フィルムカメラ

Canon S50mm F0.95


7 +F0.95


1961年に発売になったCanonレンジファインダー用標準レンズです。
スペックについては キヤノンカメラミュージアムを参照願います。
1960年代初頭に各メーカーがスペック競争に陥りキヤノンが終止符を打った市販カメラ用最速レンズです。人の目の4倍の明るさだそうです。実測すると0.95出ていないという話もありますが、当時としてはそれでも凄いことだったと思います。
1961年の大卒初任給が15,700円のところ、定価57,000円なので3.6倍。
平成20年の大卒初任給が198,800円なので3.6倍すると今の感覚で71.5万円ですか(^_^;。一般庶民には手が届かなかった存在です。

まともに写らないと陰口も叩かれることがあるS50mmF0.95レンズですが、開放では背景が派手にぼけて幻想的に、絞れば結構シャープに撮れる面白いレンズです。シャープになるといいつつ、設計に無理があるため周辺部は派手に流れてしまいます。
レンジファインダーなので開放だとピント合わせは難しいですが、このレンズらしい特徴のある写真が撮れると思います。

作例です。
2010/11/06 Canon7s S50mmF0.95

S50mm F0.95 S50mm F0.95 Canon7s + S50mmF0.95
Canon7 Canon7 Canon7+50mmF0.95
50mmなのにレンズだけで605gです(笑)
生産のこととか二の次で設計したようで個体差激しいそうですが、それでも世の中に出したかったのでしょう。
Canon7s
後玉が大きくなりすぎLaica39mmスクリューマウントに装着出来なくなったため、7や7sは専用の外側の爪が用意され、その爪に引っ掛けてマウントします。
このレンズ専用にマウント作った、当時のキヤノンはイケイケな会社だったのでしょう。

ファインダーの右下1/3はレンズで隠れて見えません。常識的にはありえません。後玉も距離計連動のために切り取り、0.95の性能出せれば他のことはどうでもよかったというキヤノンの姿勢には勢いを感じます。
S50mm F0.95 S50mm F0.95
S50mm F0.95 S50mm F0.95

鼻デカに見えるようで、かみさん曰くかわいいそうです(^_^)
ただ、ファインダーを覗き視界がレンズで隠れて見えないのは何故と。。率直な意見を伺いました。
50mmF1.4と比べると異常な大きさが。。
S50mm F0.95 S50mm F0.95左S50mmF0.95 右S50mmF1.4
S50mm F0.95 S50mm F0.95

Canon純正のUVフィルター装着時。これは、レンズキャップと接触するようで使用しているとフィルターのコートが剥がれ丸く跡がついてしまいます。
UVフィルター UVフィルター UVフィルター

純正のフードは入手が難しいので、汎用品を組み合わせて使用しています。72mmの広角メタルフード+キヤノン純正72mmスカイライトフィルターのガラス部分を外して延長リングとし組み合わせ、F0.95レンズ用のフードに。長さ18mmにしたのですが純正に近い長さ感じになったでしょうか。純正と違いねじ込み式なので落とす心配がありません。
F0.95 FOOD F0.95 FOOD F0.95 FOOD
以前、どちらかのHPで見たことがあるフードに被せるレンズキャップを小加工で製作。少し大きめの金属製レンズキャップを入手し、フエルトで大きさを調整しフードに丁度合うサイズに調整。いちいちフードを外さずにキャップすることが可能になりました。
F0.95 FOOD

純正フードを入手したので深さを比較しました。浅すぎると思いアダプターを中間に入れていたのですが、純正フードよりも深くなってしまうことが判明。アダプターは抜くことにしました。
HOOD HOOD八仙堂 汎用72mm広角フード

フード単品で見つけるのが難しい、Canon 50mmF0.95用の純正フードがアメリカはナッシュビルから遥々海を渡ってやってきました。
HOOD
今回少し潰れていたので比較的安価に手に入れることができましたが、手数料と送料と税金だけで7000円かかってしまいました。

箱から出して、早速潰れた部分の確認と補修です。
出品されていた時には潰れた部分が写真に写されていなかったので、派手に傷があることも想定していたのですが、傷はありませんでした。カメラをドンと置いたときに潰してしまったのかもしれません。(カメラもレンズもかなり重いです)

潰れた面を見て補修方法をしばし検討。
下にタオルを敷いてビニールが掛かったニッパーの柄の部分で叩いて直すことにしました。板金修理です。
HOOD
少しづつ何回も叩くことで、手で触っても潰れが判らなくなったのでやりすぎないうちに終了。
HOODCanon 50mmF0.95用の純正フード
効果がそれほど無さそうな、とても浅いフードです。これ以上深いと写真の角がけられてしまうのでしょう。以前カメラ屋さんに初期の頃のフードは少し長いということを聞いたことがあるのですが、長いタイプのフードは見たことがありません。

50mmF0.95やライカマウントレンズをシネカメラのマウントに変換するキャノンの純正アダプターをカリフォルニアから輸入しました。
アダプター アダプター
F0.95レンズですが、距離計連動なしのTV用のもあり、そんな関係でCマウント変換するアダプターがあるのでした。
この50mmF0.95レンズのマウントは専用のバヨネット(3爪)マウントなのですが、このアダプターで変換することでミラーレスデジカメに、さらにCマウントアダプター経由でマウントできます。
入手が難しいCマウントアダプター用のリアキャップもついてきてラッキー。しかし、アルミの切子が沢山。。何故に?
アダプター アダプター アダプター
後ろのフタが無かったのでフタ代わりにもなります。レンズの後ろの部品が弱くてすぐ曲がるので(購入時点で既に曲がってた。。)外すのが危なかったのですが、これでカメラからレンズ外して保管できる(^_^;
S50mmF0.95 S50mmF0.95レンズ保護部分が曲がりやすい



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