労災保険

労災保険とは、仕事中や通勤途上の災害による病気やけが、死亡のときに、労働者本人や遺族の生活の安定を図ることを目的とした公的な補償制度です。

労働保険は、農業・水産業の一部を除いて、1人でも労働者を雇用している事業所であれば、強制的に加入を義務づけられ、保険料は全額、事業主が負担します。ここでいう労働者には、パートやアルバイトなどの短時間労働者も含まれます(ただ、実際、短期アルバイトなどで労災にはいっているというのは少ないように思われる)。

通勤途中の事故についても保険の範囲内ということになります。ただし、例えば、会社帰りにお酒を飲みに行ったり、映画を見に行ったりするのは、通勤の逸脱ということで、その際、事故にあっても通勤災害とは認められません。

業務災害と通勤災害の補償の違いは、待機期間3日について、業務災害の場合、事業主は休業補償をする責任がありますが、通勤災害の場合は、事業主に休業補償の責任がないため、労災給付前の最初の3日間(待機期間)について休業補償されないということがあります(4日目から労災の保険給付があります)。

労災の認定は、労働基準監督署長の判断によりますが、なかなか厳しいものがあり、自分からの積極的な働きかけが必要になります。

雇用保険

雇用保険とは、労働者が失業したときに、手当金を支給して生活の安定を図るとともに、再就職を手助けする公的な制度です(65歳未満まで)。

労災保険と違い、昼間アルバイト学生など労働時間が短い者などは、適用除外とされています。保険料は、事業主と被保険者(労働者)の双方が負担します。手続は、住所地の公共職業安定所に行き、離職表等を提出し、求職の申込みをします。7日間の待機期間(この間は手当は支給されません)を経過すれば、4週間に1度公共職業安定所へ行き、基本手当を受け取ることになります。

正当な理由がなく、自己都合で退職した場合などは、待機期間満了の日から1ヶ月から3ヶ月間は支給されません。

失業保険と傷病手当金や老齢厚生年金(60歳〜65歳)は同時に受け取れません。これは、雇用保険は働く意思と能力のある者に対して支払われるのに対して、傷病手当金は病気などで働けない人に対するものであり、老齢厚生年金は高齢で働けなくなった人への保障だからです。

基本手当の所定の給付日数の3分の1以上かつ45日以上残しており、1年以上雇用されることが確実な、安定した仕事についた場合などは、再就職手当が支給されます。

60歳で定年を迎えたあとも、勤続延長といった形で継続雇用される場合で、賃金が下がる場合、一定の条件の下、高齢者雇用継続給付金の給付を受けることができます。