フィルムカメラ

TaronIII 1.9


日本光測機工業が改名したタロンという大森のメーカーで1958年に発売したレンズシャッターカメラです。(タロンは1972年にソニーに吸収され、その後社長は柳原商事という別の会社を起こし印刷業などを行い、現在は柳原コーポレーションというビルマンションの事業を行っているようです)
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レンズはタロナー4.5cm F1.9 元はシャッターメーカーだったのですが、このカメラのシャッターはCOPAL製のもので1/500までです。
巻き戻しのレバーはノッチを横にスライドさせるとポップアップするという凝ったギミックがあります。

以前、親父が使ってて引っ越すときに捨てたと思い込んでいたカメラ、親父がちゃんと持っていました。

シャッターはスローが怪しいですが、絞りはちゃんと動作していました。セルフタイマーは止まりそうで止まらない、いつ切れるか判らないくらいゆっくり(^_^;

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レンズは白黒用のイエローのフィルターがついていたせいで前玉はとても綺麗。
このレンズそこそこシャープに映ります。カラーも結構綺麗に色が出ます。

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ちなみに距離は古いカメラらしくフィート表示。

また見る機会があると思いませんでした。そういえば、このカメラで親父に映された記憶がありません。撮影が面倒だったのでオリンパス35ECを購入したんでしょう(^_^;

距離計の二重像はグリスが固まっているようで動いてくれなかったので修理しました。
覚書きも兼ねて、整備の方法を。
軍艦部は巻き上げレバーの上の飾りネジを指でぐるっと回して取り外し(正ネジ)、軍幹部横のマイナスネジを外し、巻き戻しレバーのところのカニ目で外すネジを外すまではすんなりいったのですが、巻き戻しのシャフトの外し方がよくわかりません。しばらく考えた後、シャフトの上下の切り欠きにマイナスドライバーを入れ反時計方向に回したら下側の切り欠きのすぐ上がネジになっていて、シャフトが2分割となり外れました。

軍幹部を引き抜き、ここが固まってるだろうと予想していたプリズム部分、しっかり固まってました(^_^;
タロン距離計ユニット取り外し
距離計ユニットを3つのマイナスネジ(古い製品なのでネジはマイナス!)で外し裏側にあるプリズム部分を固定しているネジを外し(特殊なワッシャーがどの方向に入っているか要確認)プリズムを外しました。グリスが緑色になってました(^_^;
アルコールで古いグリスをふき取り新しいグリスを塗ります。
プリズムを再度組みレバーを手で動作。動いた(笑)

絞りも固くなっていたので、ネジ部分の固まったグリスをアルコールで溶かし、グリスを少し塗って動きが軽くなりました。

距離計ユニットを組みファインダーを覗いたところ距離計が無事動作しました。しかし、遠くを覗いて無限遠にしたのに二重像が重ならない(^_^;。距離計ユニットの穴がネジより全然大きくて上下左右自由に組めます(笑)どの位置にあったのか確認するの忘れた・・・
上下左右動かしながら、左手前にすると距離と二重像が合いました。よかったよかった。
タロン距離計ユニット組み込み
軍艦部やレバー類を取り付け、カビが出ていた後玉レンズをアルコールで拭いて完了。
タロンTaron III 1.9
カラーフィルム用にサイズが同じだったコンタックスの中古のプロテクターフィルター(46mm)を買ってきたので、つくことを確認。
タロンプロテクトフィルター取り付け



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