酒類の保全及び酒類業組合等に関する法律(抜粋)

第86条の6 (酒類の表示の基準)
 大蔵大臣は、前条に規定するもののほか、酒類の取引の円滑な運行及び消費者の利益に資するため酒類の製法、品質その他の政令で定める事項の表示につき、酒類製造業者又は酒類販売業者が遵守すべき必要な基準を定めることができる。
2 大蔵大臣は、前項の規定により酒類の表示の基準を定めたときは、遅滞なく、これを告示しなければならない。
(以下略)


清酒の製法品質表示基準(抜粋)

(平成元年11月22日 国税庁告示第8号、平成9年2月26日改正)

  1.  次の表の左欄に掲げる清酒の特定名称は、当該清酒がそれぞれ同表の右欄に掲げる製法品質の要件に該当するものであるとき、当該清酒の容器又は包装に表示できるものとする。
    特定名称 製 法 品 質 の 要 件
    吟 醸 酒  精米歩合60%以下の白米、米こうじ及び水、又はこれらと醸造アルコールを原料とし、吟味して製造した清酒で、固有の香味及び色沢が良好なもの
    純 米 酒  精米歩合70%以下の白米、米こうじ及び水を原料として製造した清酒で、香味及び色沢が良好なもの
    本醸造酒  精米歩合70%以下の白米、米こうじ、醸造アルコール及び水を原料として製造した清酒で、香味及び色沢が良好なもの
    本表の適用に関する通則
    (1)精米歩合とは、白米(玄米からぬか、胚芽等の表層部を取り去った状態の米をいい、米こうじの製造に使用する白米を含む。以下同じ。)のその玄米に対する重量の割合をいうものとする。
    (2)白米とは、農産物検査法により、3等以上に格付けされた玄米又はこれに相当する玄米を精米したものをいうものとする。
    (3)醸造アルコールとは、でんぷん質物又は含糖質物を原料として発酵させて蒸留したアルコールをいうものとする。
    (4)醸造アルコールを原料の一部としたものについては、当該アルコールの重量(アルコール分95度換算の重量による。)が、白米の重量の10%を超えないものに限るものとする。
    (5)精米歩合及び醸造アルコールの白米に対する割合が基準に適合しているかどうかは、1%未満の端数を切り捨てた数値により判定するものとする。
    (6)特定名称の清酒は、酒税法第43条第2項の規定を受けたものを除くものとする。
    (7)香味及び色沢が良好なものとは、異味異臭がなく清酒固有の香味及び色沢を有するものをいうものとする。

  2.  前項に掲げる特定名称の清酒の表示は当該特定名称によることとし、これと類似する用語又は特定名称に併せて「極上」、「優良」、「高級」等の品質が優れている印象を与える用語は用いないものとする。ただし、次の各号に掲げる場合については、それぞれ当該各号に掲げるところによることとして差し支えない。
    (1)吟醸酒のうち、米、米こうじ及び水のみを原料として製造したものに「純米」の用語を併せて用いること。
    (2)吟醸酒のうち、精米割合50%以下の白米を原料として製造し、固有の香味及び色沢が特に良好なものに「大吟醸酒」の名称を用いること。
    (3)純米酒又は本醸造酒のうち、香味及び色沢が特に良好であり、かつ、その旨を使用原材料、製造方法その他の客観的事項をもって当該清酒の容器又は包装に説明表示するもの(精米歩合をもって説明表示する場合は、精米割合が60%以下の場合に限る。)に「特別純米酒」又は「特別本醸造酒」の名称を用いること。
  3.  略
  4.  略
  5.  次の各号に掲げる事項を清酒の容器又は包装に表示する場合は、それぞれ当該各号に掲げるところにより行うものとする。
    (1)原料米の品種名 略
    (2)清酒の産地名
     清酒の産地名は、当該清酒の全部が当該産地で醸造(加水調整をする行為を含む。)されたものである場合に表示できるものとする。
    (3)貯蔵年数 略
    (4)原酒
     原酒の用語は、製成後、加水調整(アルコール分1%未満の範囲内の加水調整を除く。)をしない清酒である場合に表示できるものとする。
    (5)生酒
     生酒の用語は、製成後、一切加熱処理をしない清酒である場合に表示できるものとする。
    (6)生貯蔵酒
     生貯蔵酒の用語は、 製成後、加熱処理をしないで貯蔵し、製造場から移出する際に加熱処理した清酒である場合に表示できるものとする。
    (7)生一本
     生一本の用語は、単一の製造場のみで醸造した純米酒である場合に表示できるものとする。
    (8)樽酒
     樽酒の用語は、木製の樽で貯蔵し、木香のついた清酒(びんその他の容器に詰め替えたものを含む。)である場合に表示できるものとする。
    (9)「極上」、「優良」、「高級」等品質が優れている印象を与える用語
    「極上」、「優良」、「高級」等品質が優れている印象を与える用語は、同一の種別又は銘柄の清酒が複数ある場合において、香味及び色沢が特に良好であり、かつ、その旨を使用原材料、製造方法その他の客観的事項をもって説明できる清酒である場合に表示できるものとする。なお、「特別」の用語は、「特別純米酒」及び「特別本醸造酒」に限定して使用することができるものとする。
    (10)受賞の記述
     受賞の記述は、公的機関(品質審査の実施方法が公開され、当該品質審査を毎年又は一定期間ごとに継続して実施することとしている機関に限る。)に付与された賞である場合に、当該受賞した清酒と同一の貯蔵容器に収容されていた清酒について表示できるものとし、表示に当たっては、授賞機関及び授賞年を併せて表示するものとする。
  6.  次の各号に掲げる事項は、これを清酒の容器又は包装に表示してはならないものとする。
    (1)清酒の製法、品質等が業界において「最高」、「第一」、「代表」等最上級を意味する用語
    (2)官公庁御用達又はこれに類似する用語