2002.08.06 小田和正,加藤いづみ 代々木体育館

K.ODA TOUR 2002 『Kira Kira』

4月発売のアルバム「自己ベスト」が大ヒット。5月から始まった全国ツアーでは一部
公演を喉の不調で延期するトラブルもありましたが、30数本のライブをこなしています。
幸い追加公演のチケットを入手することができたので、相方と二人で出かけてきました。

ステージからアリーナ席に向けて花道が長く延びています。ステージ上にもバンドを
取り囲むように客席があります。観客の年齢層はかなり幅広い。約12,000の座席は満席に
なっています。
オープニングは大スクリーンに映るアニメーション(「自己ベスト」のジャケットを模した
もの)から始まります。

サポートはFar East Club Band+加藤いづみさん、きのしたともあきさん(chor)

1 MY HOME TOWN
  Pf弾き語りで始まります。

2 風の街
  Gtに持ち替えて。

3 春風に乱れて
  照明がとてもゴージャズです。

MC>どうもありがとう! お待たせしました。東京に帰ってまいりました。
  2年くらい前の八景島のコンサートで花道を作って、一番後ろまで行ったらあんまり
  お客さんが喜んでくれたので(笑)。どうです?! ジャニーズ祭りみたいでしょう(笑)
  「いい年して走り回って」などと思わずに、今日は素直にジジイが駆け回る姿を
  見守ってください。歳をとったせいか1日1日が愛おしくて。始まらなきゃ終わらない。
  始めなきゃ次も巡ってこないということで、コンサートを始めましょう。最後まで楽しんで
  いってください。
  メンバー紹介 Dr 木村万作 Key 栗尾直樹 Bs 山内薫 Gt 稲葉政裕 Sax 園山光博
  Chor きのしたともあき&加藤いづみ

4 愛を止めないで
  花道を左右に走り回ります。観客から大歓声。

5 夏の日
  オンステージシートを忙しく歩き抜けながら。

6 Oh! Yeah!
  アリーナ席の中程に設けられたステージで。KeyとSaxの伴奏。

MC>ぶしつけですが、今日初めてナマの私を見た人は?(手が上がるのを見て)いままで
  何やってきたんでしょうねえ(笑)。しつこいくらい長い間ボクを応援してくれてる人、
  本当に感謝しています。調子に乗って言っているようにも聞こえるかもしれませんが、
  あなた達のおかげで今日までやってこれました。ありがとう。
  だらだら喋ってますが、せっかちな人は「早く歌やれよぉ」って思ってるかもしれない。
  (「格好いいよ〜」の声に)格好いい? いつか俺も「ステキ」って言われたいなぁ。
  ....言わせてどうする(笑)。昔はキャーキャー言われるのがイヤでね。今はとっても
  嬉しい(笑)。街を歩くのに恐怖症になったりしました。女子高生が追っかけてくるんです。
  やっぱり『キラキラ』など歌ったからですかね。
  曲、行きますか。ハッキリ言って(アリーナに視線を落として)この席の人と3階の人じゃ
  不公平だと思っている人もいると思いますが、それも運命だと思って乗り越えてください。
  気持ちじゃ(3階席を見ながら)そっち行ってますから。
  今日は暑かったね。くそ暑い日に、この歌を歌ってしまいます。

7 さよなら
  花道に座ってGtを弾きつつ歌います。澄んだ声がホールに響き渡ります。

MC>いよいよダラダラやります。(A4位の紙を見ながら目を細めて)ネタはいっぱい書いて
  あるんですけどね(笑) 別に受けようと思って老眼鏡をしてるんじゃないんですけど。
  武道館でも何回もやっていて好きですけど、ここ(代々木体育館)も久しぶりですね。
  その時も後ろの方のお客さんに申し訳ないなと思ってました。
  武道館はね、楽屋の裏に剣道場があるんです。コンサート前に気合いを入れてステージに
  行くときにも「やぁっ」「とぉっ」とかやってるわけです。ボクがこれからとっても素敵な
  コンサートをやろうという時に、全然興味のない人もいるんだな。それはそれで「慢心
  しちゃいけないぞ」って戒めにもなりました。良いコンサートやって帰ってくるときも
  「ちょぅっ」とかやっていてね(笑)。やはりコンサートより剣道だよなって。
  ここも公園が近くてイベントの音が聞こえたりしますが、ボクも大人になっているから
  少々のことには傷つかなくてね(笑)
  コンサートを終えて山手線に乗っていると隣では東スポを読んでいたり、地方に行って
  盛り上がってホテルに帰る時にも「あぁ関係ない人もいっぱいいるな」って。
  後で出ますが、地方に行くと「御当地(紀行)」でブラブラするんです。CDがちょっと
  売れて顔が出たりなんかして、声をかけられたりサインしてくれって言われたりするんです。
  写真は抵抗ありますけどね。サインすると「あ、どうもありがとうございます。今日は
  何かあるんですか?」って訊かれたりして。コンサートに決まってるじゃないですかねぇ。
  もちろんにわかファンというか、有名人だからサインもらってやろうって人もいるんですね。
  でもなんか心の隅っこで「何かあるんですか」って言われるとイヤなものなんですね。
  それは地方のプロモーターが仕事をしていないとか(笑)そういうことを言ってるんじゃ
  なくて、何か淋しい空気が心をよぎるんですね。「今日ライブあるんだ」って絶対言わない。
  「イヤ、別に」って。その「別に」に引っかかってる心情が現れてますが(笑)
  ....話し始めると止まらないんで。止めるのが大変。
  次はオフコースで突っ張ってた頃の歌。何か一生懸命反抗していたんですね。だんだん
  反抗される歳になってきましたが。

8 僕等の時代
  小田さんのGtに栗尾さんのアコーディオンが加わり、センターのステージがせり上がります。

MC>このステージが上がった時に、どうせ笑いが来るんだろうなって思ってました。で、皆
  「どこまで上がるんだろう?」って思ったでしょうけどこれくらいです。
  ちょっとノリの良い曲をやりますけど、別に「ノれ」って言ってる訳じゃないです。
  みんな一緒に歳をとっているわけだし(笑)。男のわがままな唄を歌います。男の勝手な
  気持ちです、ダメですよだまされちゃ。

9 勝手に寂しくならないで
  アコギで激しく。

MC>(観客が口々に「小田さ〜ん」と叫んでいる)それぞれみんな私に用事があるみたい
  ですけどね(笑)。『さよなら』をさっき歌いましたが、自分が作った歌という実感が
  段々薄れていって、じゃ誰が作ったのかって、俺なんだけど(笑) 「小田さん」「小田さん」
  って言われて「あぁ俺『小田さん』だなぁ」って。段々自分に対して客観的になりますね。

  昔、三十代になったらピアノと英語とゴルフが上手になりたかったんです。で、50になったら
  俺のものだなって。いちばん時間を使ったのがゴルフで、ゴルフの時間をピアノに使って
  たらなぁって(笑)つい2,3年前までそう思っていたけれど、まぁそれもいいかな。どれも
  ....ちょっと謙虚ですね(笑)....人に自慢できるほどでもないし。ゴルフもどんどん下手に
  なるし、指はどんどん動かなくなるし、舌はどんどん回らなくなるし(笑)。もちろん小さな
  頃からやっていればとも思うけれど、それは手段に過ぎないわけで、自分が一生懸命
  やればそれでいいんだと、つい最近ですね。でもまぁ三つ努力をするつもりですけどね
  (観客の拍手に)ここで拍手をもらうと逃げたくなります。これからも頑張っていきます。
  今何がいちばん嬉しいかというと、歌うのも嬉しいけれど、3本目の映画が出来上がって
  「今日は舞台挨拶です、皆さんこんなに集まってくれて」って。早くできたらいいなあ。
  楽しみにしていてほしいと思います。

10 woh woh
  小田さん一人がアリーナのステージに残ります。アコギの弾き語り。
  ミラーボールの回転に合わせて光が舞い踊ります。

ステージが暗転し、スクリーンには『御当地紀行 総集編』が映されます。
アルバムのテレビCMのように自転車に乗ったり、スケッチしたり、修学旅行生に囲まれたり。

11 だからブルーにならないで
12 愛の中へ
  2曲続けてEGを弾きながら。

13 忘れてた思い出のように
  花道を歩き回ります。

14 ラブストーリーは突然に
15 伝えたいことがあるんだ
  再びEGを弾きながら。歌い終えてメインステージへ戻ります。

16 キラキラ

MC>どうもありがとう! 会場が思ったより広くて疲れてしまいました。
  後ろの方に行くとあんなに嬉しそうな顔をしてくれるんだなぁ。ボクもみんなの笑顔で
  励まされます。また会える日を楽しみにしています。今日は本当にどうもありがとう。

17 風の坂道
  1コーラスは小田さんのPf弾き語り。曲の最後に再度メンバー紹介をし、袖に下がります。

すぐさま盛大なアンコールの拍手がわき起こります。暫くして、ツアーグッズのTシャツで
全員が登場します。

MC>どうもありがとう。いちいち引っ込んで、しかも売ってるようなTシャツに着替えて
  出てこなくてもいいんですが(笑) ここから一応アンコールと言うことになってます。
  「朝までやるぞ」と言いつつもう何年になっているでしょう。本当に朝までやれる体力が
  残っているうちに、そんなことがあってもね。(盛大な拍手に)そんな無責任な拍手を
  してもいいんですか?(笑) その拍手を胸に刻むことにします。
  まずはいづみちゃんの歌を聴いてください。前回のツアーで彼女の故郷の松山に行った時
  短い曲を作ったのを、今回まとめました。
  それと、バンドの2枚目のインストアルバムが「自己ベスト」と同じ日に出ました。
  もしちょっとでも気に入ったら買って帰ってください。

EC-1 海へ続く道(Vo.加藤いづみ) 
   Aメロ〜Bメロから高音のサビへと展開するメロディがいかにも小田さんらしい。
   いづみちゃんの声域にもピッタリとはまっています。

 -2 青い月の夜に〜Walled in Life〜Reserve〜A Stream of Life(演奏 Far East Club Band)

園山>これがジャケット写真です。よーく覚えてね。ロビーに並んでいますので、お家に
  帰ってライブの余韻に浸って下さい!

 -3 またたく星に願いを 
 -4 Yes-No 
   花道を隅々まで走り回りながら歌う小田さんに観客の興奮も最高潮に達します。
   サビの一節を大合唱。小田さんが客席に投げ込んだタンバリンに群がっていました。

「どうもありがとう!」と手を振り退場する一同に、再度大きなアンコールの手拍子。
今度はさほど間をあけずに再登場します。花道にメンバーが出て一礼。

MC>ホントにどうもありがとう。今日初めて花道を見まして、これはちゃんと行かないと
  いけないと思ってハツカネズミのように走り回りましたが疲れてしまいました(笑)。
  今日の全てを胸に明日はさらに頑張りたいと思います。
  約束するのが怖いので何となく独り言のように言いましたが、本当に朝までやることが
  あったら来てください。今日は本当にどうもありがとうございました。

E2-1 時に愛は
 -2 I LOVE YOU

   歌い終えた小田さん、サクソフォンを手に花道の真ん中に設けられたステージへ。
   園山さんと稲葉さんも同道します。

 -3 ムーンライト・セレナーデ
   小田さんのサクソフォンに大歓声が上がります。ステージも先ほどより高くせり上がり、
   ミラーボールの明かりが場内の隅々に届いています。
   ちょっと怪しいところもありましたが、まずはお見事、です。
   嬉しそうにメインステージに戻る小田さん。

 -4 キラキラ
   スクリーンに歌詞が映されます。誘われるように客席も大合唱。小田さんは花道や
   ステージを忙しく走り回ります。

MC>どうもありがとう! また会おうね!!

エンディングは再度、「キラキラ」のメロディに乗せてのアニメーション(街に雪がいっぱい
積もる)でした。


前半はMCをたっぷりと交え後半は一気にたたみかけるように歌う、メリハリのある構成。
3時間に及ぶライブでしたが、少しも長さを感じさせない充実した内容でした。
さすがに最後は声にも疲れが出ていたようですが、それでも印象を悪くするようなことは
ありません。ギターやピアノ、そしてサクソフォンにも挑戦し、広い場内を走り回って歌う
姿はなかなか感動的でした。また、歌の魅力を引き出すサポートも評価したいところです。 .. ..
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