97.03.29 中島みゆき 名古屋センチュリーホール

パラダイス・カフェ

さすが、20年余のキャリアは伊達じゃない。ライブ全編を通じて流れる緊張感、
しかしそれは決して堅苦しいものではない。プロのシンガーとしてその実力を
余すところなく発揮するために、バンドメンバーの、スタッフの、そして彼女
自身のプライドが醸し出す雰囲気とでも言いましょうか。

そしてライブの構成。ツアータイトルにもなっている新譜からばかりでなく、
懐かしい曲や、通常のライブでは演じない曲までもいくつも散りばめて、
グイグイ観衆を引っ張っていく。勿論定評あるMCも存分に。
本編15曲+アンコール2曲、あっと言う間の2時間でした。

 目を開けて最初に君を見たい/旅人のうた/激情/化粧/野ウサギのように/
 それ以上言わないで/市場は眠らない/泣かないでアマテラス/なつかない猫/
 永遠の嘘をついてくれ/それは愛ではない/土用波/かもめの歌/十二月/
 阿檀の木の下で
 (アンコール)たかが愛/パラダイス・カフェ

個人的には「化粧」を聴けてよかったな。78年リリースのアルバムに
収録されている曲だから、リアルタイムでは聴いていないはず。その後
ANNで耳にして、すごい衝撃を受けたのだと思う。この歌に関しては
学生時代のちょっとした切ない思い出がぶら下がっているので、実は
ひとりウルウルしていたのでした。

他にも「それ以上言わないで」('85)とか「土用波」「野ウサギのように」
('88)など、すっかりフォローを怠っていた「元」ファンにもついていける
配慮が嬉しかったなぁ。
そして、会場を出る観衆の、満足しきった笑顔。興奮覚めやらぬ面持ちでライブの
感想を話し合う人々。「暫くは、他のライブに行かれないねぇ(行くときっと
比べてしまう)」というのが感想でした。

ギター×2、ベース、キーボード×2、ドラムス×2、パーカッション、
そしてコーラス×3と、大変分厚いバックに支えられてのライブでしたが、
ギターのうち一人はお馴染み古川望さんでした。

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