Breath Therapy Report

8回目のセラピーが終わった直後から、私はインナーチャイルドの『ちいさいこ』達との約束に答えるべくヨガの教室に通い始めました。筋肉痛になりながら、思っていた以上にからだが動かない自分に愕然としながら・・・「あなたは、からだがつながってないねー」と一回のレッスンで、ヨガの先生に言われました。一目見ただけで分かるほど、私はあたまとこころとからだがばらばらだったのでしょう。
生春巻きも、フルーツもパスタも、『ちいさいこ』が「たべたいよー」とアピールしてくるものは積極的に食べました。

ところが、体調の悪さはずっと続きました。いろいろ出来る事はやっているのに。それを見ている相方は「結果を求め過ぎだ」と言いました。良いと思ってやっている事ならそれで納得すれば良いじゃないか、と。それでも納得できない。いよいよ病院・・・と恐怖の方向に思考がループしかけた時、ふと私は気付いたのでした。
「私は自分のからだの事を、こころの、あたまの奥底から嫌いで、嫌って嫌って嫌い抜いているのだ。」
気付いたと同時に2ヶ月近く続いた体調不良はめきめきと良くなり始め、3日余りで治ってしまいました！
・・・何だかなぁ。病は気から、を実践したような気分でした（苦笑）

9回目のカウンセリング＆ブレスワークです。
行くのが、大変でした。『ちいさいこ』達は『スペースまほろば』が大好き。「なかのさんち！」「はやくいこうよー！」と大興奮でてんやわんやの大騒ぎ！！ぴゅーと走り出す子、私の手を思いっきり引っ張る子、背中を押し出す子・・・後ろ体重状態で妙な小走りで向かいました（笑）
それまでの1ヶ月のお話をしました。「嫌いなからだも、自分なんですよ。嫌いなからだも許してあげるのはどうですか？」と中野さんからアドバイスを頂きました。
でもねー・・・例えば、私って、昔拒食→過食になってしまった事もあって、洋服を買いに行ったとしても自分がいかに「規格外」であるかという事を見せつけられて凹むのです。健康診断の結果もそう・・・私が自分のからだを受け入れるにはまだまだ修行が足りないようでした・・・

色々と、話を、特に自分の奥まった所にあった事を話をしている間に、私の左耳の中でぱちん、ぱちん・・・と音が鳴り出しました。カウンセリングをしていくうちに音のなる頻度が大きくなってきて、話の途中で私は中野さんに「私はちゃんと喋れていますか？」と尋ねました。「実は左耳から音が鳴って自分の声が聞き取りにくいんです」と話しはじめると今度は右耳や顎からもぱちぱちぱち・・・と音が。喉も痛くなってきて・・・
「今までそんな事はありましたか？」思い出してみると前回のカウンセリングの時、胸が痛いのに気を取られていたけれど、耳の中も鳴っていた気がする・・・「今まではなかったです。前回のカウンセリングの時からです」「前回のカウンセリングからエネルギーの流れが変わったなぁ、と思ったんですね。エネルギーが流れ始めるとからだにいろいろな事が起こってくる事もあるんです」と中野さん。
何となく、耳から何かが出ていきたがっている気がしてきました。ならば、きっと出ていけば楽になるのでは・・・と思い始めました。

ブレスワークが始まりました。マットの上で横になり、呼吸をしていました。まだ耳からは、ぱちんぱちんと音が鳴っていました。からだはだるくないけれど・・・何となく動きたくなりました。寝転んだまま旋回し始めて、始め、足を向けていた方向に頭が向いたとたん、インナーチャイルドのリーダー格の『ちいさいこ』が私のお口で喋り始めました。と言うか、マットの上にいるのは大きな『ちいさいこ』、と言った感じでした。
マットでころころしているのを喜んで大笑いした後、「♪ねんねん、ねんね、ねんね、ねんね〜♪」と即興作曲のねんねの歌を歌い始めました。

音楽が変わりました。すると「きれいなおと！どこ？」と『ちいさいこ』（の意識の私）は起き上がりました。手で探っています。その行動に私(の意識)は驚きました。今までのブレスワークで寝返りこそすれ、からだごと起き上がった事はなかったからです。するとどうやら足の方（始めに頭をおいていた方。CDのスピーカーがある）で音があるのが分かったのでそっちに頭を向けるようにごそごそころころ・・・大喜びでした。私に「だっこー」と手を伸ばし始めて、ふと我に帰りました。意識が一瞬にして自分、原寸大、実年齢の私にすこーんと帰ってきた感じでした。『ちいさいこ』はだっこしてもらえなかったのがすこーし不服だったようですが（無理だって〜）、そのまま呼吸を続けました。

するとマットが水面のイメージに変わりました。自分の周りに青い水面が広がっています。「きれーい」と私のお腹の上に乗って喜ぶ『ちいさいこ』、青い空間・・・前にセラピーで見たなぁと思っている私（笑）するとからだはどんどん下降を始め、水の中に深く深く深く潜って行きました。
マットの上で呼吸をしているのに、苦しくなってきました。水の奥の奥にぐぐっと吸い込まれてしまいました。

次の瞬間、情景が変わりました。イメージの中で私は、海の砂浜に打ち上げられていました。ぐったりです。頭から、胸からまた、白いものが抜けて行きました。すると・・・私の意識が白いものと一緒に、砂浜に倒れている私のからだから抜けてしまったのです！
おいおいおい、私は「いらないもの」だって事ー？と思いました。倒れている自分のからだの横に、『ちいさいこ』がちょこーんと座っていました。そして「あん」と言って両手を合わせて・・・
拝まれてるよー！！ここにいるんだって、拝むでなーい！！と『ちいさいこ』に突っ込みを入れようとした瞬間、私の意識は今度は急に空の方めがけて吸い込まれて上昇し始めました。

自分が倒れているのが見えました。ココア色のカットソーに黒のパンツをはいて（当日の服装）、白い砂浜にひしゃげた大の字になっていました。
黒い星だ。
以前のセラピーの時に見た、自分のからだから落っこちてなくしてしまったいびつな黒い星を思い出しました。思い出している間にもワタシの意識とからだはどんどん離れていってしまいます。やがて『ちいさいこ』も、「黒い星」な倒れている自分も、砂浜も見えない、青くて遠い遠いところまで来てしまいました。

あぁ、だれもいないなぁ。寂しいなぁ、と私は思いました。『置いていかれる』と言うシチュエーションが溜らなく嫌でした。これは、生まれた時に周りに誰もいなくてと感じてがっかりした、いわゆる「バーストラウマ」なのかも知れません。
空の中で一人で漂いながら、自分は「いかいおくり」されてしまったのだ、死んでしまったのだと思いました。でも、自分のからだがセラピールームの、白いマットの上に寝ているのだと言うのもまた自分のどこかで解っていました。私は生きているのか死んでいるのか、良く解りませんでした・・・
やがて空だった青い空間はまた水面に変わりました。そして吸い込まれて吸い込まれて吸い込まれて息苦しくなって・・・
また砂浜に打ち上げられていました。今度は耳の中からごそごそっと音がしました。

私のあたまから、胸から、そして耳やおなか、腰からも何かが出てきました。出てきたものを見たいな、でもまた自分の意識が出ていったらやだな、と思い（笑）恐る恐る様子を伺うと・・・
出てきたのはいらない白いものではなく、指人形のような、マスコットサイズの『ちいさいこ』だったのです！
「きれいなおとがきこえたから、おそとにでてこれたのー」と、耳から出てきた子達はにこにこ、倒れているワタシにぴょこんとおじぎをしました。
あたまからでてきた『ちいさいこ』は「つかれたー」といって伸びていました。からだの中から出てきたマスコットサイズの『ちいさいこ』達は、以前のセラピーでこころから出てきた大きめな『ちいさいこ』達を見つけるとわーいわーいと群がって行きました。あっけに取られて見ている私に、インナーチャイルドのリーダー格、いつも一緒でさっき「いかいおくり」された私を拝んだ（笑）『ちいさいこ』が近付いてきました。

「あのこたちはね、（私）のからだのなかからでてきたんだよ。からだの『ちいさいこ』、なの。（私）はちいさいこだったら、いじめないから。よしよしいいこいいこ、すきすきってするよね〜？」と顔を覗き込んできました。どうやら、マスコットサイズの『ちいさいこ』達は、私のからだのパーツ、体内の臓器や機能している成分などで、普段可愛がっている小さい子、インナーチャイルドの『ちいさいこ』の姿になって（姿を借りて？）目の前に表れたようなのです。流石・・・参りました。みんなみんなだいじだいじ、しますよ、と伝えると「わぁいわぁい」と近付いてきた、こころとからだの沢山の『ちいさいこ』全員に胴上げされました。マスコットサイズなのに、赤ちゃんサイズなのに、『ちいさいこ』は軽々と原寸大の私を持ち上げて喜んでいました・・・

セラピーが終わって・・・目を開けました。セラピールームの見慣れた風景。でも何だか信じられなくて、私は中野さんに尋ねました。「今・・・生きてるんでしょうか？」「どうやらそのようです」「さっき、どうも、死んできたみたいなんですが・・・」
「死ぬって事はとても良い経験ですよ。死んだら、生まれ変われるんです。おめでとうございます」と言って頂きました。私も良かった良かった、と思いました。しかし、これは話をする相手を間違えるとアブナイかも、ですね（笑）自分の内側の大規模な旅、と言った感じでした。

終わりに少し話をしていて、ふと思って言いました。「私は病院にいけない、という事が一番の問題だと思ってきました。でも、それは氷山の一角でしかなくて、問題が一杯見つかりました。日本語が変ですが、ひょっとしたら病院にいけないってことで、不安がることで他の事から執行猶予を貰っていた気がします」と。
中野さんは「それは大事な事ですよ。ひとは、不安がないと、不安になるんです。でも、セラピーで自分が分かってくると、不安を手放せるようになれます。不安がなくても、大丈夫」とのお答えでした。

カウンセリング＆ブレスワークを始めてちょうど半年。一つのステップをクリアしたようで、こころの中の突貫工事な部分は、一応完了した気分を感じました。『ちいさいこ』たちも、にこにこでした。次からは、すこしからだの方からアプローチしてみよう、と思います。