99.04.05 加藤いづみ HMV仙台一番町店

Date-FM 「Magical Power Station」

本日の放送はHMV仙台一番町店から生放送。開始15分前には僅か数人しか
いなかった観客が、開始直前にはかなり膨れ上がります。殆どの人が
フロアに座り、のんびりムードで番組開始を待ちます。
18時から20時までの番組ですが、いづみちゃんの出番は18時半から。
黒のトレーナーに白のロングスカート。折り返した袖口も白で、シックに
まとめてます。髪の毛がかなり伸びてますね。組橋さんは白のカットソーで
いづみちゃんと好対照。こちらも伸びた髪を後ろで無造作にまとめてます。
CMの合間にしずしずとステージ上へ歩むいづみちゃん。小さな女の子が
手紙を差し出して、それを嬉しそうに受け取ります。昨年の日産プリンス
長町営業所でのライブの際にも見かけた親子連れです。

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こんばんはー、加藤いづみです。こそこそこそっと登場したから、みんな
「えっ、この人が『加藤いづみ』?」って思ってるかもしれませんね。
集まってくれて嬉しいです。
仙台で歌うのも久しぶりで、前回もここHMVなんですよ。今日は
スペシャルで呼んでいただいて、なんか縁があるなぁって思ってます。

じゃ早速紹介します。私の隣にいるのは狩野さんです。今日狩野さんは
歯が痛いらしいので、優しい目で見守ってあげてください。さっきから
歯医者の話ばっかりで盛り上がってしまったんです(笑)

短い時間ですが楽しんでいってください。去年出したシングル曲です。

1 切なく青い空のページ
  ゆったりとしたアレンジで、いい感じで声が伸びるいづみちゃん。
  対照的に狩野さんのギターはストロークになると暴れ気味です。

新しいアルバムが発売になりました。「spring-a-ring-a-ring」という
タイトルです。「spring」という言葉をどうしても使いたくて。
季節の春という意味もあるんですけど、わき出てくる泉という意味も
あって、私の名前も「いづみ」ですし、ホントに今回のレコーディングは
全然苦労をしませんでした。自然にわき出てきたものをそのまま詰め込ん
だので、一瞬バラバラの曲が入っているんですけど、でも続けて聞いて
もらうと一枚のアルバムになっているんです。
自分で書いた詞も本当に自由に書いていて、家でかしこまって書くんじゃ
なくて、自転車に乗って家の近所をプラプラ走っている時に、普段は
通らない道を通ったら、着いてしまってビックリの「ここ知ってる」って
公園で。本当はそこ、あまり行きたくない公園だったりしたんですけども、
自分が好きだった人とよく行ってた所で、なるべく通らないようにして
いた道だったんですけど、自転車をプラプラこいでいるうちにそこに着いて
しまって、今まで「行きたくない」と思っていた場所だったのにふとそこに
何年ぶりかでその公園に出た時に、痛みが全然なくて、「あ、この気持ちを
詞にしよう」と思って、ものすごい勢いで家に帰ってガーっと書いた曲が
『雨上がりのregret』という曲です。アルバムでは私がドラムを叩いて
いたりして(笑)、また違った楽しみ方をしていただきたいと思いますが、
今日は狩野さんのギターでその歌を歌いたいと思います。

2 雨上がりのregret
  間奏でいづみちゃんのピアニカが挟まります。狩野さんのギターも
  しっとりと落ち着いた感じ。
  歌い終えて、ため息を一つつくいづみちゃん。

この曲は自分の中でも思い入れのある曲なので、ライブでも歌いたいような、
歌いたくないような曲だったりするんですが(笑)。
歌の中でも「思い出は痛みに変わっていく」という話をしたんですが、
私は昨日の日曜日、初めてフリーマーケットというのを体験しまして、
買いに行ったんではなくて(店を)出したんです。で、思い出の品を
一杯売り払ってしまいました(笑)。昔もらって「もういいや、この思い出は
自分の胸の中だけで」と思って売ってしまったネックレスとか(笑)嘘です。
前からすごく興味があって、自分の家に要らないものが沢山あって、
捨てたりするならリサイクルショップに持っていこうと思っていたので、
フリーマーケットを体験したんですが、あんまり若者の集まる所じゃ
なくて(笑)、おじちゃんおばちゃんが集まるところだったんで、意外と
子供連れが多くて。Tシャツとかも只同然でいいやと思って 100円とか
10円とか値段を付けたんですけど、100円玉持って悩みに来るんですよ。
小学生くらいの女の子が「このTシャツ可愛いですよね」って見てて、
可愛いから「もう持ってきな!」って感じでほとんど子供達にはあげて、
なんか楽しかったですよ。小学生の女の子がpinguの置物を欲しくて
ずっと見てるの。「あの、これいくらですか?」って訊かれて、
「えっと、100円なんですけど、いいや、1円で」って言うと「あ、
1円ですか」って千円札出されたりして、「お金いらないから
持ってきなさい」なんて言ったりして、あんまり知り合えない可愛い
お友達ができました。
「思い出の品を売る」というと切ない気もしますけど、自分の心の中に
残ってるからいいやって。、家の中もそれなりに片づくし(笑)、
やってみてください。

最後にもう1曲聞いて下さい。この曲にちなんで私は出前ライブと
いうのをやりまして、愛媛の母校で校長先生が後ろにいるところで
歌ったという、とてもいい経験をした曲です(笑)。

3 元気でね バイバイ
  1曲目同様ハンドマイクで歌います。ちょっと高音がきつそう。

どうもありがとうございました。

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ここで番組のDJささき恵一氏が入ってきます。

さ「久しぶりに見ると、すごくリラックスしてるねぇ」
い「緊張しましたよー。明るくて顔が見えるじゃないですか」
さ「近いしねぇ」
い「そうそう。通常のライブとは気持ちも違うし、話したいなと思うことも
  違うし、久しぶりにいい緊張感が。やっと落ち着いてきたかな(笑)。
  も一回やろうかな(笑)」
い「今日演る曲も狩野さんと二人だったんでしっとりとした雰囲気の曲を
  選んだんですが、7月に東京でやるライブは今までとはまるっきり違う
  世界になります。バイオリンの中西俊博さんプロデュースなんです」
さ「今回のアルバムを聴いているとリラックスさせられて素直に聴けるね」
い「さっきも言ったけど、頭で考えるんじゃなくて、思ったままにできて
  それをやらせてくれた周りの人もすごいなって。やっとここまで
  来れたなって。次は悩むかもしれないですけど、すごい満足してます」
さ「周り固める人もすごいしね」
い「ホントに、恐ろしいミュージシャンです....あ、間違えた(笑)、
  素晴らしいミュージシャンです」
さ「それを向こうに回して、全部加藤いづみのパワーにしてるものねぇ」
い「『あたしのアルバムで遊んでください。加藤いづみに合わせて抑えたり
  しないで』って感じだったんで、音の中でもガンガンぶつかってます。
  歌が好きという人ばかりじゃなくて、楽器をやっていて音の方にも
  興味があるって人にも聴いてもらいたいアルバムです」
さ「変わったねぇ、久しぶりに会うと」
い「変わりましたか?」
さ「前の華奢なイメージが、『オンナ』に変わってきた」
い「それ、いいことじゃないですか」
さ「いくつになっても少女、というイメージがあったからね」
い「それもなくしたくないですけど」
さ「悪い意味じゃないよ、老けたとか(笑)」
い「このアルバムでは、加藤いづみの個性がちゃんと出せました。
  ジャケットもそうだし、歌の世界でも。たくさんの音が溢れて
  いる中で、加藤いづみの音楽は『癒せる』ものでありたい。
  いろんなの聴いていろんなライブに行くけど、ちょっと心が痛いな
  とか、なんか物足りないと言うときに聴きたいなと思ってくれる
  音楽でありたいと最近思います」
さ「癒し系に入って行くんだねぇ」
い「私も自分の好きな音楽はそういうものかなって思います。
  自分が満たされてないとダメだし、痛みも知らないとダメだけど、
  そういう時って優しくできなかったりするじゃないですか。やっぱり
  自分が癒されてないと」
さ「今日は素敵なライブ、ありがとう」
い「ありがとうございました」


という感じで、いづみちゃんの出番は正味30分でした。

曲にまつわる思い出とともに聴いた『雨上がりのregret』がとてもいい感じ。
いづみちゃんの目にはどんな景色が映っていたのでしょうね。

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