2000.07.21 加藤いづみ 渋谷QUATTRO

Happy Together 2000

いづみちゃんの『恒例』Birthday Live。今年も大勢のお客さんが詰めかけています。
定刻よりやや遅れて、サポートの上田禎さん、狩野さん、そしていづみちゃんが
ステージに登場します。いづみちゃんは白い丸首シャツにベージュのエナメル風
巻きスカート。なかなかお似合いです。軽く一礼して歌い始めます。

1 切なく青い空のページ
  1曲目から声の伸びも上々。間奏や終奏でいづみちゃんも鉄琴を叩きます。
  音程が怪しいのはご愛敬か。

い>どうもありがとう!

2 元気でね、バイバイ
  マイクを手に取り唄います。上田さんもGtを演奏。

い>お久しぶりです。東京でソロのライブをやるのはちょうど一年ぶりという
  感じなんですが、お元気だったでしょうか? 元気そうな感じですね(笑)
  私もとても元気でした。
上>そんなの一人一人ちゃうでぇ
い>(笑)そうか、適当なこと言ってるね。いや、全体的にね
上>よう入ってはるね
い>ねぇ。スタンディングのライブは、私初めて....の気がします。後ろの人は
  立ってても、前の人は席があったでしょう? 何回か加藤いづみのライブに
  来ている人は分かるでしょうけど....。『密着』という感じがしますね(笑)。
  このライブには『Happy Together』というタイトルが付いています。
  このタイトルのライブは今まで何回かやってるんですけども、タイトルどおり
  「みんなで一緒に楽しもう」というライブで、この編成を見ると「アコースティックで
  しっとりかしら?!」と思うかも知れないけれど、今日は本当に楽しいアコースティック
  ライブ(笑) お送りしたいと思います。『Happy Together』ですからね。
  一緒に楽しみましょう。一緒に楽しむためになくてはならないメンバーを
  さっそく紹介します。Gt 狩野良昭 Key 上田禎(シルクハットの上田さんを
  見て)盛り上がってくるとハト出てくるから(笑)
上>脱いでもハゲしか出てこんで(笑)
い>(笑)ということでみんなで楽しい時間を過ごしたいと思います。楽しんでください

3 TRUE SONG
  最近のシングル曲の3連荘。

4 夏のカーディガン
  『星に願いを』のイントロから入ります。ハイチェアに腰掛けて唄います。
  この曲でも鉄琴をちょっぴり披露。

5 シャンプー
  フレンチポップス風のイントロで、この曲が始まるとは思いませんでした。
  狩野さんがギターチェンジに手間取り、上田さんにもいづみちゃんにも
  「はよせんかい!(笑)」と突っ込まれます
  途中でテンポアップするところなど、いづみちゃんの遊び心が伺われます。

い>どうもありがとうっ!
上>いづみぃ〜っ!(笑)
い>今の『シャンプー』という歌じゃないですけど、失恋するとホントにねぇ、
  自分でも信じられないような行動をとったりすること、ありません?
  今の『シャンプー』の歌詞でも「なんであたし、夜中に洗濯してるんだろ?!」
  とか、ね。そういうコトするのって、必ず夜中なんだよね。
上>そういうのって失恋とか意味入ってたんか?!
い>(笑)そうよ
上>俺、ただの迷惑なヤツかと思ってた(笑)。うるさいなぁって。掃除機とか
  洗濯とか....
い>それはね、みんなうるさいと思うかも知れないけど、失恋した人だから(笑)
  文句言ったりしないようにね。続けてやってる人はしょっちゅう失恋してる
  人だから(笑)。でも、なんかこう、夜って、一人の時間を持たせてくれて、
  夜がすべてを包んでくれて、次の日につながって(上田さんがBGMに
  ムーディーな曲を弾き始める)素敵や(笑)....なんかそういう時間だったり
  するんですけど、夜の静けさって、ムチャクチャこう傷口に沁みるというか
  何なんでしょう、夜というのは。

6 涙も枯れて
  しみじみと情感たっぷりに唄ういづみちゃん。アコースティックな伴奏が
  雰囲気を盛り上げます。

い>「涙ってどれくらいあるんだろう?」って思うくらい泣いたこと、ありません?
  (上田&狩野の二人がステージを去り、スタッフがいづみちゃんの横に椅子を
  運んでくる)ここで椅子が置かれたことで、勘のいい方は....良くなくても
  わかると思いますが、この人と一緒にステージをやるのはホントに久しぶりな
  人を呼びたいと思います。高橋研さん(観客から盛大な拍手と歓声)
  すごいよ、研さん(笑)
  (おどける研さんに)一応盛り上がってくれてるけど
研>その辺で「懐かしい」って言ってる。美空ひばりみたいじゃないか
い>(笑)知らない方のために、最近加藤いづみを知った人は「誰だ高橋研って。
  何でみんな『ふーっ』って言ってるの? プロレスラー??」(笑)って
  思う人もいるかも知れないんですけど、見えなくもないよね、ちょっと
  着やせするプロレスラー(笑)。(女の子「カッコイー」)カッコイイって。
  本当?(笑) えっと、私はデビューして9年たったんですけど、デビューの
  時からずっと、2年くらい前までですね、プロデュースをしてもらってました。
  その、プロデューサーの高橋研さんです。

  「なんで出てきたの?」って思ったりすると思うんですけど、まぁ「久しぶりに
  曲でも作ってみようか」って話になりまして、自然と....な、研さん(笑)
  そうなんです。自然にそういう気持ちになるってことは、ホントに自然な
  ことなんです(笑)。例えば2枚くらいアルバム作って「そろそろ、また」って
  感じじゃなくて、いろんなコトをやって「あ、また研さんと曲作ってみたいな。
  研さんの歌、唄ってみたいなぁ」って思ったときに研さんも同じ気持ちでいてくれて。
  じゃ、そんな固いことも考えずに曲でも作ってみますかとスタジオに入ったのが
  今年の初めですかね?
研>去年の暮れぐらい
い>去年の暮れぐらいから暇があれば曲を作ったりしてるんですけどね。
  (手持ちぶさたな研さんを見て)早くやりたいんでしょ(笑)
研>いやー、その....みんな、久しぶりだねぇ(照れ笑い)
い>初めて見る人のために言いますけど、「加藤いづみ」っていう音楽ができたときに
  欠かせない人が何人かいて....言い出したらキリがないんですけど、事務所の社長....
研>曲には関係ないだろ!(笑)
い>さっき思ってたんですよ。やっぱそうだなって。事務所に高島さんって人が
  いるんですけど、その人が「東京に来なさい」って声かけてくれた人で、
  その次の週には社長と一緒に東京から松山に来てたんです。その二人と、
  東京に出てきてから私はお店で歌を唄ってたんで、そこで厳しくされた
  ジョージさん、その人と研さんかなーって。濃い人ばっかりなんです、
  今挙げた4人って(笑)。久しぶりにね....
研>よろしくお願いしまーす
い>(笑)私もなんか緊張するなぁ。
  久しぶりに研さんのギターで唄う歌といったらこの曲しかないでしょう。

7 好きになって、よかった
  割にシンプルなギター伴奏。しみじみとした味わいがあります。

い>先ほども言いましたけど、時間があるときには研さんと曲を作ったりしています。
  今日は新曲を皆さんに(観客拍手) 「こんなのやってるよ」というのを聴いて
  ほしいんですけど。私が今どんな曲を唄いたいんだろうって自分で思った時に、
  やっぱ「ギター」って曲が唄いたくて、「私そういう曲が好きなんだよなー」って
  思って。いろいろ痛いことってあるじゃないですか。嘘をついたりつかれたり、
  裏切ったり裏切られたり....。この間読んだ本にも書いてあったんですが、「一番
  自分の中に残っている痛みは傷つけたこと。傷つけられたことは、いつか違うものに
  変わっていくけど、傷つけてしまったことは一番大きな痛みとして残ってる」って
  書いてあって、なるほどな、すごくよくわかるって思ったりしました。

8 君のこと(表記不詳、新曲)
  ゆるゆると流れるメロディーラインと別れをモチーフにした切ない歌詞が
  見事に融合しています。

9 ドライヴ
  上田禎さんと狩野さんも加わって、スケール感が増します。
  間奏ではいづみちゃんのピアニカも。

い>どうもありがとう。高橋研さんでしたー。(研さん退く)
  ご存じの方もいると思いますけど、小田和正さんのコンサートにbacking
  vocalとして参加してます。他のアーティストの方のツアーに参加するのって
  初めてなんですけどね。約60本のツアーが半分終わりまして、5月から始まって
  10月くらいまで続くんですけども、だいたいね、そういう話をすると「なんで
  いづみちゃん、やることになったの?」って訊かれることが多くて、えっと
  「日本を救え」っていうコンサートで初めて会ったんです。その時の前座
  バンドとしてSing Like Talkingの佐藤竹善さんたちがやったのに私も出てて、
  その時にお会いしたのが初めてだったんですけど、今回ツアーをやるということで
  加藤いづみの声を思い出してくださったらしく、お声がかかったと言うわけ
  なんですけどね。
  最初はすごい怖い人かと思ってたんです。そういうイメージないですか?
  イメージって言うか自分の中で作り上げているもの。ちょっと音程を外しても
  「君!」って言われそうとか(笑)。どうしようって思ってたんですけど、全然
  そういうことがなくて。ホントにもう体育会系の人なんです、熱い人で。
  今でもそうですけど、最初の頃は、気さくな人なんですけど、やっぱり緊張感は
  あって。聴いたり見たりしていた人ですから。何回会っても馴れないんですよ。
  リハーサルが始まった頃、ごはんを食べに行くわけですよ。スタジオの隣の中華に
  いつも食べに行くんですけど、定食食べてるだけで「おぉーっ、小田和正 定食
  たべてるよーっ」って(笑)。なんか作り上げてるんですよ、絶対に「ごはんは
  いただきません」なんて(笑)。みんなが「隣に座れよ」って小田さんの隣に
  座らせてくれるんですよ。「緊張するからいいです」って言って、最初は
  ごはんがノドを通らないんです。小田さんを目の前にして....。そしたら
  小田さんが、忘れもしない、メンチカツみたいのを頼んでたんです。それを
  「食べなさい」ってくれて。私お腹一杯なのに目の前に置かれて、「うわー
  食べらんない、でも食べないと失礼にあたるし」って必死にメンチカツを
  食べたのが一番の想い出ですね(笑)。言わないでね、小田さんには(笑)。

  人のサポートをして、いつもはステージの真ん中にいる訳じゃないですか。
  一つのコンサートの中の歯車としての役割をもらって、そういう立場にいると、
  機械でもそうじゃない? どんな小さなパーツでもないと動かなくなっちゃう。
  だから大きな仕事をしてるとか小さな役割をもってるだか関係ないな、と
  思いましたね。それがないとすべて動かないわけだし、勉強になるなぁと毎日
  感じてます。神さまが、こいつ、勉強しなさいって言うときにちゃんとチャンスを
  与えてくれるんだなぁ。いい経験をさせてもらってます。
  まだまだ続くツアーなんで、そのうち私からも「小田さん、メンチカツどうぞ」
  って言えるように(笑)。
  人と人との出会いって大事だよね。今 出会ってどうのこうのじゃなくて、
  時間が経って、ちゃんと出会える人とは出会えるんだなぁって、改めて感じて
  います。いい機会を与えられていると思うし、小田さんの曲は前にもライブで
  唄ったことがあるんですけど、何曲か小田さんの歌を....言わないでね(笑)
  唄いたいと思います。

10 僕の贈りもの(オフコース)
  上田さんもGtを弾きます。

い>次は小田さんの歌詞の中で一番「唄いたいな」という曲を選びました。

11 言葉にできない(オフコース)
  後奏部分、オフマイクで♪ららら〜 と唄ういづみちゃん。

12 Yes-No(オフコース)

い>どうもありがとう
上>こうして弾いてみたら、ごっつぅダサい曲やな(笑)
い>これはカバーじゃなくて、コピーだからね。歌ってて楽しいね。
  皆さん楽しんでますか? 柱があるからね、柱の向こうが気になります。
  ライブも終わりにさしかかってますから、ここで盛り上がらないとね。

  私、この春、選抜高校野球の番組をやってたんです。毎日甲子園に通って
  夜 番組をやってたんですけど、ただ結果報告をするんじゃなくて、選手
  一人一人にスポットを当てて、その人となりがわかるように作ったビデオが
  すごく良くて、私また来年も絶対にやりたいと思ってるんですけど(笑)
  アピールね。勝手にスケジュール開けて待ってるんです(笑)。
  高校野球ってそれまで全然興味なかったんですけど、見に行くようになると、
  元々プロレス好きですからね、ハマると血が騒いできて、今年の夏も、
  そろそろ始まりますよね。絶対に見に行こうって思って。一番おもしろいのが
  準々決勝だっていうのもわかりましたし、甲子園で応援しようと思ってます。
  で、その「バーニングスタジアム」という番組のエンディングで私の曲が
  流れてたんです。まだリリースになってない新曲なんで、今初めて聴くって
  いう人も多いと思うんですけど、さっそくその曲を聴いてもらおうと思います。

13 LESSON
  イントロや間奏で鉄琴を叩くいづみちゃん。軽快なメロディです。

上>直枝さんの曲。One-Two-Three!

14 君がいた夏の日

い>どうもありがとう。じゃ、今日最後の曲です!

15 Zero
  テンポのよい曲が並んで会場の温度が少し上がったようです。

い>どうもありがとう!

満足そうな笑顔を浮かべてステージを去るいづみちゃん。程なく盛大な
アンコールの拍手が起こります。
あまり間を空けずに再登場。白のノースリーブにGパン姿に着替えています。

い>(再びメンバー紹介の後)
  立っててしんどくない? 私だけ座るのもなんなんだけど、座るとみんなと
  目線が近くなって、ね。今日は自分の居場所を確認したっていうライブでした。
  一年ぶりに東京でライブをやって、「やっぱここだぁ、私の居場所は」って
  感じがしました。なんかホントに「Happy together」? そんな感じがもう
  訊かなくてもわかります。(お誕生日おめでとうの声)ありがとう。
  誕生日ピッタリの日にやるのもね、なんか気をつかわせるんじゃないか(笑)
  え? 気をつかってない? でもなんか嬉しいです。
  ますます若くいられるように、いろんなものを吸収して。そういうものですよね
  狩野さん? カッコイイ大人になっていくためには
狩>永遠の課題ですねぇ
い>みんなカッコイイよね
上>たくさん恋をしましょう
い>やっぱそれかね?(笑)
  さて、ここで、もう一人ゲストが来ています。私にとってこの人は刺激を
  くれる人ですね。上田ケンジ〜
ケ>コンチハ!
い>さっきの高橋研さんに続いて「誰だろ?この人」と思ってる人もいるかも
  しれませんが、その人のために説明しないとね
ケ>そうそう、上田っていうのがこのステージに二人いるからね。(自身を指して)
  上品な方の上田と、(禎さんを指して)下品な方の上田と
い>禎さん、どうよ? そんな言われようで
上>好きだ!(笑)
い>私は上田ケンジさんとはデビューした頃からの友達で、ライブも手伝って
  もらって、ここ最近だした2枚のアルバムをプロデュースしてもらって、
  いつも刺激をもらっている相手ですね。で、なんでここに座ってるかと
  言いますと、この間電話が突然かかってきまして
ケ>ソロアルバムだしたんですよ。で、今日帰りにCD売ってるところに私が
  サインペン持って売りに行きます(笑)
い>これから歌うから、「いいな」と思ったら買ってね
ケ>いやいや....違う。買うんなら唄う(笑)
い>上ケンさんは元々ベーシストですから。いろんな人のプロデュースを
  してますし、超有名な人なんですよ。
ケ>さすがに人前で唄うのは初めてなんで
い>今日初めてなんだって!
ケ>ウェットティッシュか何かあるかな
い>お水飲んで落ち着きなー(笑)。私たちはずっとやってきて暖まってるんだけど。
  緊張するよね。初めて人前で唄うのは
ケ>ウェットティッシュがなんで必要かっていうと、このマイクさっき研さんが
  使ったから
い>なんでそんなこと言うの?!(笑) そんなことばっかり言ってるんですよ、いつも
  で、私に書いてくれた曲もセルフカバーして
ケ>元々自分に書いた曲を唄ってもらってたのを、また自分で唄ってみようかなと
い>とてもいい雰囲気の歌声で....。
ケ>やりますか?
い>じゃ折角なんでね

E1 水時計
  珍しく?Gtを弾く上ケンのボーカルで始まります。まとわりつくような歌い方。
  間奏ではいづみちゃんのピアニカが挟まります。

E2 星合いの空まで
  この曲もいづみちゃんと上ケンのduet風になってます。

ケ>どうもありがとうございました。上田ケンジでした
  (一礼して退く上ケン)

E3 さよならSummer Days
  上田禎さんのシンプルなKey伴奏といづみちゃんの歌声がマッチしています。

い>夏は始まったばっかりなんだけどね。
  一年ぶりのライブ、こうして楽しい時間を過ごすことができて嬉しいです。
  どうもありがとう。また次、会えるときまで、お互いいろんなコトがあるでしょうけど
  少しでも成長して、同じ顔で会えたら嬉しいです。
  最後はやっぱり夏だし楽しい曲で盛り上がりたいと思います。今日は私の仲間が
  いっぱい集まってくれてますのでも一回呼びたいと思います。
  (ビールを持ってやってくる高橋研&上ケン)
上>オッサンら、早いわぁ(笑)
い>「飲まないで」って言ったじゃーん(苦笑)。ま、いっか。夏だし
上>こんな大人になりたくない!
い>でもホント、いい仲間がいっぱいいるなぁと
  (なおも缶ビールを片手にウロウロする高橋研&上ケン)
  (缶を)置いて! どっかに置いて!(研さんから缶を受け取り一口飲むいづみちゃん)
  おいしいよねぇ(笑) じゃ、いきますか!

E4 ひまわり
  研さんのブルースハープがお祭り感を盛り上げます。いづみちゃんはギタレレ。

い>どうもありがとう! またねー。いい夏を!!

ステージ最前列で整列し一礼。手を振りながら退場するいづみちゃん&メンバー。
2時間の楽しい時間はこうして幕を下ろしました。
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