登録免許税が半分になった・・・分筆後の土地の評価額(会員研修資料より)

平成6年に固定資産評価額は大きく引き上げられました。公示価格の7割水準とされたのです。それまで公示価格の2割程度でしたから、数倍のアップになりました。固定資産税の見直しのために評価額を引き上げたのですが、その引き上げが登録免許税を直撃しました。評価額を6割引きするとの軽減措置はできたものの負担は激増しました。登録免許税はトバッチリ増税となったのです。それを機に登録免許税の争いが急増しました。

分筆したら住宅地になった(評価額が激減)

角地にあるA土地とB土地はもともと1筆の土地です。国道に面する土地で、国道側は商業地、奥は住宅地でした。評価額は1uあたり109万円です。

この土地が分筆され、国道に面するB土地(商業地)、と国道に面しない奥の土地A土地(住宅地)になり、A土地が売買されました。A土地は国道に比べ狭い道路にしか接しておらず、また住宅地です。登記に際して課税される登録免許税は評価額を基準に課税されます。ところがA土地については分筆直後売買されましたのでまだ評価額が定まっていません。

土地の分筆・合筆を行うと、市役所の固定資産税担当者が現地確認に来て、翌年には評価額を定めます。しかし、分筆直後の段階ではまだ定まっていないのです。このように評価額が定まっていない土地の登記には、その土地に類似した土地の評価額を基礎として、登記官が評価額を認定することになっています。その際の認定基準の定めでは、著しく不合理にならない限りにおいて、分筆前の土地のuあたり評価額を使うという取扱になっています。

このA土地についても分筆前の土地の1uあたり単価109万円をもとに登録免許税を認定しました。翌年にA土地の評価額を市役所の固定資産税課が定めました。1uあたり50万円です。109万円に対して登録免許税を支払ったのですが、本来の評価額は半分の50万円だったというのです。登録免許税は半分であるべきであり、税額の差額は200万円以上になります。

A土地の購入者は国税不服審判所に対して不服審査請求を起こしました。そして、審判所は納税者の言い分を認め、税額は半分となりました。

固定資産税の節税は、分筆から

例えば、交差点にある1筆300uの土地(角地)で、二面の道路に接しており、正面の固定資産税路線価が50万円(1uにつき)、側方の固定資産税路線価が30万円(1uにつき)である。路線価50万円の道路に接している方100uは駐車場で使用しており、残りの200uは住宅地として使用しており路線価30万円の道路にしか接していない。この土地は、1筆なので、評価は、路線価50万円を基準として、固定資産税の評価を出すことになる。

これを駐車場部分100uと住宅地200uに分筆すると、住宅地の方は路線価30万円を基準として評価するため固定資産税が減少する。

このように使用目的が異なる土地で、合理的な分筆であれば、節税することができます。ただし自治体により取扱が違うようです。