Revenge!!−新たなる挑戦−

ネオロマンスゲーム、「アンジェリーク・トロワ」の制作決定の報が
聖地へと届いたのはある日の夜であった。

「何・・?」
ジュリアスはその報を受けると、すぐにオスカーのもとへ連絡を入れ、
執務室へと呼び寄せた。

「オスカー。そなた、もう例の知らせは聞き及んでいるか?」

紅く燃え上がる髪、氷点下を思わせるアイスブルーの瞳をきらめかせ
たオスカーは居住まいを正し、ジュリアスの碧空の瞳を真っ直ぐに見
て答える。

「はっ、既に耳に入っております。」

ジュリアスは満足げに頷くと、執務室の椅子から立ち上がり、オスカー
のもとへ歩み寄ると、心なしか小声でこう言った。

「・・では、どのような内容になるのか、密かに調べられるか。」

オスカーは軽く一礼し、

「・・おまかせを。早急に調べてご覧に入れます。」

ジュリアスは得心したように頷き、更に歩を進めてオスカーに耳打ちした。

「それから、あくまでも調査は慎重に・・他の者たちに気取られぬように。」


前回の女王試験では、有能な天才少女、レイチェルを退けて、アンジェリー
ク・コレットが勝利を収めた。女王試験終了時の親密度データは、脅威的な
ものであった。守護聖・協力者たちとの親密度、相性ともに全て200/100!!
恋愛イベントも着々と進んでおり、更にウォン財閥総帥・チャーリー、王立
研究院の主任エルンスト、占いの館・火龍族のメルについても、公式なデー
タは残っていないものの、恐らくは親密度・相性ともにMAX ではないかと推
測されていた。
 故に、女王試験が終了した時、守護聖・協力者たちは一様に「アンジェリー
クはきっと自分のもとへ来てくれる」と信じて疑わなかった。なのに・・・。

 アンジェリークはあっさりと女王の座を選び、聖獣アルフォンシア、補佐
官レイチェルと共に新宇宙へと旅立ってしまった。

 聖地に残された守護聖・協力者達は正に『茫然自失』状態であった。実際、
アンジェリークが女王の座を選んだとき、満座に

『がぁーーーん!!!』

という、守護聖、協力者たちのショックの響きが聞こえなかったのが不思議
なほど、その場にいた者たちは精神に深いダメージを負ったのであった。

あれから3年。

『アンジェリーク・トロワ』である。ジュリアス、オスカーは秘密裏に事を
進めているつもりであったが、実はルビー・パーティのメンバーは全ての守
護聖・協力者たちに制作発表を知らせていたのだった。(そりゃ当然か)

守護聖たちには『3度めの正直』、協力者たちには『敗者復活』という言葉
が脳裏に浮かんだのであった。

『アンジェリーク・・またそなたと共に過ごす日々が来るというのだな。今
度は前回のようにはいかぬ。この私のプライドにかけてもな。』

『1度逃した私の天使よ・・それが2度になることは決してさせぬ。たとえ他の
者を蹴落としてでもな・・フッ・・』

『前回は不覚をとったが、今度こそお嬢ちゃんの心を俺の炎で燃やしてみせ
るぜ・・俺は狙った獲物は逃がさない。』

『またアンジェリークの優しい微笑みを見れるのですね。私も今度こそは、
水の優しさで彼女の愛を勝ち取ることに致しましょう・・』

『あれからオレだって成長してちょっとはたくましくなってるんだ。今度は
アンジェリークの気持ちを、絶対つかまえてみせる!』

『あのヤロー、あんだけ優しくしといて女王になっちまうなんてよ。今度会っ
たらもう逃がさねぇからな。』

『女王試験では僕にあんなに優しかったアンジェだもの、今度もきっと優し
くしてくれるよね。僕・・彼女につりあう男に、きっとなってみせる!』

『んっふっふ〜、あれから更に美しくなったワタシを見たら、今度こそアン
ジェリークもワタシのと・り・こよねっ☆覚悟してなさいよぉ〜』

『あー、またアンジェリークに会えるんですかー。嬉しいですねー。でも、
今度はただぼーっとしていては、他の皆さんに遅れをとってしまいますからねー。
今度こそは・・』

『またあいつに会えるんだな。女っけのない軍務ばかりでとうとう女性とは縁
のない3年だったが・・俺はやはり、あいつが忘れられなかった。もうこんな
苦い思いのままではいない・・』

『僕を虜にしてそのまま去ってしまうなんて罪なことをしてくれたけれど、今
度は逆になるんだよ。・・つまり、君が僕から目を離せなくなるってことさ。』

『即位してからも貴方のことがとうとう心から離れなかった・・大臣たちに「早
くお妃を!」と口やかましく言われないようにする為にも、今度は必ず貴方を連
れて帰りますよ。』

『あれから3年経って、僕はこんなに立派に成長したんだよ、アンジェ。大きく
なった僕を見たら、今度こそあなたは僕を好きになってくれるよね。』

『生まれたばーっかしの宇宙じゃ商売にならんから、理由つけてアンタの宇宙へ
行くことも出来へんかったけど、今度は堂々と会えるンやな・・ええモン揃えて
オモロイ会話で今度こそアンタのハートはいただきや!』

『また貴方に会えるのですね。どんな研究より、星々よりも私は貴方の笑顔が好
きだったのです・・今度こそは、その笑顔を一人占めさせていただきますよ。』

その夜、聖地には守護聖・協力者たちの

『よっしゃああ〜!!』

・・・という心の叫びがこだましたようであった・・・・。

☆☆☆☆☆

わはははは(^^;; すみません、(先に謝っておこうっ)敢えてセリフは誰が言っているか、書きません
でしたが、わ、わかりますよねっ(^^;;

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