競馬場が呼んでいる

走る馬

 公営ギャンブル数々あれど、中でも一番大衆化しているのが競馬だろう。特に中央競馬においては積極的なCMの効果で大幅なイメージアップが図られ、週末の競馬場は家族連れや若い人たちで大変賑わっている。緑に包まれて広々とした競馬場は、日頃狭い場所に閉じこめられて仕事をしている身からすると とても開放感がある。

 競馬の楽しみ方にもいろいろあるが、私の場合残念ながら馬券の方はあまり上手ではない(苦笑)。そんなわけで、私はもっぱら馬を見ることに主眼をおいている。細い細い4本の足で、500キロほどの体重を支え、それどころか時速60キロものスピードで疾走していく。たてがみと長い尻尾をなびかせて、地響きを立てて駆け抜けていくその姿は繊細さと力強さを兼ね備えていて、ある種の芸術作品の趣さえある。

 パドック(下見所)では自信なさそうにしていたくせにあっさりと勝って「どんなもんだい」と言わんばかりに得意げに表彰を受けたり、牝馬のお尻を追っかけてだらだらになってしまったり、ゲート入りを嫌がっていて真っ先にゲートを飛び出しそのまま逃げ切ってしまったり、馬にもそれぞれ多彩な個性と表情がある。いつも一生懸命走るのだけれど結果が伴わないヤツ。時々爆走して大穴をあける気まぐれなヤツ。着実に好走して人気に応える優等生タイプ。身の回りにもそんな人はいるように思えるからおかしなものだ。

 パドックでお気に入りの馬を見つけ、少額の馬券を買ってレースを待つ。ゴール前まで楽しむことができれば御の字、そうならなくても無事に完走してくれれば一安心、「次は頑張れ」と心の中で声援を送る。広い青空の下、芝生に寝ころんでビールを飲みつつ過ごす休日の午後....。最近は少々ご無沙汰だけれど、また行ってみたくなりました。

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