特定非営利活動法人(NPO法人)の設立登記

登記の添付書類について(本人申請)メモ

1、定款

認証書に合綴されている場合は、その合綴された定款を添付することになります。

ただ、下記のとおり、認証書を原本還付してもらう必要があるため、その定款も認証書といっしょにコピーして、コピーに「原本と相違ありません。特定非営利活動法人○○会 理事 ○○ 」と記載し、届出印(設立登記の際、法務局へ届出る法人代表印)を押印しておきます。コピーの枚数が数枚にわたる場合は、ページとページの間に割印(同じ届出印にて)をしておきます。

法務局の方が、原本とコピーを見比べて(チェックをして)、間違いなければ、原本を返還(還付)してもらえます。したがって、原本もいっしょに付けておくか、持参して、その場で返還(還付)を受けるかする必要があります(登記申請の際、必ず原本は持っていくようにする)。

(登記の際、原本還付をする場合は、すべて上記のようにします)

法務局は、設立登記の際は、原則、認証されたことが分かる定款の添付を求めますので、上記のように認証書といっしょに綴られている場合はよいのですが、内閣府認証等、認証書がA4版の1枚だけのもので、定款がいっしょに綴られていないものが発行されるケースがあり(結構、多い)、その場合、困ります。

認証書に定款が綴られておらず、認証庁(所轄庁―各都道府県、内閣府)より、認証されたことが分かる定款の交付がない場合

この場合は、しかたがないので、自己証明でいくしかありません。したがって、認証申請の際、提出した(のと同じ)定款の末尾に「この定款は、当法人の定款に相違ありません。特定非営利活動法人○○会 理事 ○○」と記載し、届出印(設立登記の際、法務局へ届出る法人代表印)を押印したものを添付します(ページとページとの間に割印もしておきます)。

もう少し、専門的な感じで記載するのであれば、「この定款は、特定非営利活動促進法に基づき設立の認証を受けた 当法人の定款に相違ありません。平成16年○月○日 特定非営利活動法人○○会 理事 ○○」など。日付はなくてもいけるようですが、証明なので日付を入れておいたほうがよいように思います。

これは、自己証明なので、認証された定款かどうかは「本人を信用するしかない」ということになります。総会議事録(定款承認決議)があり、それに定款が合綴されている場合は、それを添付してOKだったこともありますが、一般的には、この自己証明方式でいけます。これは、自己証明なので、原本還付とは少し異なると思うのですが、原本の提出を求められたこともあります?(自己証明したそのものが原本じゃないの?)。その際の原本というのは、なんの判子も押してない、単純にホッチキスでとめただけのものですが・・(^_^;)(会社定款のように発起人が記名押印するということもあまりないし、特定非営利活動法人の定款は理事の自己証明にならざるを得ないか)。

「・・定款に相違ありません。・・」と、原本還付とまぎらわしいような記載をしたから原本を求められたのかもしれないので、むしろずばり「・・定款である。・・」とした方がよいかもしれません。

「この定款は、特定非営利活動促進法に基づき設立の認証を受けた当法人の定款である。平成16年○月○日 特定非営利活動法人○○会 理事 ○○」(届出印押印)が一番良いか。

法務局によっては、「これじゃダメ」と言う(経験の少ない)登記官もいますが、その場合、「これしか添付できる定款はありません」と言うしかありません(これで登記官とけんかになったことがあります。確信をもって絶対「ダメ」って言うから・・(-_-))。

(医療法人の認可などは、登記のことをよく考えてくれており、認可申請の際、登記用の分も提出し、登記に必要な書類はすべて認可申請書に合綴されて交付され、それをそのまま添付するだけで登記ができるようになっていたりします(涙が出るぐらいありがたい)。この特定非営利活動法人は、認証の際、あまり登記のことまでは考えてくれていないようだ。というよりあまり分かっていないよう)

2、認証書

認証庁(所轄庁―各都道府県、内閣府)より交付された認証書を添付します。

ただ、これは1枚しかありませんので、原本還付の手続をしておく必要があります。

原本還付の手続は、上記 定款の個所で説明したとおり、認証書をコピーをして、コピーに「原本と相違ありません。特定非営利活動法人○○会 理事 ○○ 」と記載し、届出印(設立登記の際、法務局へ届出る法人代表印)を押印しておきます。コピーの枚数が数枚にわたる場合は、ページとページの間に割印(同じ届出印にて)をしておきます。

法務局の方が、原本とコピーを見比べて(チェックをして)、間違いなければ、原本を返還してもらえます。したがって、原本もいっしょに付けておくか、持参して、その場で還付を受けるかする必要があります。

3、理事の就任承諾書

認証申請の際、提出した「誓約書兼就任承諾書」と同じものを添付します。これは通常、原本を添付します(したがって認証申請の際、何通か余分に用意しておいた方がよい)。通常、原本を添付しますので、原本還付の手続や自己証明の方式は取りません。

理事の個人の印鑑証明書は不要ですが、法人代表印を届出する際に、その印鑑を届け出る理事については、個人の印鑑証明書が必要となります。

4、資産の総額を証する書面(財産目録)

認証申請の際、提出した「財産目録」と同じものを添付します。認証申請の添付書類になっていない場合がありますが、その場合は、設立当初の財産目録を作成し、添付します。これは自己証明方式でいきますので、財産目録の末尾に「本書は当法人の財産目録に相違ありません。特定非営利活動法人○○会 理事」又は「本書は当法人の財産目録である。特定非営利活動法人○○会 理事 ○○」と記載し、届出印(設立登記の際、法務局へ届出る法人代表印)を押印したものを添付します(2枚以上にわたる場合は、ページとページとの間に割印もしておきます)。

5、理事会議事録

定款に具体的な事務所の所在場所や、従たる事務所の所在場所が定められていない場合

例えば、定款で「大阪府吹田市に置く」と定められていて、吹田市の後の、具体的な所在場所まで決められていない場合は、通常、理事会で具体的な場所を決めますので、その理事会の議事録を添付します。

定款に「大阪府吹田市○○町三丁目○番○号」と具体的に最後まで定めている場合は不要。

これは、よくわからないのですが、認証書には、通常、具体的な最後までの所在場所が記載されているので、それで分かるから、この理事会議事録までは要らないのではないか。とも考えられますが、私は、このような場合、常に、添付していますので、添付しないでいけるかどうかはわかりません。

以上

原本還付の際の、コピーに「原本と相違ない」と記載するのは、間違いなく原本をそのままコピーしたものですということ。原本の提示が必要。

自己証明の際の、「当法人の○○に相違ない」「当法人の○○である」というのは、内容自体がそれそのものであることを証明すること。

(なお、代理人が登記申請する場合は、委任状が必要となります)

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参考)

役員の任期

特定非営利活動促進法 第二十四条 「役員の任期は、二年以内において定款で定める期間とする。ただし、再任を妨げない。2 前項の規定にかかわらず、定款で役員を社員総会で選任することとしている特定非営利活動法人にあっては、定款により、後任の役員が選任されていない場合に限り、同項の規定により定款で定められた任期の末日後最初の社員総会が終結するまでその任期を伸長することができる。」

定款の規定で下記の文言がある場合、どのように解するか?

・「(役員の任期は、2年とする。ただし、再任を妨げない。)任期満了又は辞任した役員は、後任者が就任するまで、その職務を行う」

法律に任期の定めがない医療法人等では、任期伸長規定と解されており、前任者の退任の日は、後任者の就任の日となる。しかし、特定非営利活動法人では、法律で「2年以内において定款で定める期間」とされており、同様に解することができるかどうか。法律に任期の規定があるのであるから任期伸張規定と解することはできないと思われる。

・「(役員の任期は、2年とする。ただし、再任を妨げない。)任期満了又は辞任により退任した役員は、後任者が就任するまで、その職務を行う」

これは、権利義務承継規定であり、前任者の退任の日は辞任又は任期満了の日であり、後任者就任の日とは異なる。したがって、役員交替がなくても定期的(2年ごと)に役員を選任し登記しなければならない。