99.08.21 Kiroro 逗子マリーナガーデンプール

公園ライブ Vol.1

会場は逗子マリーナガーデンプール。プールの一端にステージを置き、
プールを挟んで客席が設けられています。ライブ開始前には「諸注意」が
放送されるのはいつものことですが、「プールに飛び込んではいけない」
旨の内容が流れたときには会場に笑いが拡がりました。
ステージにはグランドピアノ。他に自転車と花、かざぐるまが飾られて
います。この様子ではバンドは付かないようですね。「Kiroro PARTY」と
書かれたパッチワークふうの旗が潮風になびいています。
青空に刷毛で書いたような雲。爽やかな夏の夕方です。

予定の17時より12分ほど遅れて、Kiroroの2人がステージ上に登場します。
ボーカルの玉城千春さんはピンクの袖無しシャツ、白のロングスカート。
頭にバンダナを巻いています。登場したときには赤白チェック柄の帽子を
被っていましたが、すぐに脱いでピアノの脇に置きます。
ピアノの金城綾乃さんは水色の長袖シャツに白のパンツ姿。

1 ちょきん
2 最後のKISS
  最新シングルとそのc/wからスタート。予想どおり綾乃さんのピアノと
  カラオケの併用です。これまでは歌わなかった綾乃さんがハモリを
  入れています。千春さんの伸びやかな声が青空の下、心地よく響きます。
  1曲歌い終わるたび、千春さんは深々と礼をします。

綾>こんにちは、Kiroroです。元気ですか?(客:イェーイ)
  ありがとうございます
千>すごく気持ちいいですねー
綾>雨でなくて良かったねぇ
千>ねぇ。このコンサートは「雨天決行」ということで、雨が降っていたと
  しても私たちはここで歌わないといけない、そして皆さんは聴かないと
  いけないんですねぇ(笑)。
綾>プールもありますからねぇ。皆さん、どうぞどうぞ
千>なんですか?
綾>暑かったら飛び込んでもいいよ
千>(サラッと流して)昨日は大雨が降ったじゃないですか。だから心配して
  たんですけど、今日は晴れて良かったですね。今までのライブはホールで
  やっていたのでこういう形は初めてなんですね。リハーサルをやって
  いたときは(感覚が)掴めずにいて....
綾>野外は難しいよ
千>え?! どうして??
綾>(空を指さして)音が全部飛んでいっちゃうから
千>(困ったような表情で)そうだねぇ(苦笑)。でも私は逆に気持ちいいよ。
綾>あらそうー。 
#綾乃さんのとぼけた会話(本人は至って真面目なつもりのようです)が
 Kiroroの魅力の一つです。
千>沖縄でインディーズとしてやっていた頃はお祭りに営業にいってました。
  だからこうやって外で歌うことが多くて、デビューしてからホールで
  歌うようになって、こういうのがホントは好きなんですけどホールで
  歌うのに慣れてしまって、久しぶりで掴めなかったんですけどね、
  すごく気持ちよくて、風もいい感じで....
綾>「なぜプール??」って感じ(笑)
千>ていうか、みんながそう思ってるよ(笑)。決めたのは私たちじゃ
  ないですか
綾>何が??
千>プールというか、野外でやることを
綾>はい
千>(絶句)....ありがとう。(客に向かって)ごめんなさいね、いつも
  噛み合わないトークで(笑)。
綾>(意に介さず)みんな元気みたいだからねぇ
千>はい、今日はいつもと違う始まり方でしたが、楽しい曲から
  始まりましたが、皆さんをKiroroの世界に引きずり込んでいこうかと
  思いますので、楽しんでいってください(礼)

3 ランランラン
  千春さんはギターを演奏。2月のライブ時より上達したようです。

4 春の風
  ステージを左右に歩き、嬉しそうに手を振りながら歌う千春さん。

5 3人の写真
  ミディアムテンポの曲が続きます。ピアノの音があまり活きていないのが
  もったいない。

千>ちょっと和んだところで、もう1曲「なごみ」系の曲を用意してきました。
  この前2人で全国を廻ったときにも歌ったんですが、沖縄の民謡を
  持ってきました。『てぃんさぐぬ花』というんですが、これは
  「ほうせんか」でして、昔、お祖母ちゃんが小さな頃は、この花を
  つぶして爪に塗ってたんですね。マニキュアを塗るように、両親や兄弟が
  言った言葉を心に刻んでいきなさいね、という内容の歌です。親孝行の
  歌なんですね。聴いて下さい。

6 てぃんさぐぬ花
  綾乃さんのピアノ伴奏にセミの鳴き声が加わって、気分だけは沖縄へ。
  打ち込みを使わない方がとても自然でいい雰囲気なのになぁ。

千>実は今回このライブでは、特別なことがあります(笑)。
  あーや(綾乃さんの愛称)が、ソロアルバムを出すことになりましたー(拍手)
綾>(本当に申し訳なさそうに)すみません。
千>結構良くてですね、ヤキモチ妬いてしまった(笑)
綾>もうヤバいんですよー(笑)。歌下手だから....
千>噂では、歌入れに1曲1日かかったとか
綾>うわーん、歌っちゃいましたー(照笑)
千>でもいい感じじゃないですか。ここでちょっと皆さんにPRを。
綾>9月22日「昼休み」というタイトルで出ます。
千>どうして「昼休み」なんですか?
綾>昼休みにサラッと流してもらえたらいいなって(笑)。
  じっくり気合を入れて聴かないで下さい(笑)。サラッと....
千>なんでよ、じっくり聴いたら良かったよぉ
綾>えーっ(汗)ヤバイよぉ
千>あたし聴いたんですけどね、跳んでます、ある意味で(笑)。
  いろんなジャンルの曲があって、すごくいい感じ。
綾>7曲入りです。
千>どうでした? レコーディングは
綾>ハーイ、大変でした、特に歌入れは。わがまましてしまいました。
  わたし音痴なんですよね。で、スタジオ変わったら上手くなるかと
  思って変わったりしたんですけど
千>どうでした?
綾>あんま変わらなかった(苦笑)
千>そうだよねぇ、私あーやのレコーディング見に行ったけど、高い
  マイク使ってたねぇ。私は一番安いマイクを使ってるのに
綾>それは上手いからなんだよ、きっと。マイクの力を借りなくても
千>そうなんですかねぇ
綾>とにかく緊張してるんですよ、今日は。めちゃくちゃ緊張して
  (頭の上の方を指さして)ここら辺まで行っちゃってるんです。
  今日は野外だから空までは届かないけど....
千>(一瞬呆気にとられて)....皆さん、ついてきてますか?(笑)
  ついてきてくださいねー。あーや、相変わらず(の「おとぼけ」)
  でしょう? でもね、レコーディングとかやって、自分で曲を
  書いたりしているうちに、言うことがマトモになってきました
綾>それ、どういうことー?
千>今まではマトモでなかったから(笑) 今もマトモでないけど...
綾>ほら、こんなに集まってくれたんだよ、ファン達が
千>それとこれとあなたのレコーディングは関係ないよ(苦笑)
綾>みんな友達だよー(笑)
千>それはそうさー。そうだけど....
綾>なによー
千>(話の収拾がつかなくなって)もう話やめよう。あーやの緊張を
  ほぐそうと思って長く話してるのにー(苦笑)
綾>もっと話そう(笑)
千>何の話をするの?
綾>....そうそう、レコーディングの時にいいヤツに出逢ったの
千>何?
綾>台車。荷物を運ぶヤツ。それに乗っていつもレコーディングして
  いたんですけど、スタッフに頼んでジャケット(の写真)に載りました
千>すごい可愛いんだよね。いい味だしてる
綾>(ちょっと早口になった千春さんを見つめて)勢いがいいねぇ
千>....一緒に走っていかないとねぇ(苦笑)
  はい、じゃ、きっとみんな あーやの歌が待ち遠しいと思いますので
綾>ああっ、やばいよぉ(笑)
千>今日は7曲あるうち楽しい曲を用意してきました。準備しましょう。
  練習してきました。リハーサル期間は全部この2曲に費やしてきました(笑)
  頑張ってね、あーや
綾>ヤバっ

#微妙にずれている2人の会話が何とも面白いです。文字にしてしまうと
 現場の空気感が上手く伝わらず残念です。

7 本当は何になりたいんだろう
  千春さんがピアノを弾きます。綾乃さんはギターを弾きながら。
  確かに上手とは言えない綾乃さんの歌ですが、詞の内容などは
  面白いかも。お客さんは手拍子で支えます。最後の簡単なリフレインの
  部分では綾乃さんから「みんなも歌ってー」と催促されました

8 HAPPY HAPPY DAY
  千春さんはコンガを叩きます。ノリの良いサンバ風の曲調で、
  手拍子やら手を振ったりして盛り上がる客席。

綾>すみません、どうもありがとうございましたぁ
千>どうでした?
綾>もう(喉が)カラカラですよぉ
千>皆さん、あーやのアルバムをよろしくお願いします
綾>うおーっ、緊張した。ありがとうございました
千>この2曲は7曲の中から楽しい曲を選んできたんですが、他には
  もしかしてラブソングなんかも入っているかも(笑)
綾>かも、だけど、あるかも知れない(笑)
千>ので、良かったら買ってあげてください。

#夕日がとても綺麗な海辺。潮風に吹かれていい気分です。

千>今日はこういう素敵なシチュエーションなので、ちょっとラブソング
  なんかも聴きたいんじゃないかと思います(笑)。
  今から歌う曲はCDになってない曲ですが、ライブでは恒例となって
  いて、聴いた方もいるんじゃないかと思います。『フォトグラフ』と
  いう曲は、東京に出てきてから、いろんな仕事が忙しくて煮詰まった
  時に作ったんですけど、皆さんもいろいろ想像しながら聴いて下さい。

9 すきなひと(表記不明)
  この曲から綾乃さんのピアノ伴奏だけになります。
  ゆったりとしたバラードで、心地よくなってきます。
  歌い終えて、綾乃さんと何やら言葉を交わす千春さん。

千>すごくいい気持ちなので、もう1曲ラブソングを歌わせてください。

#そばにいたビデオスタッフの持っていたセットリストには書かれて
 いない予定外の1曲を追加。2人はその打ち合わせをしたようです。

10 あいたい(表記不明)

11 フォトグラフ

12 白い靴下
  この曲は再びカラオケを併用。テンポのよい曲調に変わり
  お客さんも手拍子。途中で歌詞を飛ばしてしまい「おやおや」と
  おどけた表情の千春さんに、綾乃さんはニッコリ笑って頷きます。

千>皆さん、今日はどうもありがとうございました。早いですねぇ。
  私たちKiroro、少しずつ新しいことに挑戦していきますので、
  これからも応援どうぞよろしくお願いします(礼)

13 僕らはヒーロー
  綾乃さんのピアノ伴奏のみ。音色が少ない方が、Kiroroの良さを
  より強く伝えてくれるように思えます。

14 未来へ
  この曲もピアノ伴奏だけ。綾乃さんがスキャットでコーラスを
  していました。

千・綾>ありがとうございました。

この時点でまだ1時間10分ほどしか経っていません。アンコールの大きな
拍手が起こります。夕焼けがとても綺麗。潮風がちょっと冷たくなって
来た頃、2人が再度ステージ上へ。千春さんはピンク、綾乃さんは白の
Tシャツに着替えてます。

綾>ありがとうございまーす
千>ありがとうございます。気持ちがいいですねぇ。
  今日は1日目だったので緊張してたんですけど、皆さんありがとう
  ございました
綾>ありがとうございました
千>晴れて良かったねぇ
綾>うん、ありがと。
千>(綾乃さんの反応に苦笑しつつ)私たちが着ているTシャツ、
綾>ニューバージョンです(2人が歌っているイラストでした)。
  ....んー、アンコールの時間ですぅ
千>(お客さんの『長い間』の声に)そうですよねぇ。まだ歌って
  なかったですね。折角のアンコールだから、話でもしましょうか。
  最近、あーやは何にもなかったの?
綾>台車に乗ってる(笑)
  台車もらったんですよ、撮影の後。みんな「いらない」って言うから
  黄色い自転車の下に置いたんです。これがでかいんだわなー(笑)。
  マンションのロビーで乗ってるんです
千>乗ってるの?!(笑) 私はあーやがレコーディングとか撮影している間
  オフでした。淋しかったですよー(笑)。みんな同じスタッフがあーやの
  レコーディングに行ってるから、マネージャーもいない。「じゃ、
  千春ちゃんオフねー」って言われて「やったぁ!」と思ったンだけど、
  何をしたらいいかわからない(苦笑)
綾>それで何をしたの?
千>一人旅に出ました。鹿児島とか、宮崎、福岡、広島....
綾>国内ですねぇ(笑)
千>そう、国外じゃないんですよ。だって、外国って恐いじゃないですか
綾>なんで? 恐くないよねぇ
千>一人旅、できる??
綾>できるよー。パスポート持っていけばいいんだよねー(笑)
千>(苦笑)海外旅行って事前にキチンと計画して行くものだと思ってるから
綾>向こうに着いてから計画すればいいんじゃない? 飛行機の中って
  長いから
千>どこに行くって言うのはいつ決めるの??
綾>んー、空港で乗る前に
千>え? 外国だよ?
綾>そうだよ
千>国内ならやったことあるけど
綾>何だっけ、関税? 税関か、引っかかっちゃいけないんだよ(笑)
千>ハイ、引っかかっちゃいけませんねぇ。と、意味のない会話を
  したところで(無理にまとめる千春さん)それじゃ長話もなんなので
  歌に行きましょうか。
  それでは私たちのデビューシングルです。この曲でたくさんの
  人と出会うことができました。去年1年間忙しかったんですけど、
  私たちにとっては宝物です。そして、今日ここに来てくださってる
  皆さんも、この曲で出逢えた友達です。だからこれからもこの曲を
  大切にしていって、友達も大切にして、成長していきたいと思います
  ので、皆さん応援よろしくお願いします。
  それではいろいろな気持ちを込めて『長い間』聴いて下さい

E1 長い間
  この曲も綾乃さんのシンプルなピアノ伴奏がよく合います。

千>もう一回あの曲を歌いたいと思います。
  今日は本当にどうもありがとうございました。こういう場所で歌うのは
  初めてだったんですけど、これからもいろんな事にチャレンジして
  いろんな面を見せていきたいと思いますので、皆さんついてきてね。
  置いていかれないようにしてね(笑)。あーやもCDを出しますので
  買ってあげてくださいね。そしてKiroroも忘れないでくださいね。

E2 ちょきん

千>どうもありがとうー。みんなも一緒に歌いましょう!

E3 最後のKISS
  お客さんの歌声も良く出てます。「いい感じ!」と上機嫌の千春さん。

千>ありがとうございましたー
綾>またねー!

二人して深々と一礼。日が沈み、薄暗くなった空をちょっと見上げて
去っていきました。

千春さんの歌、綾乃さんのピアノは安定していて、聴いていて心地よく
なります。お喋りもたっぷり聴けて、満足度の高いライブでした。

1999年Indexへ
Topへ
著作権情報 : SAKAGUCHI toshihiko toshicha@anet.ne.jp