| *思いっきり「女性向け」になってますので、ご注意ください #SSは実はオマケ。色っぽい絵を下の方に押しやるため、無理やりひねり出して書いたものです (おいおい); |
| 癒しの碧い糸 |
教皇宮の中庭(パティオ)では、小鳥たちが平和な一日の始まりを楽しげに告げている。 昨夜の嵐のような雨もやみ、静かな朝が訪れていた。 この聖域で一番尊敬している人が、僕の髪をすっと撫でると、ゆっくりと寝台から身を起こした。 シーツにくるまった僕は、まだ眠ったふりをしながら、仮面のような顔で虚空を見つめているサガの横顔を見た。 深い瑠璃色の瞳… 確か昨夜、僕をここへ呼び出したとき、彼はワインのような赤い瞳に怪しい炎を揺らしながら、猛禽類の鋭い爪と牙で僕の体を引き裂いたはずだ。その証拠は、まだ体の中で何か所もうずいているというのに。 朝陽を浴びたサガの、鍛えられた大きな背中が見える。 あの肩甲骨のところには、白い大きな天使の翼があったはずなのだが…。 「起きたのか…」 「あ…。おはよう…サガ…」 「…よく眠れたかい?」 僕の小宇宙に気づいたのだろう。ゆっくり振り返ったサガの顔には、疲れが抜けないかのような硬い笑みが浮かんでいる。 「起きたなら、早く服を着て宝瓶宮へ戻りなさい」 「え、でも・・・」 「また、あいつが目覚めたらどうするのだ」 サガは眉間を少しよせ、誰かに聞かせたくないように声をひそめた。 ところが、そう言った途端、サガはめまいを起こしたのか、額に手を当ててその場にうずくまってしまった。 「サガ、サガ!大丈夫ですか!今、人を呼んで…」 「い、いいから、早くここから立ち去るのだ。また、あいつが…」 見ると、肩で息をしているサガの髪の先が、また少しずつ黒くなりかけているようだ。 「何をしているんだ、カミュ。私は大丈夫だ。それより、これ以上お前を…」 うずくまりながら唸り声を押し殺しているサガを、カミュはおろおろしながら見守っていた。 誰か人を…! 寝室の扉へ走り寄り、ノブに手をかけようとしたカミュだったが、それは思いとどまった。 だめだ、それはできない。あの悪魔のような人のことは、この聖域でも限られた者しか知らないのだ。昨夜も、教皇宮に仕える従僕の一人が、その怒気に触れて無残に殺された現場を見せられたばかりではないか。カミュの脳裏には、その時の様子が鮮明にこびりついたままだ。 「お前は、見てはならぬものを見たということはわかるな」 10歳そこそこのカミュには、あまりに衝動的な悪夢だった。 「水瓶座の聖闘士よ。たとえお前に黄金聖衣を纏う資格があるとアテナが認めたとしても、その実力など、私の足元にも及ばないことはわかっているな」 白灰色の髪を振り乱していた赤い瞳のサガは、返り血を浴びた法服を脱ぎ棄てると、お前の細い首などすぐにでも折ってやるといった風情で、大きな手で押さえつけたのだ。 僕は、この男に、サガに殺されるのか!? サガが、僕を聖域へ導いてくれた、あの大天使のようだったサガが、なぜ…。 いや、これはサガではない、けして。 とっさに反撃しようと、カミュは蒼い目を見開いて冷気を放つため小宇宙を高めた。 しかし巨大な猛禽は、冷気など全く気にしていない様子で、寝台にカミュの両手を押さえつけると、白い首筋に牙をたてた。 防衛本能で、カミュは自分の体を、まさに凍りつかせようと固く閉ざしている。 「ふふふ、そんな薄っぺらい氷の鎧など、何の意味がある」 ――― カミュ、こいつに抵抗してはいけない どこからか、懐かしい、優しい声が聞こえる 「サ、サガ・・・どこにいるの」 ――― 今は我慢するのだ。必ず、私が… そこから先は、ほとんど覚えていなかった。 明かり取りの窓から稲妻が乱暴に投げ込まれる中、鋭い痛みが何度か襲ってきたことと、あとは.・・・。 「お前は・・・不思議な子だ」 耳に残ったその言葉と同時に、首を折ってやろうと押さえつけていた長い指が、今度は僕の髪を優しく梳いている。 「まるで冷たい泉の中に手を遊ばせているようだ。心地よいな・・・」 僕の髪を、そういって梳いている人からは、まぎれもない高貴な乳香の香りがしていた。 嵐が通り過ぎていくのか、雷鳴もだんだんと静まっていった。 カミュは気がつくと、大理石の床にうずくまっているサガに、夢中になってしがみついていた。 「カミュ…いけない…私から離れるんだ」 「サガ!!僕はあなたを救ってあげたい。いいえ、救うなんてことは僕にはできないかもしれない。けれど、せめて一杯の水となって、あなたの心を潤してあげたいのです」 |
| 癒しの碧い糸 | |
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| うわ〜、ついに「エルドラド」本館に書いてしまいました>女性向けss 絵はワタシ的には、あまり恥ずかしくもないんですが、慣れない二次創作SSのアップはやはり緊張しますね。 #そのわりには、調子に乗ってサービス過剰な描写もあったような… (15禁ぐらい? 18禁か?) 「聖闘士星矢」の二次創作が相変わらず続いていますが、「女性向け(腐向け)」とまで行かなくても、CP(カップリング)メインで企画したものが増えています(苦笑) 去年はピンで描くのがメインだったのに、友人たちの妄想力の影響というか後押しのすさまじさと言うか…(笑) 私自身はCPに強いこだわりはないのですが、でもまあ、描きやすい〜つまり「妄想しやすいCP」というのは、確かにありますね。今回、友人のサイト1周年記念で、「サガ・カミュ」でリクエストをいただいたので、この二人で、ちょいと色っぽいものを描いてみました。 このドラマになじみのない人には、人間関係とかわからないと思うので、一応、簡単に説明しておきます。 サガとカミュはともに黄金聖闘士です。双子座と水瓶座ですな。 「第一部:聖域12宮編」では、最愛の弟子氷河を倒してまで偽教皇として君臨した黒サガ(二重人格のうちの悪の方。こちらが主導権を握ると、美しい青い髪が灰色(黒)へ、瑠璃色の瞳も赤くなる)を守ろうとしたり、「第三部:冥王ハーデス編」でも、ともに冥界から蘇り、訳あってアテナの首を狙うなど、けっこう関係というか腐れ縁というかがありそうです。 しかも、ともに黄金聖闘士の中でもトップクラスの美形設定、年齢的には8歳の年齢差があるため、サガはカミュを聖域に引き取って指導育成したのではないかと、美味しく妄想している方も多いようです。 押さえておきたいものとしては、サガは激しい二重人格者で善と悪の顔を持っており(まさに「天使と悪魔」キャラ(笑))、そのはざまでずっと苦悩しています。カミュは蠍座のミロと仲がいいというのが、女性向け二次創作世界では多いようです。でも、その一方で、サガにもなついているという・・・(笑) 聖人のような白サガに憧れていた少年カミュ、美しくてちょっと複雑な過去がありそうなカミュを慈しんでいる孤独なサガ・・・という設定で始めると、かなりいろいろ妄想できそうです(^o^) ★ 実は、もう一色、「誘惑の赤い糸」というバージョンの絵も作ってみました。 基本的に同じ構図で、色だけ違います。興味がありましたら、どうぞご覧くださいまし。 #今回の絵の全体的な解説とお絵描きメモは、赤バージョンのページに載せてあります。 |
09/06/28