2000.03.30 大森洋平,櫛引彩香,牧謙次郎,加藤いづみ,JEHO,いしのだなつよ,谷口崇,坂本サトル 渋谷DeSeO
SONG WRITER'S NITE TOUR
かつてパワーステーションで行われていた "TOKYO ACOUSTIC NITE"の流れを汲むイベント。
会場には小さな椅子が並べられ、その後ろにわずかな立ち見スペースが設けられています。
開場時に待つ人の数はそれほど多くありませんでしたが、あっという間に会場いっぱいの
お客さんとなりました。
各アーティスト間の幕間に他のアーティストがMCで出てくるというスタイル。
最初の挨拶は坂本サトル、加藤いづみ、JEHOのお三方。
○大森洋平
ギター弾き語りで4曲。浜田省吾に似た雰囲気。
○櫛引彩香
GtとKeyのサポート。ピンクのカーディガンとパッチワーク風のロングスカート。
首にピンクのスカーフを巻いています。
会場から「びっき〜」との声にオフマイクで「サンキュ(笑)」と答えて歌い始めます。
MC>今日は最後まで楽しんでいってください
1 雨のち晴れ
ちょっと硬い表情で声の伸びももう一つの立ち上がりでしたが、次第に笑顔に
なってきました。
MC>どうもありがとうございます。今までこのツアーで大阪名古屋仙台札幌とやって
きましたが、やっぱり東京は暖かいですね....ここで「そうですね」と
言って欲しかったんだけどな(笑)。まぁいいです。
4月26日にはアルバムが出ます。その中から1曲聴いてください。
2 待つ心
軽快なポップスです。こういう曲調が櫛引さんにはよく合います。
メンバー紹介を挟んで3/23リリースのシングル曲を披露。
3 空
カントリー風のバラード。
MC>早いもので最後の曲になりました。皆さん手拍子をお願いします。
4 いつもの気分で
手拍子に支えられ(?)、うまくまとまりました。
○牧謙次郎
ギター弾き語りで4曲。昨夏見たときの「絶叫調」という印象は少し改めた方が
よいようです。MCも巧みになり、最後はノーマイクで観客のコーラスを誘います。
櫛引さんといしのだなつよさんがMCに登場。狩野さんのギターがセッティングに
若干手間取って二人は懸命にMCでつなぎます。「いづみ姉さんはとても親切。
鍋で取り分けてくれる」「いい奥さんになるよ」だそうな(笑)
ネタが尽きたのか なっちゃんが ♪すきになってー よかった〜 と唄う一幕も。
ようやく準備が整って、二人に呼び込まれていづみちゃんがステージに登場。
○加藤いづみ
赤いシャツに裾を折り返したGパン、サンダル姿に変身しています。
まずはオフマイクで「こんばんは、加藤いづみです」とご挨拶。狩野さんのギターに
乗せて歌い始めます。
1 ドライヴ
ときおり眼を閉じて感情たっぷりに唄います。間奏ではピアニカも吹きます。
直前のMCでなごんでいた場内の空気がピンと張りつめたように感じられました。
エンディングのスキャットもしみじみといい感じ。
歌い終えてキーボードに移動。指輪を外し、タオルで入念に手を拭きます。
MC>ありがとうございます。きょうは切ない曲ばかり選んできました。
(拍手をした客に)手を叩いた人、何かあったの?(笑)
私はなにか自分の記憶の中に「場所」というものがすごく残っています。
出会いや別れや恋愛でもそう。場所を思い出したり、たまたまその場所に
行ったりすると、その時の細かい会話だとか匂いだとか(を思い出す)。
地理とかの暗記物はすごい苦手なのに、自分の記憶量に驚くくらいに
「場所」はたくさん頭に入っています。詩を書くときも必ず場所を思い
浮かべながら書いているのだけれど、皆さんの中にもあると思いますが
それぞれの大事な場所を思い浮かべながら聴いてください。
2 雨上がりのregret
いづみちゃんのKey弾き語り。1番では狩野さんも眼を閉じて聴き入っていました。
ホッとしたように再び手を拭き指輪をはめ、2つ3つ咳をしたあとステージ
中央に戻ってきます。
MC>(狩野さんを手で指しながら)じゃ、ここで、この人を紹介します。
ギター、狩野良昭さんです。「メンバーを」って言おうと思ったけど
一人だからねぇ(笑)。
私は今大阪で一週間くらい生活しています。毎日甲子園に行っています。
甲子園のダイジェスト番組をやっている。私は野球を全然知らなかった。
アナウンサーの人がやると結果を言うだけのありきたりの放送になって
しまうので、そうじゃなくて野球を知らない「音楽をやっている加藤さんの
思ったままを話してください」って言われて。
正直言ってここまでハマるとは思わなかった。毎日毎日、普段は動かない
感情のひだひだが揺れまくっていて、すごいテンション高い日々を送っている。
ホント、野球っておもしろいね。今までプロレスが一番だと思っていたけど、
野球は2番目くらいに(笑)。
#専門用語もいろいろ覚えたとかで、「ワイルドピッチ」「スクイズ」
「サイクルヒット」などと口にしていました。
私はPASSを着けて、一日中甲子園の中をウロウロしている。試合後の
インタビューをする通路にも入れる。右側が勝ったチーム、左が負けたチーム。
私はずっとそこにいて、なんだか負けたチームの方に行ってしまう。
選手の顔をジッと見ると目が綺麗(といいながら狩野さんの方を見るいづみちゃん。
狩野さんは照れたように視線を逸らします(笑))。なんで、なんであんなに綺麗な
目をしてるの? っていうくらい。目を合わせられない。「ごめん。私はもう、
キミたちとは目を合わす資格がない(笑)」ってくらい、ホントにいい目をしてる。
私、今まで「いつに戻りたい?」って訊かれても戻りたい時ってなかった。
今が一番いいって思ってた。今もそう思ってるんだけど、戻れるなら高校時代に
戻って(狩野さんが「東雲に?」とツッコミを入れます。笑ってかわすいづみちゃん)
共学に行って野球部のマネージャーになります(笑)。
選手の近くにいられて、加藤いづみはロマンスを期待してるわけですよ(笑)。
ちょっと期待してたんですよ。目が合っちゃって、「番組見てね」って
言えるかなって。が、一切口きいちゃダメなんですね、高野連の決まりで、
芸能人とは。「芸能人じゃない」って言ってるんですけどね、ダメなんです。
向こうから話しかけられてもダメなんで、期待してたロマンスはないままで....。
(笑)落ちこんできちゃった。「おまえね、そのために行ってたんか」って(笑)。
ベラベラ喋っちゃってますけど、こんなテンションで毎日います。普段感じない
ところが震えている日々です。今だったらいい歌書けるんじゃないかなって。
今日はいろんな人がでているイベント。以前坂本サトルさんに曲を書いて
もらったことがあります。せっかくだからここで一緒に歌えたらなぁと思います。
紹介しましょう、坂本サトルさん〜(ステージに登場する坂本さん)出番の前に
済みませんね。
坂>よろしくお願いします。いづみちゃん、(持ち)時間過ぎてるよ
い>(間髪入れず)じゃ、いきましょう
坂>ちょ、ちょっと待って(笑) #ギターを慌ててセッティングしています
ボクも高校の時、甲子園に行きまして、応援してきました(笑)。以上。
甲子園、一度行った方がいいよ
い>甲子園カレーとか売ってるんだよ
坂>いいぞー、甲子園はぁ(笑)
い>光栄です、ギターを弾いていただいて。
3 木枯らしを抱きしめて
坂本さんと狩野さんの力強いギターが印象的。
MC>ありがとうございました、坂本サトルさんでした〜
さっきも話しましたけど、私は甲子園で熱い日々を選手と共におくっています。
毎日毎日いろんなことを感じて、今日から2回戦が始まったので、あと一週間
くらいで私の青春も一緒に終わってしまうのじゃないかと(笑)、これは真面目に
話してるんですけど、そう思うくらいに切ないんですよね。
終わったらね、レコーディングします。このまんまの感情を歌にしたくて、
早く唄いたくて。期待していてください。
じゃ、最後に心を込めて、この歌を贈ります。
4 髪を切ってしまおう
さりげなくシンプルなギター伴奏にいづみちゃんの切ないボーカルが
調和しています。最後のサビの部分では心なしか声が震えるいづみちゃん。
MC>どうもありがとうございました。
礼をして舞台を下りるいづみちゃん。約30分ほどのステージでした。
時折咳き込んだり、曲間でゆっくりと給水するなど、喉の調子は絶好調とは
いえなかったようですが、それでも聞き応え十分でした。
○JEHO
ギター+ブルースハープ弾き語りで4曲。見た目と異なり「絶叫調」で、
私の耳にはなじみませんでした。
いづみちゃんと牧謙次郎のMCに導かれて坂本サトルさんが登場しましたが、
何故か当日は出番ではなかったはずの二人がステージに現れます。
○いしのだなつよ&谷口崇
「練習してきたので歌わせてください」と坂本サトルさんに直訴したのだとか。
ユニット名は『はじめてのおつかい』と命名されていました。
1 愛してる愛してた(Dreams Come True)
谷口崇のギター伴奏で歌います。いしのださんの硬い声質にはあまり
馴染まない曲だったのではないでしょうか。本人曰く「普段は緊張しぃじゃ
ないのにぃ」との言葉どおり、かなり苦労して唄っていました。歌い終えて
「もうやだぁ」「ドリカムファンの方すみませんでした」と言い残して去って
いきました。
○坂本サトル
手慣れたギター弾き語りで次の4曲を披露。
Yellow/愛の言葉/バランス/天使たちの歌
ラスト1曲は完全PAなしの生声、生ギターでした。
最後に出演者全員がステージ上に勢揃い。一言ずつ挨拶してイベントの幕を閉じました。
3時間に及ぶ長丁場でしたが、個性派揃いの出演者が幕間にMCで登場するという
趣向もあって飽きさせず、それぞれの持ち味を堪能することができました。
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