2000.05.24 つじあやの 銀座小劇場

春は遠き夢の果てに

 京都を中心にインディーズで活躍し、昨年メジャーデビューを果たしたつじあやのさん。
東京での初のワンマンライブです。
 銀座の表通りから少し入ったところにある会場前には、思いのほか長い列ができていました。
場内には さほど広くないステージ前からベンチシートが6列、その後ろに傾斜がついて
映画館のような椅子が50脚ほど並べられています。幸い早めの整理番号だったので、
ゆったりと見られる好位置を確保することができました。ベンチシートには前から
順にお客さんを詰め込んでいきます。何かの招待客も結構いたようですが、チケット
購入者を優先し、一旦座った招待客を後から立たせたりしていました。
 椅子には他のライブの案内チラシに混じって、つじさん直筆とおぼしきイラスト入りの
アンケート、そして『たんぽぽ』という曲で口笛を吹こうという企画の案内などが
置かれていました。

 ほぼ一杯になったお客さんが待つ中、予定より約10分遅れてつじさん一人がウクレレを
小脇にステージへ。トレードマークの三つ編みにメガネ姿です。椅子に腰掛けます。

MC>こんばんは、つじあやのです。いきなりなんですが1曲目を聴いてください。

1 時間ドロボウ

MC>私は京都から来たんですけど、初めての東京のワンマンライブ、銀座というすごく
  好きな場所でできて嬉しいです

2 涙 風にたくして

3 酔いしれて
  #「ありがとうございます」とひとこと。短い曲紹介を挟んで続けて唄います。

MC>今日一緒にやっていくサポートメンバーを紹介します。
ギター たなかよしと パーカッション おおいし まりえ

4 クローバー
  サポートが入り、3曲目までのウクレレ弾き語りとはまた違う賑やかさになります。
5 おいたままラブレター

6 太陽に隠れてる
  サポートの楽器やコーラスがなかなか効果的です。

MC>ちょっとチューニングを。....難しいんです(笑)
  #Gt氏が話しかけて場を繋ぎながら「まぁいいかな」と切り上げます。

  皆さん、テレビはご覧になりますか? 見られてる方はご存じかと思いますが、
  私 CMの歌を作ってるんです。どうですかねぇ(笑)。
  #などと話しつつ「とんがらし麺 散歩編」「同 告白編」を披露。客席からの
   やんやの喝采に照れるつじさん。

  次はヨーグルトのCMに使われてる歌を唄います。

7 たんぽぽ

MC>みなさん、「『たましい』を口笛で」のコーナーです。紙をお持ちですか?
  サビのところを一緒に口笛で歌いたいんですけど。
  #まずはつじさんがお手本。簡単に練習してから本番になります。
   割合にシンプルなメロディーなので、繰り返すうちにみな上手に
   吹けるようになりました。

8 たましい
  客席の口笛、本番では練習以上にうまくできました。

MC>お疲れになったことと思います(笑)。次からはゆったりと聴いてください。

9 くもり空

MC>次の曲は3月に出たアルバムのタイトルにもなっている曲です。
  春という季節、私は大切に思っています。と言うのは、春までがすごく長くて
 「早く春がこうへんかなぁ」(京都弁の微妙な言い方を想像してみてください)と
  と思ってるんですけど、いざ4月になってサクラも咲いて「今年もやっとサクラが
  咲いたなぁ」と嬉しいうちにも桜はすぐに散ってしまって、春は知らない間に
  行ってしまうことが多くて....。
  そういう春を思う気持ちは私の歌に出てくる人を思う気持ちに重なっています。
  すごく大切な歌です。聴いてください。

10 春は遠き夢の果てに
  パーカッション嬢、この曲ではマリンバを叩きます。しみじみとした味わいが
  深みを増します。

11 三日月の夜
  春のイメージの歌が続きます。この曲だけはウクレレを膝の上に置き、
  演奏をサポートに委ねます。

MC>私は京都で生まれ育ちました。最近は東京と行ったり来たりしています。
  よく「京都の良さって何かな?」と訊かれますが、改めて自分で考えてみると
  京都に流れている時間の流れ方が自分に合っていると思います。生まれ育ったので
  馴れている、ということもあるかも知れないんですけど、なんかゆっくりとした
  感じです。
  そういう京都の景色が私の歌に出てくるんですが、例えば鴨川の土手に座って
  眺める夕焼けの空。鴨川はいろんな人、カップル・恋人同士とか、犬のお散歩を
  している人とかが憩う場所なんですが、高校生の頃、川のそばの高校に通って
  いたので、よくボーっと眺めていました。私は京都の光景が浮かぶんですけど、
  皆さんは私の唄を聴いて人それぞれの思い出の場所を思い浮かべてほしいなぁと
  思います。

12 あの人は丘の上

13 想い出

MC>ワンマンライブも残りわずかになってきました。

14 さようなら

MC>いよいよ残すところ1曲となりました。とても楽しい時間を過ごすことができました。
  #再度メンバー紹介をして歌い始めます。

15 願い

MC>ありがとうございました。

 #幾度となく礼をして袖へと消えるつじさん。
  客席から盛大な拍手の波。程なくTシャツに着替えてつじさんだけが再登場します。
 ファンの人が作ったウクレレTシャツだそうな。

MC>こんな筈じゃ(笑)
  今回は初ワンマンライブということで、いろんなコトを考えてきて、
  ホントにいいライブができて、皆さんの顔もよく見えて、すごく暖かい
  雰囲気でライブができて、ホントに良かったなーと思ってます。

E-1 恋人どうし

E-2 君への気持ち


MC>今日はどうもありがとうございました。

 全体で1時間25分ほどのステージでした。
 ほんわかとしたミドルテンポのメロディーラインにウクレレの音色がよく似合います。
ちょっぴり固めの声質と『僕』の多い歌詞。中性的なような、そうでないような、
摩訶不思議さも魅力のひとつでしょう。
そうして出来上がった「つじあやの」の世界はなかなか心地よいものでした。
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