狭い我が家ながら、水槽を置くスペースぐらいはある。ここには十数年長生きしていた金魚(愛称「金魚さん」)が住んでいたのだが、5月に悲しいかな大往生を遂げた。この金魚さん、最初はナマズのエサ用にと買われて来たのだがしぶとく生き残り、そのナマズが水槽から飛び出して死んでしまってからは王様として君臨し、最初は小指くらいだったのが体長10センチを超える大物に育った。よくいる和金なのだが、横っ腹の片面にはハートマーク、もう片側には四国のような模様があり、とても目立っていた。末年には腰が曲がってしまい、泳ぐのもしんどそうだったけれど、毎朝懸命にエサをねだる姿はとても愛らしいものだった。
彼(彼女?)がいなくなって暫くして家人が2匹の金魚を買ってきたが、水があわなかったのかすぐに死んでしまった。でも、空っぽの水槽はやっぱり寂しい。めげずに今度は3匹一度に買ってきた。今度も和金。残念ながら真っ赤な単色で、体長がそれぞれ3センチ、4センチ、5センチ。せっかくだから名前を付けようということになり、家人が考えたのは「大ちゃん」「中ちゃん」「小ちゃん」....見たまんまであった(苦笑)。しかし、これといってパッとした名前も思い付かなかったことから、いつしかこの名前が定着してしまった。
この3匹、やはり性格がいろいろである。ゆったりと構えているが譲らない大ちゃん、すばしっこく動き回り落ち着かない小ちゃん。のんびりしているように見えて抜け目のない中ちゃん。毎朝エサを巡ってちょっとしたドラマが展開されている。
また、彼らはしょっちゅうお腹をすかせているようで、私が餌を与えた直後にもかかわらず、家人が水槽に近づくと水面に浮かび上がって口をパクパク。「ごはんごはんごはんー」と大騒ぎになる。「すごい食欲だよ」「あれ、5分くらい前にあげたばかりだよ」「あら、私もあげたのに....」彼らが太りすぎにならないよう祈るばかりである。
ま、いつもあれだけ大騒ぎしていれば、適度な運動にもなっているのだろうけど。(1999/10/04)
秋を過ぎて冬を迎えても、彼らの旺盛なる食欲は留まるところを知らないようで、人の顔を見ると「ごはんごはんごはん」と催促してくる。体長もそれぞれ10センチ、8センチ、6センチほどに成長し、これまでの水槽ではやや狭さも感じるほどになってきた。住宅難は金魚の世界でも一緒なのかもしれない。(1999/12/31)
↓相変わらずエサ探しに忙しい三兄弟。左から小ちゃん、中ちゃん、大ちゃん