平成13年9月8日(土)富士山五合目へ行こうかと言っていたのが急遽前日の夜になって日光金精峠経由沼田方面に変更。午前7時練馬NAP’S前に集合することに。
午前6時40分薄日のなか自宅前を出発。前日の天気予報では曇りのち雨とのことだったが空の一部には晴れ間も覗いている、天気予報に反し日中は晴れるかもしれない。
環八を北に向かうと井荻トンネル出口から先はいつものことだがこの時間にして既に混雑している。時間的に余裕はあるが、裏道を行くことにする。予定通り集合場所に5分前に到着。
2人の姿はないが、1分もしないうちにブラックバードさんが到着、程なくまつさんが到着する。
昨夜の様子ではブさんはこのルートには不満があるようではあったが、今更新たなルートを考えるのは面倒なので予定通り日光方面へ向かうことにする。
ブさんが腹が減ったというので外環の新倉PAへ行くが売店は営業しておらず直ぐに東北道の蓮田SAへ向かう。
外環は結構混んでいて一部渋滞していたが東北道に入ると順調に流れた。程なく蓮田SAに到着。朝食を取った後再出発。
その後も東北道は特に混雑することなく9時半には宇都宮ICに到着。一服の後日光宇都宮道路にて中禅寺湖を目指す。
がらすき状態の日光宇都宮道路を抜け中禅寺湖畔に到着。
先頭をきるブさんは金精峠方面とは別の湖を左回りに山道を入っていく、どこへ行くのかと思いきや湖を望める高台に行きたかっただけだったようだ。見晴台はどんよりと曇っておりたいした眺望ではなかった。来た道を戻り湖畔へ。
さらに給油所を探しながら先を急ぐ。足の悪いばあさん夫婦がやっている小さなGSで給油。ロービームが切れてしまっていたのでバルブを交換したかったがそんなものは置いてなかった。
ブさんは光徳牧場とやらに行きたかったらしいが右折路を見落としそのまま峠方面へ。
日光湯元温泉の湯煙と硫黄臭に後ろ髪を引かれつつ横目で通り過ぎる。
峠のトンネルを抜けて直ぐのドライブインで小休止。11時半と少々早いがこの先食べる所があるかどうか分からないので昼食を取ることに。駅蕎麦並の舞茸天うどんを食していると激しい雨が降ってきたが不味い饂飩を食べているうちに程無くしてやんだ。
吹割の滝をめざして再出発。途中いくらでも昼食をとるところがありあわてて食ってしまったことを後悔する。
道を下っていくと、急速に天気が回復し真夏の日差しが戻ってきて猛烈に暑い。途中道を間違えたりして、吹割の滝に着いたのは1時過ぎ。
土産物屋の駐車場に止めると、Yシャツ姿のおやぢが近寄って来て本当は有料だが単車に乗用車と同じ値段を取るのは忍びないので無料にするが土産物屋でなにか買ってくれと恩を売られる、だからと言うわけではないがソフトクリームを食す。
滝の入口で焼きとうもろこしの屋台にそそられるが300円の値段に一瞬躊躇するが、それを見てすかさず屋台のおやぢが200円でいいよと言う。300円が200円になるといわれると随分得した気分になる、思わず買ってしまったが、後で滝からあがってきたところの屋台では150円で売っていた。やられた。
滝は成る程なかなかの景観だった。日本のグランドキャニオンというのは大袈裟だがTVで見た時はもっと小いものかと思っていたが意外に大きかった。狭いところでも川幅は20m位だろうか、川原は一面粘板岩の一枚岩で出来ている、その一部が侵食され滝になっているのだ。夏なので水量が少なく滝としての迫力には欠けるものの他に見られない景観は一見の価値有りと言えるだろう。
川原から上がっていくと茶屋らしきもがあり汁粉につられ入ることにする。木がうっそうとした小道を行くと先頭のブさんが突然奇声を発しながら走り出した。「こういうときはたいてい蛇を見たんだ」とまつさんがひややかに呟く。それらしい辺りを見渡してみるが蛇の気配など無い。強迫観念にかられ幻を見たのだと言っても、ブさんは頑として聞かない。まぁいてもおかしくない場所ではあるのでいたということにしておこう。
茶屋は昔ながらの日本家屋と言った風情で20畳程もあろうかとういう広間の外側を廊下が回っている。どうやら茶屋というより蕎麦屋らしいが、昼食は不味い饂飩を食べたばかりなので汁粉を食すことにする。冷やし汁粉かと思いきや温かい汁粉だった、餅ではなく放蕩のような小麦粉を練った団子のようなものが入っていて面白い食感だった。うまかった。
滝を後にして老神温泉へ向かう。滝からは5km程。3時ちょっと前老神温泉に到着。温泉組合の案内所に行くと宿は1件を除き全て空があり好きな宿に直接行ってくれとのことだった。土曜だというのに観光客らしき人は1人としていない。硫黄泉の筈だが硫黄の臭いはまるでしないし、湯気が上がっている様子も無い。沼田から関越に乗れば十分日帰り出来る時間だ。あまりの人気なさと時間が早い事もあって泊まる気にならずにこのまま帰ってスパ昭島へ行くことにした。
沼田の手前で道の駅の看板に温泉の表示があり覗いてみることにする。健康ランドのようなもを想像したがスーパー銭湯の類だった。宴会用のレンタルスペースはあるがマッサージは無いようだ。スパ昭島でもここでも同じようなものと思ったがまつさんはここは気に入らないらしい、入るなら自分は外で待っていると言う。で、やはり帰ることにした。
関越はまだ時間が早いせいかすいている、すいているとは言ってもそこそこ車は走っているので100km/h巡行がせいぜいといったところだった。約80km先のPAまでいっきに走るつもりだったが走り始めるとすぐに眠気が襲ってきた。僅か25km先の駒寄PAで小休止することに。先頭を走っていた自分が急にPAに入ったのでブさんにどうしたのかといぶかられた。いつもブさんが直ぐに休憩するのを非難し続けてきたのに面目ない。
駒寄PAを出ると、次は約50km先の嵐山PAで小休止。東の空は今にも降ってきそうな黒い雲が垂れ込めている。
案の定嵐山PAを出た直後からとうとう雨が降り始めた、結構な雨量がある。雨を避けつつ陸橋の下で合羽を着ることに。少し雨脚が弱まったのを見計らい再出発。鶴ヶ島JCから圏央道へ、ここは始めて通る道だが雨の為周りを見渡す余裕はない。入間ICで降り16号を行くが混んでいる。箱根ヶ崎で完全に渋滞に巻き込まれた。
ここで地の利があるブさんに付いて裏道を行く。岩倉街道から青梅街道を抜け横田基地裏のフェンス添いの道を行く。昼間の晴天時ならおもしろい道だが、夜間でしかも雨、狭い道を右左折を繰り返すのは妙に緊張する。
五日市街道の交差点だった。黄信号で先頭を行くブさんが突っ切るようにみえたが3台は渡りきれないと判断したのか白線を越えてから停車した。あわてて追突を避けセンターライン際に止まった時だった。ドシャというにぶい音が後ろでした。後続のまつさんがリアを滑らせ転倒したのだった。やはり先の2台が先に行ったように見えたのに急に止まったのでスリップさせてしまったのだった。こういう悪条件が揃った時につるんで走るのは難しい。安全を期し無理に渡らなかったブさんを一概に責めることは来ない。幸いNINJAの左前ウィンカーを壊したのと腕を擦り剥いた程度で済んだ。八王子レッドバロンで割れたウィンカーバルブを交換しようと試してみるがまともに動作しない、諦めてそのままにすることにしてスパ昭島へ。
雨でズッシリと重くなったジャケットを脱ぎ、湯船に浸かるとやっと生きた心地がした。それにしても一日で400kmを越える行程はやはり疲れた。大広間はいつに無く込んでいたがつづきの小広間にあきがあった、ここは大広間のカラオケから死角になっているので多少なりともうるさくなかった。休憩した後帰るつもりだったがブさんが泊まっていこう言い出す、もともと泊まりのつもりで出掛けたのだし何も無理に雨の中夜中に帰ることも無いのだった。まつさんの転倒でなんとなく気が晴れなかったが、今から雨の中帰らないでいいとなると少し気が楽になった。
ビールのおかげでレストルームのリクライニングチェアでも一旦は寝つけたものの夜中にまわりの鼾や歯軋りで目が醒めた、一旦目が醒めると真平にならないリクライニングチェアでは熟睡は難しかった。
6時半頃寒さに耐えきれず風呂へ行く。7時頃に上がり2人が起きてくるまでどうやって暇を潰そうかと思っているとちょうどレストルームの閉鎖時間になりブさんまつさんが外に出されてくるところだった。喫茶室で朝定食を取りそのまま営業終了時間の8時までうだうだと過ごし帰宅することに。
雨はあがっていたが路面はまだ濡れていた。駐車場でブさんと別れ、16号沿いのGSでまつさんと別れ、給油の後中央道を高井戸へと単車を走らせる。路面の一部はまだ乾ききってない、霧雨が時折思い出したかのように降ってくる。すいてはいたがそうそうスピードを出せるものではなかった。帰り着いたのは8時40分頃だった。