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「HONDA GB400TT」

GB400TTインプレッション

    <外観・装備>

    全体的なまとまりとしては、昔のCB系のような感じで、ただドラムブレーキがディスクになったような感じで、現代のテールアップのスタイルではなく、真っ直ぐなスタイルです。

    ウインカーは、このGB用に設計したらしく、小さいアルミ製で気に入っているポイントです。フロントはポジションで点灯します。

    タンクは、昔の浅間仕様のRC系のような抑揚があり、なかなかカッコいいなぁと思います。

    ハンドルはアルミのセパハンで高級感があります。(最近はセパハンを取ってパイプハン付けてアップライトなポジションに変更するのが流行っているのですから面白いものです)アルミリムは、強度より美しさで選んだといわれるET型で確かに美しい部分です。

    エンジンのオイルラインのメッシュホースと、穴開けのデザインがされているフェンダーがアクセントになっていますが、ここが好き嫌いの分かれるところでしょう。(私は昔嫌いでしたが今はなんとも思わない(笑))

    全体的に丸いラインですが、エンジンはRFVCの角張りデザインです。

    シートは、横開きしますが、工具と書類以外入るスペースはありません。

    フレームは、エンジンの前部分のみ角で、他は丸パイプのセミダブルクレドールタイプです。

    ミラーはCB750Fと同デザインの丸型で、このデザインは自分では気に入ってます。

    <足まわり>

    フロントは、35Φのインナーチューブを持つ正立型でダストブーツがかぶっています。調節機構は持ちません。

    リアは、スプリングのイニシャルが5段階に調節出来る(標準は2段目です)(減衰調節は無し)SHOWA製の2本サスです。スイングアームは鉄製の角断面です。

    ホイルはET型リムを採用したスポークホイルで、特性のチューニングでスポークは重めのものを使用しているそ うです。

    フロントブレーキはNISSIN製の2ポットキャリパーを使用したシングルディスク、リアはドラムです。

    <エンジンまわり>

    RFVC4バルブのドライサンプOHCエンジンです。この形式のエンジンはXR600で一番見かけると思います。

    多少シングルらしい歯切れのよさを期待していたのですが、スムーズでなめらかで、伸びの良いエンジンで良く回ります。バランサー内蔵のため振動も少ないです。初めて乗った時はずっと回して乗っていたので燃費悪かったです(笑)(今でも同じかもしれない。。)

    キャブは39Φ相当の負圧式でピックアップはそこそこです。個人的には、もっとピックアップの良いものの方が好きです。(購入した時期に、XRのピストン・カム、FCRを付けたXLRを所有して乗っていたので、余計にア クの少なさを感じてしまったのかもしれません。)

    エンジン始動時のキックはオートデコンプ付きで拍子抜けするほど軽いです。キックは踏み込んだ後、前に押す感じで最後まで踏み込まないとかかりにくいです。セルも付いてます。

    とことこ乗るより、回して乗る感じの高回転を好むエンジンで、5000RPMからカムに乗った回り方をします。欲を言うと、パワーは40PS位は欲しいですね。

    排気は2エキゾーストからチャンバー室を通り右から1本で抜いています。排気音は現代のバイクより若干大きめでシングルらしい音がします。

    エアクリーナは乾式のフィルターを使用しています。

    <ハンドリング>

    250CCのシングルと比べると、やはりエンジンが重く存在を感じます。ヘッドもそれなりに重いので重心は高めで、この感じが独特といえば独特で、エンジンに手足が付いたような感じです。

    エンジンの出力やピックアップもそれなりなので、ハンドリングに対する悪影響も無くキャスターも比較的寝ているため、素直なハンドリングといえます。もうちょっとクイックでも良い気がしますが、エンジンの重心が高いので この辺に落ち着いたのかもしれません。

    素直なハンドリングですが、重心の高い所と細いタイヤを利用して、コーナー進入時にすっとインに入れる素性 も持ち合わせています。

    エンジンのピックアップを生かした旋回をさせる為、リアサスの1Gの沈み込みを少なく設定したらしく、動きも その当時のレベルのため、私の体重では路面が悪いとリアが跳ねぎみです。

    タイヤも細いし、エンジンの幅も狭いので、250CCクラス程では無いにせよ、あまりのオーバーアクションではお釣りがきますので、スリムな車体を生かしたライディングをすると、楽しく走ることが出来るでしょう。

    峠道では、細かなつづら折れの道が乗っていて楽しいです。

    <ブレーキ>

    初期のタッチから絶対制動力まで現代のレベルで考えると不足ぎみです。峠道を攻めたらフェードぎみになりタッチが悪化しました。

    <操作まわり>

    スイッチまわりは一連のホンダ処理といったところで不満無い仕上がりです。

    シフトはストロークが長くシフトレバーもリンクを使わずエンジンから後ろに向かって生えているのでタッチはいまいちで大味。残念ですがスポーツ系という感じではありませんので、確実なシフトを心がけましょう。

    メータは丸型で特に可も無く不可もなくといった感じです。私のはくたびれているのか高回転でメータの針が上下に揺れてしまいます。また、タコメーターは寒い日などは曇ってしまいます。

    <改良後のインプレ>

    キャブをFCR39Φ+純正エアクリーナ、リアサスをHGS330、パッドをフェロード、タイヤをTT100 GPに変更後のインプレです。(私はテスターでもなく、走ってもそんなに速くありません。セッティングも素人 の自分一人でやってますので、その辺は差し引いて読んで下さい)

    キャブを変更したことによって、ピックアップが向上して、高速道路で遅い車を追い越す場合でも、追い越し 車線に安心して出る事が出来、5000RPMからのカムに乗った感じを感じるとれるようになりました。
    峠で加減速する場合にリニア感が増したおかげで、コントロールしやすくなり、途中でコーナーのRが変わる場合 でもアクセルワークで逃げやすくなりました。
      但し、スローのセッティングが完全に出ていない為、暖気で咳をしてストールする事が良くあります。
    (加速ポンプの吐き出しタイミングとスローの部分で今後の課題にしています)
    峠を走る場合、パッドを交換した事により、初期の立ち上がりが向上して、安心して減速し、TT100GPの 特性と細いタイヤを利用してクイックにインに入れるようになりました。(但し、このタイヤの特性は好みなので 過敏すぎると感じる方が多いと思います)
    リアサス交換によりリアの跳ねは無くなりましたが、FCRとの特性に合わせる為、リアのイニシャルを7mm +減衰3段に変更したところ、ギャップを乗り越える時お腹に突き上げがくる場合があります.

    上りではパワーは無いので苦しい所もありますが、コーナー進入時の旋回性を生かして、格闘するのではなく 峠をひらひらと楽しむには、GB400TTは多少手を入れてあげて素性を生かしてあげると、良い感じになる バイクだと思いました。