98.11.01 小谷美紗子 赤坂BLITZ

migaru

とにかく良い音で聴かせてくれたことのない会場だったので、正直言って
「場所、間違えたんじゃない?!」と思いましたが、本人のピアノ弾き語り
だけなら音が混じることもありませんでした。前から5列目、左端だったので
バランスなどは全然分からなかったのですが。

広いステージ上にグランドピアノがぽつんと置いてあるだけ。
全編を弾き語りで歌い通しました。
曲目は次のとおり。

1 火の川(新曲)
2 Gnu
3 こんな風にして終わるもの
4 Care me more, Care me
5 STAY
6 母の日(新曲)
7 自分
8 真
9 あの夏の日
10 stone
11 わたしを返して(新曲)
12 見せかけ社会

E1 嘆きの雪
E2 生けどりの花(新曲)

彼女の唄、私流に分類すると
 1 失恋 2 自己批判 3 社会の不正義への怒り
という3つに区分できると思います。今回のライブでは、2と3が
多いように感じられました。というか、前回ライブで「1が多いなぁ」と
思っていたので、相対的なものなのかも知れません。いずれにせよ、
彼女の唄を「詞」にポイントをおいて聴こうとするとすっごく疲れるので、
今回はピアノと歌声を拝聴する(まぁそれもアーティストに対して失礼の
ような気もしますが)ことにしておりました。

ピアノは見事ですね。フルバンドのライブにひけを取らない豊かな伴奏。
12月に予定されているライブでは、バイオリンなど弦楽をサポートに
入れる予定とのことですが、ピアノ1本で十分に思えます。
歌唱も水準以上。声質的には特筆すべきものはないですが。

彼女の詞が描く世界は、全体的に「冬」を感じさせます。
周りを見回した印象では、1人あるいは同性の友達と見に来ているお客さんが
多いように感じられましたが、確かに男女カップルで重たーい歌を聴きに来て
そのあと盛り上がれるかどうか(汗)。

ライブの時間が約1時間半。「長けりゃいい」というものでもありませんが、
ちょっと物足りなさを感じます。
skyperfecTVの生中継ということでしたが、お喋りは殆どなし。
ポツポツと思いついたように話していました。
TVが入ったが故のお喋りといえば、「私はいつもピアノのすぐ前に
歌を伝えたい人がいるつもりで歌うのだけれど、今そこにはカメラマンが
いる(ので集中できない)。私の視界から消えて下さい(笑)」と言った
くらいでしょうか。ほかに、印象に残っていることといえば、一番最初の
MCの際、会場の右半分に愛想を振りまいてました(弾き語りでピアノに
座りっぱなしの為、左側に座った人は彼女の背中ばかりを見てるし、右側の
人はピアノが陰になって表情が見えない)。
お喋りになると、急に子供のように舌足らずな発音になってしまうのが
なんとも不思議。

「んー、小谷、やるなぁ」と確認しにいったようなライブでした。
先にも書きましたとおり、12月には東名阪で構成の違う形でライブを
行うようです。ますますクラシックの雰囲気が強くなるのかな。

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