2004.12.22 加藤いづみ 青山草月ホール

ペルソナ 第二夜 ピアノ・ナイト

いづみちゃんにふさわしい「Persona」は果たしてギターなのか、ピアノなのか。
1日目のギターナイトでは高橋研さんとの抜群のコンビネーションを発揮していた。さすがは
プロデューサ、「romeo the acoustic」をはじめ、2004年も2人で多数のライブをこなして
きただけのことはある。一方、上田禎さんとは8月の南青山マンダラでのライブで新たな一面を
見せてくれた。
期待を胸に会場に着くと、ステージのやや下手側に置かれたグランドピアノを挟むように、
かがり火のような照明が置かれている。前夜の興奮と緊張がわずかに残る場内に、ドレスアップ
したいづみさんとピアノの上田禎さん、ベースの鹿島達也さんが入場してくる。
一礼して定位置につくと、静かにイントロが流れ始めた。『シェルブールの雨』だ。
スタインウェイのピアノとウッドベースが奏でる調べがまるでジャズバーにでも居るかのよう。
『きみがいた夏の日』『屋根の上で』と続き、「今夜が歌い納めのようなもの。心残りのないように
思いっきり楽しみたい」とご挨拶。
次いで上田さんがギターに持ち替えての『元気でね バイバイ』『あの日あの場所で』は
ギター伴奏とはいえ、前夜とはまたひと味違う雰囲気である。いづみちゃん自身のピアノ
伴奏による『雨のタワー』に続いて『シャンプー』と歌い、バイオリン岡村美央さんと
チェロ大沼みゆきさんが登場。「ストリングスと歌うのは今年最後のチャレンジ」とのことで、
情感のこもった『For You』『水時計』が披露される。いづみちゃんの柔らかな歌声と弦楽器との
相性も抜群で、いづみさん自身「『気持ちいい』を通り過ぎちゃう」と言うほどのコンビネーションだった。
109の店員さんの話で場内を沸かせた後は、オフコースのカバーである『生まれ来る子どもたちのために』、
そして前夜も披露された『君のこと』。温かく力強いメッセージを感じ取ることができた。
「来年は旅に行きたい」と話してから『ハッピーエンド・カフェ』『私の中のたくさんの私』
『どれだけあなたのことを』と続き、本編最後は『好きになって、よかった』で締めくくられた。
アンコールは上田さん、岡村さんの伴奏による『青空』から。ここまで見事な「ペルソナ」を
披露してきたいづみちゃん。でも、アンコールで登場した高橋研さんに「素晴らしいステージでした」
と声をかけられ「研さんに褒められたのは2回目なの」と泣き笑い顔になった時は「ペルソナ」を
外した素顔のいづみちゃんに戻っていた。そして2日間の全メンバーと観客も加わっての
『あぁ、雪は降る』は「ギター」と「ピアノ」と「加藤いづみ」が一体であることを改めて
印象づけてくれた。
「これで終わるのはもったいない」と語っていたいづみちゃん。その気持ちは観客も一緒で、
客電が灯り案内放送が流れても鳴りやまない拍手が満足度の高さを示していたと思う。それに
応えてくれた予定外のWアンコール、最高のクリスマスプレゼントになりました。 ..

1 シェルブールの雨
2 きみがいた夏の日
3 屋根の上で
4 元気でね バイバイ
5 あの日あの場所で
6 雨のタワー
7 シャンプー
8 For You
9 水時計
10 生まれ来る子どもたちのために [オフコース]
11 君のこと
12 ハッピーエンド・カフェ
13 私の中のたくさんの私
14 どれだけあなたのことを
15 好きになって、よかった

E-1 青空
 2 あぁ、雪は降る
E2-1 early X'mas eveのテーマ

Pf 上田禎,Bs 鹿島達也,Vn 岡村美央,Vc 大沼みゆき
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