2004.03.06 加藤いづみ,高橋研 金沢もっきりや

romeo the acoustic

AG高橋研さんとの二人で全国を回るアコースティックライブツアー。ことの起こりは
この店での昨年10月のライブがきっかけです。土曜日開催と言うこともあって、各地から
ファンが集まって、店は満員の観客でいっぱいになります。果てはカウンターにまで
座らせて(マスターは「時々やるんです」と笑っていました)開演を待ちます。

定刻より数分遅れて、まずは高橋研さんが入場。12弦ギターを力強くかき鳴らします。
その調べに乗っていづみちゃんも「こんにちは〜」といいながら入場してきます。

1 Lesson

2 この街が好きだよ
  観客の手拍子に嬉しそうないづみちゃん。間奏でちょっぴりピアニカを吹きます。

い>ただいまー。また金沢に来られて、もっきりやで歌えて嬉しいです。前にここで
  歌ったのは去年の10月。それから何ヶ月も経っていないのに前回以上のお客さん。
  しかも「特等席」カウンターに座って、スタジアムみたいです。考えてみれば
  全てはここから始まったんですよね。ギター高橋研さんと二人で全国を回って
  いるけれど、去年ここで「やってみないか」とお話をいただいて、やってみたら
  かなり楽しかった。楽しくなかった? 私だけ?(笑)
研>楽しい半分、苦しい半分。間違えると全部俺のせいだし(笑)。でもその緊張感がね
い>最初は「二人きりで大丈夫?」みたいのもあったけれど、やってみたらこの楽しさに
  はまった
研>あと、もう少し女の人がいたらねぇ。プレイの質が変わりますからね(笑)
い>気持ちはわかるけどね(笑) もっきりやはジャズの人が唄う機会が多いと聞いて
  いたので、ジャズの人は大人っぽいしセクシーだから(笑)私、大丈夫かなぁと思って
  いたけれど、唄ってみたらものすごく気持ちよかった。この距離感にもはまってしまって。
  ここは音楽の根付いている店。着飾った自分と言うよりはき慣れたジーンズのように
  ここに来て唄うと気持ちいいって思う。
  今日は外は寒いけれど、この中は暖かくしなくてもその密着感で暖かいでしょうけど(笑)
  楽しみたいと思います。

3 坂道

4 好きになって、よかった

い>デビューアルバムや3rdアルバムのジャケットには髪の長い私が写っている。今また髪を
  伸ばし始めた。元々は研さんのリクエストでね(笑)。女性はわかるだろうけど、短い方が女性っぽい
  格好もできる。髪が長くて可愛い服を着ると女っぽくなり過ぎてヤだなって思ったりして。
  髪を伸ばすまでは「どうしようかなぁ」って、ちょっと伸ばしては2cm切り、ちょっと伸ばしては
  2cm切り(笑)「おまえ、髪伸びるの遅いなぁ」って言われたり。小さいときからずっと髪を伸ばして
  いた。デビューしてからも長いままで、髪を切ったのは「skiny」というアルバムの時。なんで
  切ったのかな、単なる気分転換というのもあるけれど、髪を切って新しい自分を、自分も見たいし
  みんなにも見てほしくて、バサッと切った。新しい自分になってみたいって衝動、あるよね。
  次の歌は恋を忘れて変わっていこうとする女の子の歌。悲しいけれど強い女の子の気持ちを唄った。

5 髪を切ってしまおう
  唄ういづみちゃんも演奏する研さんも目を閉じています。
  歌い終えてPfに移動します。研さんはカウンター裏で小休止。

い>これから2曲ばかりPfを弾きます。ここに来ると半分くらいの人は見えない。違う人が弾いても
  わからないね(笑) 心の目で私を見ていただければ。
  去年久しぶりにオリジナルアルバムを作り、この間「Singles and More 2」を作った。いろいろな
  人が参加してくれている。小田和正さんの書き下ろしがあったり、音楽仲間の上ケンの作品があったり、
  坂本サトルさんの曲があったり。この間もツアー中に盛岡でバッタリ会った。慌ただしく私は
  次の場所へ移動するため新幹線に乗ろうとしていたのだけれど、食事をしてなくて「どうしよう、
  駅弁かなぁ」と思っていたらサトルさんがプロモーションで来ているらしい、駅前で焼肉を食べて
  いるらしいということで「これは挨拶をしないとね」(笑)。マネージャーと二人挨拶に行ったら
  「冷麺とビール」って頼んでくれて、お勘定もお任せしてしまった。でもね、「ツアー頑張れよ」
  って言ってくれて、あぁいい仲間だなぁと思った。
  こんな風に立て続けにアルバムを出せるのっていいよね。なので、次は秋ぐらいに....出せたら
  いいな(笑)というか作りたい。

6 海へ続く道
  この曲のPf弾き語りはかなり様になっていますね。

い>ここでピアノを弾くのはすごく気持ちいい。上手くなった気がする(笑)。
  お客さんが見えないからかな、すごく集中できる。緊張すると手が震えたりしてね。
  小さな頃エレクトーンを習っていた。ピアノを習っていたら、もっとうまく弾けてて、もっと
  いっぱい音楽を伝えられてて良かったのになと思ったりもする。
  次は初めて弾き語りをした曲。今日にピッタリかな。

7 雨のタワー

い>では再び研さんを呼び込みたいと思います。今回のツアーは「romeo the acoustic」という
  タイトルで、そこにfeut. 高橋研、ということで。
  (研さんと「おっさん」談義に花を咲かせるいづみちゃん。楽屋話風で場内の笑いを誘います)

研>今日は昼間雪が降っていたので、窓の外に雪を見ながら唄えるかと思っていたけれど、
  やんだみたいだね。しんしんと降る雪を見ながら唄いたかったけれど残念。
  金沢は好きな街。大学生の頃、能登半島を旅して民宿に泊まった。向かいの部屋にOLが泊まって
  いるらしいということで、一緒にトランプをやったりして。(小ネタを披露して更に客席を
  沸かせる研さん)

8 Joaker (Vo.高橋研)

研>先日は仙台盛岡青森と回って、だんだんやつれていく自分を感じた。今回は新潟と金沢だけど、
  昨日より腰痛がひどくなった(笑)。次は九州から名古屋までの一番の長旅になる。是非やつれた
  俺の観察日記をつけて追っかけてください。楽しめると思いますよ(笑)
  加藤いづみ以外にも曲を提供している(場内から「矢沢」の声に)矢沢永吉さん、あの人も
  おもしろい人ですよ。その話は九州でします(笑)

9 翼の折れたエンジェル (Vo.高橋研)

い>プロデューサーの歌を袖から見る機会もあまりなくて。最近では私の歌も唄ってくれる。
  今までは女言葉、女の子っぽくて唄う機会もなかったけれど
研>『シャンプー』とかね(笑)
い>コケティッシュに可愛く唄ってくれる。『シャンプー』は広島で唄います(笑)
  この間、研さんのライブでアルバム「romeo」の中の『Dear friends』という曲、いろいろ
  ちょっと深いテーマというか、この間のテロのことを私なりの表現で唄った歌なんだけれど、
  研さんは研さんの表現で唄っている。私がしないような歌い方で、いいなぁと思う瞬間と
  悔しいなぁと思う瞬間がある。「この言葉、こんな風に唄うんだ、やられたぁ」って。
  たまに歌ってもらうと発見があって「私も負けねぇぞ」って。歌っておもしろいと思う
研>あなたのダメ出しはキツイですよ。「ちょっといいかな」の後の一言が怖い。
い>私、あまり感情的に言わないから、考えて考えて言うからね。私が研さんにダメ出しできるのは
  研さんの歌だけだから。大先輩だし大プロデューサーだし。
  じゃ、ちょっとエッチな歌を。

10 French kiss
  イントロでミニ鉄琴をたたくいづみちゃん。
  薄暗い店内にボサノバのメロディが響きます。

い>昨日新潟でコンサート。すごい雪だった。今は降ったりやんだり。私は四国育ちなので
  雪は良いよなぁって思う。今日も高速で移動してくるとき「雪が白で良かったなぁ」と
  思った。他の色だったことを想像してみると怖いよね(笑)。水色くらいなら許せるけど
  紫の雪だとねぇ。金沢の人はこの時期に雪が降ると(トーンを下げて)「また雪か。春は
  遠いな」って思うかもしれないけれど、私はちょっと降ってるだけで興奮してしまう
  南国育ち。続いての曲はそんな雪の歌。雪を楽しみにしている歌なので、今日は皆さんも
  (トーンを上げて)「雪だよ」って南国育ちの気分で楽しんでください。

11 初雪
  手拍子とピアニカで賑やかに。

12 ネガ
  
歌い終えて、宮沢賢治「銀河鉄道の夜」の一節(ジョバンニとカンパネルラの別れの場面)を
朗読するいづみちゃん。

13 ドライヴ

い>『ドライヴ』を歌っている間に、窓の外の雪がすごく強くなってきて「ここどこだろう?!」
  って思いました。今日はどうもありがとう。少しは暖まってくれました? (満員の客席を
  見回して)暑いくらいだね(笑) 最後の曲です。

14 Romeo
  これも客席の手拍子で盛り上がります。


一旦舞台を下りてカウンター裏に退きますが、盛大なアンコールの拍手に迎えられて再登場。


E-1 Dear friends
   このところ定番になった曲ですが、毎回微妙にアレンジが変わり楽しませてくれます。

い>アンコールどうもありがとう。アコースティックツアーで4カ所目。方言が各地に
  あるように、会場も違うし来てくれるお客さんのムードも違う。それが私たちにも
  伝染して、私たちの気持ちも変わる。やればやるほどライブが面白くなる。
研>おもしろいね
い>時間の長さの感じ方も全く違うし、天候もね
研>「ひきた」
い>「てんこう」(笑)・・・・(研さんに向かい)帰ってよし!(笑)
研>(ビールを飲みつつ)今日オレ誕生日なんだ
い>(笑)気持ちはわかります。「アンコールくれた」「楽しかった」って
研>終わりに近づいていくな、という瞬間から自分も終わっていきたい(笑)
い>あたしも終わっていきたい
研>なんかやります・・・やりますよね?!
い>アンコールやりますけど、最近「何やりますかねぇ?!」って言いながら出てきたりして
  二人だけのステージだから
研>自由がきくからね
い>「これ歌いたい」とか、「これは今日はちょっと」とか、そういうのも含めてね
研>リクエスト応えましょう
い>高いよ(笑) 生で歌うんだから

 2 All I want is You
  前回ライブでも客席からリクエストされ、その際はボツになった1曲。
  この日も最初はいづみちゃんがサビのフレ−ズだけ歌ってお茶を濁そうとしたところ
  不満の声が挙がり、1番だけ披露されます。

い>1曲5000円になります。これ、デビューアルバムに入っているんですよ。何年ぶりに
  歌ったんだろう?! 10年くらい歌ってない?
研>俺に訊かれても(笑) 今度ちゃんとやりましょう
い>大阪で歌います(笑) 研さんが歌います。マスターが歌います
  でも、ここは歌う時何か気持ちが違うね。特別な場所。それぞれに大事だけれど
  ここから始まったアコースティックツアーだし
研>金沢なのに近所の店みたい。下駄突っかけてこられるような
い>そうそう
研>銭湯の隣に「もっきりや」があるような
い>(笑)金沢、すごい好きだし
研>あなたの故郷にどことなく似た雰囲気があるね
い>今日ラジオで同じことを言ってきた・・・・最近同じこというよね?! 一緒にいると
  考えが似てくる?
研>あーやだやだ
い>あたしもイヤ(笑) 別々の方がおもしろいものね、ぶつかるから。
  私の産まれ育った松山と金沢がなんか雰囲気が似ている。同じことを盛岡でも感じた。
  金沢と盛岡、あと長崎はそれを感じる
研>城下町で緑が多くて小京都と呼ばれていることから考えると似てるかも。おまえと
  俺も似てるのか?!
い>似てる。田舎もののところとか。そういうところだけツアーするのもいいかも
研>小京都ツアー、やりますか?!
  もう1曲くらいリクエスト、やりますか? もっきりやだし。ないのならいいけど
  (客席から何曲か声が挙がり) それならあなたが弾いて
い>マジっすか?!(笑) 初めて弾き語りをした曲です。

 3 雨上がりのregret
   Pfに移動しコードを確認してから歌い始めます。

い>1番だけでごめんね

 4 青空

 5 君のこと
   アルバム「ROMEO」からのしっとりとしたナンバー2曲で締めになりました。

い>今日は本当にありがとう。会えて嬉しかったです。雪が降ってるので気を付けて
  帰ってください。「お前が!」って感じですけど(笑)
  (マイクを置き)またすぐにここに来ますから、会いに来てください。ありがとう!


2時間ほどのライブでした。MCにもありましたが、外は盛んに雪が降っていましたが
会場の中は終始暖かな雰囲気。アーティストの気持ちのぬくもりが伝わってくる、
素敵なライブでした。 ..
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