2000.11.27 平岩英子 南青山MANDALA

NUDY CAMERA with piano

この夏からイベントやインストアのライブ登場はありましたが、本格的なライブは
1年半ぶりになります。
サブタイトルに「Special 120 seats edition」とあり、全員着席でゆったりと
楽しむことができる状況です。

ステージ上にはグランドピアノ。左側にパーカッションのセット、右側にも
マイクスタンドが立てられていて、ゲストミュージシャンの登場を予想させます。
ステージの周りには新アルバム「NUDY CAMERA」のジャケットに使われた平岩さんの
描いた油絵が飾られています。

ほぼ予定どおりの時間に青い照明のステージに平岩さんが現れます。一度ぺこりと
お辞儀をしてピアノの前に座ります。赤白ストライプのブラウスにパンツ姿。
ピンクのラメ付きマスカラをしていますが、最前列のお客さんにしかわからない
お洒落です。

1 ジャスミン
  最新シングルのc/wからスタート。時折お客さんの反応を確かめるように
  ふっと視線を飛ばしますが、後は中空を見つめて気持ちよさそうに歌います。
  1曲歌い終えるごとにチョコンと頭を下げます。

MC>こんばんは。すっごい久しぶりです(笑) 久しぶりだと笑いが出る(笑)
  今日は無事晴れて。毎回天気の話をしてますね。近所のおばさんが社交辞令で
  喋ってるみたい。雨女で、いつも雨なんですが、今日は晴れました。よかったね、
  晴れて。雨だと来るの面倒くさいでしょ?
  では、3曲続けて。

2 夏の香水
3 さかな
4 泣いてる人

MC>(汗を指で拭いながら)ハンカチ持ってくれば良かった(笑)
  『泣いてる人』が9月にシングルで出ました。知ってるよね?!
  よくインタビューなどで「この人泣いてないですよね?!」って訊かれます。
  「はい、泣いてないですよ」って。日差しがいい感じで入ってきて、昔のことを
  慈しんでいる情景を詠った歌なんです。私はいつも詩を作って仮タイトルを
  付ける。ちょうどその頃ピカソ展があって「泣く女」というのがありますよね、
  それで「泣いてる女(ひと)」と付けたら、周りの人が「それいいじゃん」って。
  私の場合、仮タイトルがそのまま使われることって滅多にないんです。すごい
  変なものを付けるから。この前整理してるときアレンジャーさんに渡したスコアが
  出てきて、タイトルが「小倉百人一首」(笑)。他にも「レトロフュージョン」とか
  「テクノパリス」とか。全然そんなサウンドになってないんだけど(笑)イメージで。
  あと、長いので「パリの窓の下セーヌ川は流れない」って言うの。♪〜
 (『絵はがき』を1フレーズ弾いて歌う)そんな長いタイトルをよりによって
  そんなに短くしなくてもいいだろってくらい短いタイトルになりました。
  仮タイトルが使われることは滅多にないのだけれど、『泣いてる人』は
  良かったねぇ。まぁ「涙の数だけ」とか詞に出てくるからいいかな。
  『泣いてる女(ひと)』だとシャ乱Qみたいだったので、普通の「人」にしました。
  あっと、ここで強力な助っ人をお呼びします。Sax タナカクニカズ
  ゴメン、待たせちゃったね

5 微熱の朝
  要所で絡んでくるソプラノsaxが効果的

MC>クニちゃんてでかいね。クニちゃんと私は文通フレンドで、内容が全然ないのに
  書き方は大袈裟。「お身体を大切に。かしこ」なんて。

6 冬眠
  この曲ではアルトsaxを吹くタナカさん。

7 カラス
  Saxが絡むことによって、ジャズっぽさが増します。
  この曲まででタナカさんは一旦退きます。

MC>ヘヘッ(笑) なにかシーンとしてますね。っていうか、シーンとしてないと
  聴けない音楽というか。
  アルバム「nudy camera」が出ましたが、もう聴いていただけましたでしょうか?
  まだの方は今日帰りに、ね。2枚あってもいいよ、な(笑)
 (スタッフからタオルを受け取り、風呂上がりのように頭に当てたりします)
  新曲というわけでもないんだけど、未発表曲を唄います。アルバム造りの
  ためのデモテープに入っていました。

8 なぜか逢える日はいつも雨で
  再び単独弾き語りになります。平岩さんらしいミドルテンポのバラード。
  詞の内容も含め、なかなかいい感じです。

MC>どうもありがとう。ホームページを9月に立ち上げて、日記を書いたり
  デジカメで撮った写真を載せたりしています。いっぱい遊びに来てくれて
  ありがとう。書き込みに私も参加しています。好きな歌ベスト3など書いて
  くれていて、とても参考になります。 なかなか面白いよね。皆さんの意見を
  直にわかって嬉しいです。
  次に行くんだけど、急にカバーやりたくなりました。書き込みの中に
  推してくれるのがあって。....(歌詞カード)忘れてきちゃったかも。
  Q盤のヤツをそのまま持ってきたんだけど....(再びスタッフが持ってくる)
  ありがとう。字が小さいから見えるかな?!
  1983年。小学6年生の時すごく好きだった曲です。

9 メディテーション(松田聖子「ユートピア」より)
  懐かしいですね。このアルバム、私もドライブのお供によく聴いていました。

MC>もう1回やりたい。まぁいいや(笑)。
  ていうことで、次回からカバーをやろうと思ってたんだけど、急にやりたく
  なったからやってみたんだけど変になっちゃって。みんなの意見も聞きながら
  やってみたいと思います。
  ここでまた、強力な助っ人を呼んでおります。Perc クスノキヒトシ
  クスノキさんは歌う人なんですよ。カバーはしないんですか?
  (以下、田原俊彦の「ハッとしてグゥ」をワンフレーズ歌ったり、近藤真彦や
  ひかる一平、新田純一などの名前が出ます。クスノキ氏はカイバレス=海馬レス
  =脳なしというグループでボーカルも務めるのだとか)
  じゃ、なんかやりましょう。

10 Airship On Stadium
11 夢幻(まぼろし)
  ライブでは定番のナンバーが続きます。先ほどのSaxに比べ、パーカッションは
  必ずしも相応しいとはいえないように感じられます。

MC>今回のアルバムはパーティなどでみんながくっちゃべってるのではなくて、
  2〜3人が対話しているような、喋っていると言うより「語っている」ような、
  音のない空間というものを大切にしながら作りました。次はそのアルバムに
  入っている、高野寛さんと一緒に作った歌です。

12 プールに行こう
  少しテンポアップしたこの曲では、Percも引き立ちます。

13 サボテン

MC>さっき「バイバイ」を言ったタナカさんをもう一度呼びたいと思います。
  ちょっとすごいコンビだよね〜(笑) #しばし雑談に興ずる三人

14 月とヴァイオリン
  これまたジャズナンバー風に聞こえます。

MC>ということでのんびりお喋りしすぎたかもしれません。最後の曲です。
  『La Mer』という曲です。らめーるらめーるらめーるまめーる。
  la mer(海)とla mere(母)、同じ言葉なんですね。

15 La Mer

MC>どうもありがとうございました。

二度お辞儀をして舞台後ろに下がる平岩さん。アンコールの拍手が続き、
ほどなくしてタナカ氏、クスノキ氏と共に再登場。またも二度お辞儀をして
ピアノ前に座ります。

MC>ありがとう。来月ここのイベントに出ます。夜の11時からで、他に3組
  出るのだけれど、私の出番は最後です。それがどういうことかと言うと....
  「来い」って言ってるのよね(笑)
  懐かしい歌をやります。

E1 風に吹かれて
  3人のアンサンブルで楽しげな雰囲気になります。
  この曲でサポートの二人は退場します。

MC>なんかあっと言う間でした。ずっと出してなかったのに来てくれてありがとう。
  嬉しいです。....笑いが出るよ。
  「永遠」という言葉があります。永遠というのはこの世にはなくて。
  出会いがあれば別れがあっていつかは死んでしまう。永遠はないんだけど、
  一瞬「これは、『永遠』かも」って思うことがあります。そういうのは
  使い古された言葉で「永遠の一瞬」っていうけど、そういうのを実感することが
  あります。「嘘でもいいから『スキ』と言って」みたいな。そういうの大ッ嫌い
  なんだけど(笑)。永遠なんてないんだけど、そう思う瞬間ってとてもかけがえの
  ないもので感動的です。今日最後にこれを歌うんでちょっと喋りましたが。

E2 家族の永遠
  最後は1stアルバム収録曲の弾き語りでシメとなります。
  ちょっとしたミスタッチを連発。やはり久々のせいなのかも。

MC>ありがとうございました。気をつけて帰ってください。

今度は三方向にペコリペコリとお辞儀をし、手を振って退場していきました。

ピアノ弾き語りでたっぷり楽しませてもらった2時間でした。
フワフワとしてとらえどころがないのだけれど、なぜか心地よい。平岩さんの
周りだけ時間の進み方がゆっくりしているような、そんな感じがします。
残念なのは、これまでのライブの度に作られていた「ぐりぐら」という小冊子が
なくなってしまったこと。公式ホームページに発展的解消を遂げたということ
なのでしょうが....。 ..

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