99.09.24 岡本真夜 府中の森芸術劇場ドリームホール

Tour '99 魔法のリングにkissをして

京王線東府中駅から徒歩10分ほどの会場。開演予定ギリギリで現地に
到着したのですが、まだ入場待ちの長い行列ができていました。
間に合って一安心。
比較的大きめのホールですが、さすがはツアー初日。いっぱいのお客さん。
1階24列という座席でしたが、ほどよい傾斜がついていて見やすいです。

予定より十数分ほど遅れて、客電が落ちてSEが絞られ、閉じられていた
スクリーンが少し開きます。サクソフォンを吹く人影にスポットライト。
ちょっと怪しげな音程(笑)....もしや?? なんと岡本真夜さんです。
赤のテンガロンハット、赤のレザーのスカート&上着。黒ブーツ姿。
中央にグランドピアノ。それを取り囲むように階段と回廊が設けられています。
サポートはドラム、ベース、ギター、キーボード×2、パーカッション、
コーラス×2という大編成。ギターは見慣れた西川さんではないようです。
ベースはタニムラバンドでお馴染みになった渡辺滋さん。

1 宝物
  テレビの主題歌にもなったお馴染みのナンバーからスタート。
  お客さんは早速総立ちで手拍子。
  ありゃ、またしてもダンサーの登場。でも昨年ツアーのような
  歌への集中を妨げるようなものではありません。
  最後のリフレインの部分はコーラス2人とアカペラで締めます。

2 TOMORROW
  お客さんに合唱を求めますが、今いちノリが良くないのは初日のせいか。

3 FOREVER

MC>こんばんは。岡本真夜です。ありがとう。雨が降っていたので
  どうなることかと思ったけど、もう止んでますか? よかった。
  ツアー初日、初っぱなで歌詞が飛んじゃいました(笑)。ちょっと
  緊張してます。今日はいろんな岡本真夜を楽しんでいってもらえたらと
  思います。笑顔で帰ってもらえると嬉しいです。最後までお付き合い下さい。
  もう少し先の季節の歌ですけど、聴いて下さい。

4 Everlasting
  雪を降らせているようなライティングがとても綺麗です。

歌い終わるとダンサーが登場。すれ違いに退く岡本さん。
いつの間にか回廊の後ろに煉瓦造り風のセットが出現しています。

5 この街は止まらない
  回廊から登場。藤色?のシャツにネクタイ、黒パンツに着替えてます。
  ダンサーと共に歌いますが、終わりの部分でピアノを弾き、腰掛けた
  ままMCになります。

MC>どうもありがとうございます。「激痩せツアー」といった感じです(笑)。
  この歌はどうですか? 今までの詩の世界、言葉遣いとは違うでしょ。
   『甘ったれてるんじゃないよ』とか。普通、詩を書くときは「主人公が
  いくつくらいで」とかあまり決めないんですけど、今回は曲ができた
  段階で、30歳に行かないくらいの女性が浮かんできて、くわえタバコで
  夢を持って東京に来て、色々辛いこと悲しいことも経験してきたけど
  でも今でも夢を忘れない、そんな女性が浮かんできて『酒におぼれて
  ボロボロになっても』なんて詩ができました。イメージがどうかな?
  とも思ったんですけど、自分の中でもメロディーにはまる言葉という
  感覚は譲れないので、今回は冒険といった感じで書いてみました。
  いつも前向きな曲って背中をポンって押す曲を書いてきたんですけど
  「世の中そんなに甘くないよ」という気持ちも胸の一番奥にはあって、
  ちょっとでも前向きに頑張ろうって思ってくれたら嬉しいです。
  次は弾き語りで聴いてください。

6 想い出にできなくて
  声がよく伸びている岡本さん。バラードには弾き語りがよく合います。

MC>11月に発売になるオフコースのトリビュートアルバムに参加しました。
  私は1974年生まれなのでオフコースが大ヒットしていたときには
  リアルタイムには聴いてないんですけど、高校の音楽の授業や
  吹奏楽部で歌ったり演奏したりしました。名曲がたくさんありますね。
  実はこのトリビュートアルバムのジャケットを私が担当させて
  もらうことになりました。写真は趣味でずっとやってて、今まで
  撮り貯めてきた中から何枚か使っていただけるということで、
  楽しみにしていてほしいなと思います。今日はそこで歌った
  『愛を止めないで』をほんのちょこっとだけやろうかなと。
  聴きたいですか?(観客拍手) 特別だよ(笑)

7 愛を止めないで(オフコース)
  1番だけ弾き語りで聴かせてくれました。原曲よりボサノバっぽい感じ。

8 会いたくて
  バンドの演奏により、ピアノの前に腰掛けたまま歌います。

MC>『愛を止めないで』ほんのちょこっとだったでしょ?!(笑) 続きは
  CDでじっくり聴いてね。この間、2日前くらいに変な夢を見て
  部屋の天井に蜂か蟻かどっちか忘れたけど大きな虫がいて、掃除機で
  吸い取って殺虫剤でガーッとやったんです。....話はこれでおしまい、
  おかしいかなと思って話したんですけど、あまりおかしくなかったですね。
  (相変わらず天然ボケぶりを披露してしまう岡本さん) すみませんでした。
  楽しい? ありがとう(笑)
  真面目な話に戻りますけど、最新シングルの『この星空の彼方』、
  いろんな所でお話はしてきたんですけど、今年の2月か3月、
  ファンレターで偶然同じ内容の手紙を2通もらったんです。「彼を病気で
  なくしてしまった」という手紙。彼との想い出などが書いてあって
  私も涙が止まらなくなってしまったんですけど、お二人とも手紙の最後で
  「今は悲しいけど天国で彼が見守ってくれていると思うから前向きに
  頑張りたい」って強い言葉が書いてあって、それに胸を打たれたんです。
  もともと曲はできていて、この手紙を読み終わってすぐに、彼女たちが
  書いてくれた言葉とか自分の気持ちが自然に手を動かしていました。
  詩を乗せる作業というのは書こうとして書いたんじゃなくて、ホント
  自然に言葉が浮かんできたんです。自分の中では彼と出逢えてよかったと
  書いていたし、彼との思いとか時間を形に残してあげたかったし、でも
  その反面、また彼女たちを泣かしてしまうんじゃないかなと自分の中で
  葛藤があったんです。歌を録り終わって彼女たちに連絡を取って、
  カセットを送りました。で、後日電話をしたらすごく喜んでくれて、
  一人は「それまで悲しい想い出しか浮かばなかったんだけど、この曲を
  聴いたら彼との楽しかった時間も思い出しました」って言ってくれました。
  頑張ってほしいなって言う気持ちでいます。人を愛する素晴らしさ、言葉に
  できない悲しみの中で一生懸命前を見て頑張っている彼女たちのことも
  みんなに知って欲しいし、この曲が天国に届いたらいいな、と思います。

9 この星空の彼方
  回廊に上がって歌う岡本さん。幻想的な照明がとても素敵。

10 明日へ
  歌い終えて、再びステージを退きます。

バンド&コーラスによるIntermissionの最中に、再びセットが変わります。

11 海へLet's go!
  回廊の後ろ側から飛び出してくる岡本さん。タンクトップ?にGパン。
  髪を後ろで束ねています。ダンサーとともにステージを左右に動きながら
  歌いますが、ハウリングが起きてしまいます....
  間奏の「タンタンタタタンタタタタッタタン」という手拍子が決まり、嬉しそうな岡本さん。

MC>(曲が終わって妙な間が空きます)ちょっと待ってね。
  今(スニーカーから)サンダルに履き替えてるの。
  さっき上からポーンって飛んだの、見えた? ちゃんと飛べました(笑)
  (5名のダンサーの紹介。今年は南流石さん自身は出てきませんでした)
  「サルげっちゅ」ってみんな知ってます? すごい好きなのね。
  次の曲の中に「ゲッチューしたいのです」って詩が出てくるんだけど、
  CMが流れる前に出来上がっていて、「ゲッチュー」という言葉が
  自分の中で流行っていたの。そしたらCMで流れてきて「あっ、使われ
  ている」ちょっと悔しい思いをしたんですけど、それだけです(笑)。
  一緒に歌って楽しんで下さい。

12 Help me II
  間奏で再びサクソフォンを吹く岡本さん。
  ♪パペポピ神さま〜 のところでは頭の上で可愛らしい手振り。
  ダンサーの踊りがちょっと気になります。

MC>それでは去年ライブに来てくれた人はご存じだと思いますが、
  今の曲の元祖『Help me』を一緒に踊りたいと思います。

そして、客席から6人の女の子が選ばれてステージ上へ。取り乱して
しまう女の子も。「札幌から来た」という人にひときわ大きな拍手。

13 Help me
  かなりのお客さんが踊ってます。でもちょっと難しいかな(苦笑)

MC>楽しんでもらえたようで嬉しいです。
  オープニングからこのサックスを担いで....担いでないな(笑)
  ぶら下げてやってますが、皆さんの前で吹くのは初めてです。
  実は去年のツアーでやろうと思ったんですけどちょっと時間がなくて
  練習できなかったのでやらなかったんです。サックスを買ったのは
  1年半くらい前で、練習したのが2ヶ月前(笑)。
  実は名前が付いていて、「ぬた吉」君といいます。特に意味は
  ないんです。今日のサックスは昨日買い換えました。前のは
  「たぬ吉」君というのですがちょっと調子が悪くなっちゃって、
  急遽「ぬた吉」君と一緒に楽しんでおりますが。何曲か下手ながら
  吹いていますが、次の曲は特に「サックス吹きたいな」と思って
  練習した曲です。聴いて下さい。

14 そんなの嘘
  サクソフォン、まずまずといった感じでしょうか。練習をすると
  もっと上手になることと思います。それにしても、やっぱりダンサーが
  チョロチョロすると歌に集中できません。

MC>どうもありがとう。やー、緊張したよ(笑)。
  今回のニューアルバム「魔法のリングにkissをして」はオリジナルでは
  5枚目になります。今回は自分との闘いになりました。詩が書けないとか
  曲ができないとかとは関係ないところで仕事の悩みがあったり、将来的な
  不安があったりとか。なんか初めて詩を書く気力がなくなってしまって、
  レコーディングを一時中断して一週間家でゴロゴロしながらいろんな事を
  考えたり、友達に話を聞いてもらったりして元気をもらったりとか。
  でもいろんな思いがあったけど、歌うことというのはなくせない思いだと
  改めて自分自身も気づいて、みんなが待っていてくれるとも思うし、
  いい作品を作りたいと思ったので自分を持ち上げて頑張ったんです。
  やはりどこかですごく悩んでる自分がいて、でも歌いたい自分がいて、
  書き終えて光が見えたというか、歌うことの意味の深さを感じられたし、
  歌を仕事として歩いていくことを支えてくれる歌になったと思います。
  『魔法のリングにkissをして』聴いてください。

15 魔法のリングにkissをして
  ステージ上をゆっくりと歩きながら歌います。
  最後のリフレインでは客席も♪ラララ〜Let's sing a songの大合唱。

岡本さんが深々と一礼する中、スクリーンが閉じられます。
ここで既に2時間を経過していますが、盛大なアンコールの拍手が響きます。

程なく閉じられたスクリーンに立ち姿のシルエット。
白いポンチョ?に白スカート、白ブーツと白ずくめの岡本さん。
再び髪をほどいて女性的な雰囲気が強くなりました。

E-1 サヨナラ

MC>アンコールありがとう。今日はここでプレゼントというか、
  未発表曲をやりたいと思います。まだリリースとか全然決まってなくて、
  いつでるのかな? って感じなんですけど、今歌った『サヨナラ』も
  2,3年前のライブで未発表曲として歌って2年後にシングルで
  リリースしましたから(笑)、これも「いつでるのかな?」って。
  これはお誕生日の曲で、18の時に作った曲です。最初曲作りを
  したときに3曲同時進行で出来て、それが『TOMORROW』と『BLUE 
  STAR』というバラードとこの曲で、大好きな曲なんです。

E-2 Happy,Happy Birthday(表記不詳)
   岡本さんのスキャットから始まるメジャーコードのバラード。

MC>どうもありがとう。どうでしたか? いつかリリースしますので
  待っていて下さい。
  今日はホントあっという間で最後の曲なんですが、来年の5月で
  デビューして5年になります。(観客拍手)ありがとう。
  あっという間ですけど、5周年というとすごいですねぇ。
  皆さんに支えられて今もこうしてやっていられるし、みんなが
  それぞれ悩みがあるように私にも悩みがありますが、夢はひとつ
  ひとつかなえていきたいし、これからも応援よろしくお願いします。
  どうもありがとうございました(観客拍手)。
  それではこの曲をプレゼントします。

E-3 ANNIVERSARY
   曲中でメンバー紹介。

盛大な拍手の中、一旦スクリーンが閉じられますが、再度開けられて
バンド&ダンサーが勢揃い。カーテンコールですね。皆で深々と一礼。

MC>ありがとう。後ろの方も、2階の人もありがとう。たのしかったー
  また来てね。ホントに今日はありがとうございました。メンバーにも
  拍手をお願いします。これからも応援よろしくお願いします。
  また来て下さいね。

2時間20分ほどの長丁場でしたが、岡本さんの独特のペースに引き込まれて
いつの間にかそんなに....といった感じでした。
今回ツアーでも登場したダンスチームの功罪は見る人それぞれでしょうね。
全体としては満足度の高いライブでした。

グッズはパンフレット(\3,000)、カレンダー(\1,500)、Tシャツ(\3,000)、
携帯ストラップ(\1,000)などが売れているようでした。

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