24日目標 (この日開かれるオフ会で何人かに直接手渡ししようと思ったため)
*こういうのってマイペースで進めていくと、どうしてもズルズルしてしまうので、目標設置しておかないとね〜。


手順2 本文の推敲・確定
目的が「小説本を作る」なので、何はともあれ本文部分の確定が最初のお仕事。
今回は、推敲3回、それぞれプリントアウトして、地道に赤をいれて確定させました。

1 最初の推敲
最初の原稿は赤ペンだらけ 最初の推敲では破綻ない内容にすることが目標。思いつき・行き当たりばったりで語ってきたドラマだったこともあり、改めて紙に印刷して読んでみると、行間に新発見すると同時に、アラや矛盾点などが浮かんで、正直大汗モノ。しかし開き直って、大胆に加除・訂正を加えました。当初なかったエピソードは、この段階で入れたものが多く、ページによってはほとんど全文書き換えたところもあり真っ赤っかでした。
*htmlファイルをワードに転記。A4判・横書き・2段組という分量的に一番"突っこめる”ページ設定で全文を打ち出す。(46ページ)
2 2回目の推敲
2回目の原稿はだいぶ形になってきました 2回目の推敲は、出来上がりサイズである「A5判・縦書き・二段組」に組みなおして、総ページ数のチェックや、どこへどんな挿絵を入れるかを検討しました。(この段階で82ページ) 両面印刷(原稿と)するため、総ページ数は4の倍数にしなければならないという制約があり、その調整に挿絵を増やしたり減らしたり。
また、縦書きにしたため、必要に応じて数字などを漢数字に直すなどの修正も、この段階でしました。
使用フォント・行間などもページ数に影響するので、試行錯誤しながら確定。
ワードのページ設定画面 参考までに、ページ設定数値は左の通り。
出来上がりをみると、もう少し四隅の余白に余裕を持たせたほうが良かったかも〜。
・フッダー中央にページ番号挿入(8ポイント)
ちょっと下すぎたか。
・使用フォント:MS明朝(太字) 9ポイント
なお、明朝体を使う場合は太字にしないとコピー時に文字が飛んでしまうそうです。同人誌経験者の友人からのアドバイス。)
3 最終推敲
最後の推敲で原稿確定。ここでは総ページ数に影響があると困るので変換ミス程度のチェックにとどめました。読めば読むほど書き直したくなるものですけが…。
確定したら白色上質紙にプリントアウト。
*ちなみにWordファイルは、1部(1話〜12話)、2部(13話〜番外編)、3部(15話〜最終回)に分けて保存。ちょっとファイルが大きすぎるかな(吹っ飛ぶと怖いかも;)と思いながら作業していました。(156KB、74KB、126KB)

*「挿絵なし、片面印刷」で本を作るならば、これで印刷原稿として確定ですね。


手順3 挿絵・表紙など(イラスト部分)
作画は通常のCGとほぼ同じなので詳細は省略します。
本文挿絵は全て個人誌用に描き下ろすことにしました。今回はペン&インクによるアナログ画は諦め、パソコン上で仕上げるカットにすることに決定。サイズ的にA5判にぴったりはまる絵を描く自信がなかったからです。PC上なら絵の大きさもトリミングも自由自在ですし。
それらをどのようにA5判の原稿に配置したかを中心に、ご紹介します。

1 挿絵
フォトショ形式で保存した各画像ファイルをイラレ(A4判横)に貼り付けて、実寸大でプリントアウト。(ただし高画質モードでの印刷の必要あり)なお、フォトショファイルの解像度が300dpiあれば、イラレでもかなり鮮明に印刷できることを、今回発見(^^) 
そして、これを半分(A5判)にカットして本文の原稿に貼り付けるのですが、なんてアナログな作業なんでしょう。DTPソフトがあれば、こんな苦労はなかっただろうに…。

バラバラに描いた挿絵をA5判に揃える方法
それぞれが高画質(360dpi)のフォトショファイルを、青いガイド内に配置。
左側の絵の場合、グリーン四角のハンドルを持って拡大・縮小してA5判に丁度いい大きさに調整。

高画質プリントで印刷。画質は落ちてません。これをA5判の絵としてカット。



2 4コマ漫画
これはコピー対応せず、直接プリントアウトする予定だったので、イラレ原稿もそれに合わせて、配置に最新の注意を払って配置しました。
プリント用紙は、「つやなし両面印刷紙(薄手)」を使用。4コマ漫画部分はA5判にカットした紙を挟む予定だったので、薄いけれど両面印字して透けない紙が必要だったのです。
直接両面印刷用原稿
4コマ漫画はもともと別々のフォトショファイルだったので、それらをガイドに合わせて配置。大きさの微調整をする。
両面印刷は同じファイルを印刷すると、インターミッション3の裏に4が来るので、A5判にカット。



3 表紙・裏表紙・表紙裏
ここも直接プリントアウトする部分で、さらにA5判にカットするため、イラレの配置は「A原稿:裏表紙〜表紙」「B原稿:表紙裏〜裏表紙裏」に分けて作成。プリント用紙は「つやなし両面印刷紙(厚手)」を使用。
A原稿:表紙と裏表紙
表紙と裏表紙。文字はイラレで入力すると印字もきれい
フォトショ画像をそれぞれ配置し、文字部分はイラレで入力。
実線がA4のサイズ。点線は印刷可能領域。中央のガイド位置で印刷後にカット。


B原稿:表紙裏
表紙裏の原稿。文字部分はイラレで入力
左が表紙裏、右は裏表紙の裏(ややこしい)
これをA原稿を印字した紙の裏に印字して、まん中でカット



手順4 印刷・製本
予想外に苦労したのがこの部分。
やはり出来上がりが100ページを越えると、いろんな意味で大変でした。

1 本文部分の原稿作り
Wordで袋とじ印刷をしたものの、考えてみれば両面印刷の原稿にするためには4ページ単位で「A原稿:1ページ−4ページ」「B原稿:3ページー2ページ」という並びに配置しなおさねばなりません。しかも途中に挿絵を突っこんだので、さらにページ配置が複雑に…。このあたり、専門のソフトがないのが辛いところですが、まあ、ここからはアナログ作業をするっきゃない。本文・イラストとして打ち出した全ての原稿をA5判にカットし、台紙にするA4の紙に順番を間違えないように糊で貼り付けます。
台紙には、コピー作業で両面印刷の順序を間違えないように、裏面にも同様に貼り付けています。さらに、A原稿とB原稿を間違えないように、折山に「×印」をつけました。これが後で大重宝!
本文部分のコピー原稿。思いっきり手作業。
この台紙の裏に、イラストの次にくる2ページが並んで貼り付けられている。


2 4コマ漫画・表紙の印刷
手順3の通り。両面印刷紙を利用して、延べ10冊分を地道に両面印刷。乾いてからA5判にカット。
3 本文部分の印刷(コピー)
コピーセンターでの様子 いよいよコピーセンターに原稿を持って出撃。
他人はそんなものを見ていないと思うものの、人様の目のあるところで(特に)イラストのある原稿を取り出し、それをシャカシャカとコピーするのはけっこう恥ずかしいもの。なので、なるべく迅速に間違えずに作業を進めねばならないと、お客の少ない時間帯を選んで一気にやってきました。
このとき、ここのコピー用紙が予想外に薄くて(裏写りしそう)焦りましたが、ここまで来たら、やるっきゃない。
4 本文部分を折る
10部あると、折るだけでもけっこう大変 ここから先は、ひたすら力仕事でした〜。手が痛くなるし汗が付くのはイヤだったので、適当な道具でギュッツとプレス。なるべく薄くしないと、なにせ100ページ+αですから、ホチキスが留められないですからね。
なお、この折り作業で役立ったのが本文原稿(A原稿)の折山につけた「×印」。これがついている方が外側になるように折っていけば、ページを間違えることはありません。
5 ホチキス製本・背表紙
トータルで2回失敗してペンチのお世話にもなりました。 いよいよ最終コーナー。一番緊張する製本作業です。
実はこっそり職場から大型ホチキスを借りてきました。普通の家には、こんな機械、ありゃしませんわな。
きれいに揃うように、トントンと揃えて、頑丈なクリップをいくつも使って固定し、いよいよホチキスの登場。床に置いて、体重かけて一気に「ガシッ、ガシッ」。試行錯誤の結果、この程度の厚さの冊子だと2点留めがよいようです。


そして最後の最後は、背表紙に製本テープを貼る作業。表紙側はきれいに貼れましたが、裏表紙側はホチキス留めしたところがプカプカ浮いてしまい、ちょっとシワが寄ってしまいました。最初の数冊は、これが気になっていたのですが、そのうち「ま、手作りなんだから、仕方ないよな〜」と開き直り。


…ということで、完成です。\(^o^)/ 
数年ぶりの手作り冊子。手にしてみると感慨深いです。

「メイキング」だなんて言ってますが、何てことない楽屋裏ネタですね。たぶん、ムダな(余計に手間のかかる)行程があると思います。この作業自体もかなり思いつきで進めてましたし。あまり参考にならないかもしれませんが、自分としてはノウハウを一つ身に付けた感じです。

今回はちょっと長編だったので、次は少し短い作品をコンパクトに(自宅のホチキスで留められる程度のもの)作ってみたいななんて思ってたりして…。


(making 06/07/09)
ありがとう〜、精神的に雅希くんが支えてくれたよ〜

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