フィルムカメラ

Canon 7S型

7sカタログ


1965年に発売になったCanonレンジファインダー最終型です。
スペックについては キヤノンカメラミュージアムを参照願います。
7Sは7の露出計をセレンからCdSに変更し精度を上げ、アクセサリーシューを取り付けたようなものです。三脚用のネジ穴も少し中央側に移動しています。
私の手元にあるのは、改良型でフィルム巻取りクランクノブの大きさが大きくなり軍艦部の距離計調節部のカニ目フタの位置が変更されたもので、7SZという通称で呼ばれることもあるようです。
Canon7S Canon7SCanon7S + S50mmF1.4
ファインダーが大きくて(後のF-1と同じ形状)眼鏡しててもピント合わせやすいです。35、50、85、100、135mmに対応します。
Canon7S露出計に".95"の表示があるのがこのカメラらしいです。
Canon7S P7SとP
P(Populaire)と比べると、露出計を内蔵したためか高さが高くなっています。

Canon7s
マウントは、39mmスクリューマウント(Laicaマウント)の他に、外側に3つの爪があります。
S50mmF0.95は後玉が大きくなりすぎL39mmマウントに装着出来なくなったので、専用の外側の爪に引っ掛けてマウントします。

S50mm F0.95 S50mm F0.95 Canon7s + S50mmF0.95
S50mmF0.95レンズ専用にマウント作った、当時のキヤノンはイケイケな会社だったのでしょう。
ファインダーの右下1/3はレンズで隠れて見えません。常識的にはありえません(笑)

Canon7sの50mmF1.2まで収納できる純正ケースです。
ケース
Canon7sの50mmF0.95まで収納できる純正ケースです。
ケース

Canon7sの当時のカタログです。モデルさんの髪型のアップの仕方に年代を感じました。
7sカタログ 7sカタログ 7sカタログ

露出計

シャッターは機械式ですが露出計内蔵で露出計用に電池を使います。電池使うので7sは人気が無いらしい。水銀電池が製造中止なので代替電池なのですが、ドイツ製の代替電池の電圧が高いからかTTL測光と比べてちょっと高めの値を示してます。高めだと思って人間が補正すれば問題ないレベルかもしれません。
7sを使った後は、忘れずに露出計の電源を"OFF"にしましょう。
"C"は電池のチェック用で露出計のオレンジ色の針が青印の範囲内にあれば電圧OKです。
露出計ダイヤルの右側にあるボタンは、フィルムのISO感度の切り替え用で、ボタンを押しながらシャッタースピードの切り替えダイヤルを回すとISO感度の切り替えが出来ます。
シャッターボタンの手前にあるCdsセンサーに"H"と"L"の切り替えダイヤルがあり、暗いときには"H"、明るいときには"L"を選択します。

電池の入れ方

V625UMR9(H-D) 1.35Vと同型のVARTA V625U・LR9 1.5V
Canon7s電池は底のネジをコイン等で緩めて入れます。
Canon7s Canon7s

MR9電池アダプターとVARTA V625U・LR9の差

キヤノン7Sの露出計の電池は元々MR9という1.35Vの水銀電池が指定なのですが、生産中止なので、VARTA V625U・LR9 1.5Vというアルカリ電池を使用していました。AE-1PやPと比べると露出が高めに出ていたので、関東カメラサービスのMR9電池アダプターを購入してみました。SR43に被せるような形で使用し1.5Vを1.35Vに落としてくれるという代物です。どれくらいの差があるものでしょうか。
MR9アダプター
MR9アダプター MR9アダプター左がアダプター、右がV625U・LR9
露出計での変化は
MR9アダプター MR9アダプター
左がV625U・LR9、右がMR9アダプターでの実測値
目盛りの変化はほんのわずかで1/2段分程度でした。アルカリ電池は使用していると電圧が落ちてくるのでさらに変化が少なくなりそうです。結果からいうと現在のネガフィルムのラティチュード(露光の許容範囲)は広いのでV625U・LR9でも問題ないでしょう。



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