超簡易電子負荷装置 ”e〜ふか”改良版


電源の試験、バッテリーの放電(リフレッシュ用)等に負荷抵抗を連続的に変えれる電子負荷装置です。
MOSFET+抵抗器による超簡易構成ですが、お手元に1台置いておくと何かと便利な装置です。

シンプルな構成ですが、いざ製作しようと部品を集め、シャーシ加工等を考えると面倒なものです。
今回、見栄えは抜きにして実用性を重視し、安価に提供できるようまとめてみました。

1.特徴

1)MOSFET+抵抗器によるシンプル構成
  a)MOSFET 2SJ554(VDSS=-60V、ID=-45A、PD=100W)を1個
  b)10Ω 20Wおよび1Ω 40W セメント抵抗
  c)変更点
   2SJ380 x2 => 2SJ554 x1: 大容量タイプ1個にし、素子の電流バランス考慮不要
   1Ω 20W => 2Ω 20W 並列接続: 抵抗の耐電力容量アップ
   放熱器サイズ拡大: FETの耐電力容量アップ

2)1Aと10Aの2レンジ切り替え
  a) 1Aレンジ:∞から10Ω+RFET 連続可変 (入力12V、1A時 RFET=2 Ω)
  b)10Aレンジ:∞から 1Ω+RFET 連続可変 (入力12V、5A時 RFET=1.4 Ω)

3)手持ちのテスターで負荷電流監視(0.1A/V または 1A/V)
  両端にバナナプラグ付ケーブル付属

4)ご希望により電圧計内蔵可能(オプション)
  ただし、『電圧計+穴あけ加工』費用より秋月電子で販売されている
  1000円前後のアナログまたはデジタルマルチメータを使用する方が安価です。

2.使用上の注意

1)入力電圧
  a) 1Aレンジ:30V以下
  b)10Aレンジ:20V以下

2)連続運転時はオームの法則(I=E/R、P=E*I)を理解し、
  FETおよび抵抗の消費電力に注意し、下記使用例を参照して使用する。 赤字は定格オーバにつき注意

a)1Aレンジの使用例
  ・入力電圧= 5V、負荷電流=0.3A時: FET= 0.6W( 2Vx 0.3A)、10Ω= 0.9W( 3Vx 0.3A)
  ・入力電圧= 6V、負荷電流=0.4A時: FET= 0.8W( 2Vx 0.4A)、10Ω= 1.6W( 4Vx 0.4A)
  ・入力電圧= 9V、負荷電流=0.7A時: FET= 1.4W( 2Vx 0.7A)、10Ω= 4.9W( 7Vx 0.7A)
  ・入力電圧=12V、負荷電流=1.0A時: FET= 2.0W( 2Vx 1.0A)、10Ω=10.0W(10Vx 1.0A)
  ・入力電圧=15V、負荷電流=1.2A時: FET= 3.6W( 3Vx 1.2A)、10Ω=14.4W(12Vx 1.2A)
  ・入力電圧=20V、負荷電流=1.5A時: FET= 7.5W( 5Vx 1.5A)、10Ω=22.5W(15Vx 1.5A)
  ・入力電圧=30V、負荷電流=1.5A時: FET=22.5W(15Vx 1.5A)、10Ω=22.5W(15Vx 1.5A)

b)10Aレンジの使用例
  ・入力電圧= 5V、負荷電流=2.0A時: FET= 6W( 3Vx 2A)、1Ω= 4W(2Vx 2A)
  ・入力電圧= 6V、負荷電流=3.0A時: FET= 9W( 3Vx 3A)、1Ω= 9W(3Vx 3A)
  ・入力電圧= 9V、負荷電流=5.0A時: FET=20W( 4Vx 5A)、1Ω=25W(5Vx 5A)
  ・入力電圧=12V、負荷電流=5.0A時: FET=35W( 7Vx 5A)、1Ω=25W(5Vx 5A)
  ・入力電圧=15V、負荷電流=5.0A時: FET=50W(10Vx 5A)、1Ω=25W(5Vx 5A)
  ・入力電圧=20V、負荷電流=3.0A時: FET=51W(17Vx 3A)、1Ω= 9W(3Vx 3A)

  短時間限定
  ・入力電圧=12V、負荷電流= 8A: FET=32W(4Vx  8A)、1Ω= 64W( 8Vx  8A)
  ・入力電圧=15V、負荷電流=10A: FET=50W(5Vx 10A)、1Ω=100W(10Vx 10A)

3.その他

1)抵抗器の放熱および安価にまとめるため、裏蓋なしのアルミシャーシを使用(塗装なし)。

2)寸法:160(L)x100(W)x60(H) mm(突起部を除く、放熱器の高さは含む)

 

商品価格は3900円、  e〜ふか の外観写真 (右側のテスターは含みません)