2003年4月25日
インターネットが普及すれば、ビデオレンタルは無くなり、好きなときに見られるビデオ・オン・デマンドに切り替わる。
かつてそう主張して来た私だが、いまだビデオを見るのはビデオレンタルがメインだ。今ではビデオ・オン・デマンドの言葉すら聞かなくなった。
そんな中、BBMODEというブロードバンドサービスが始まった。ビデオ・オン・デマンドサービスだ。試行サービス中はガンダムのTV作品が無料で見られるということで、申し込んでみました。かねてから、ブロードバンドによるテレビ放送の実現性について興味があり、会社の上司と議論したものです。やっと現実のものとなったか、とわくわくしながらクリックしたのだが…
BBMODEの説明だとか、会員への挨拶だのと、だらだら解説が続き、うんざりしたころ、やっと放送が見られるかと思いきや、今度は動画の読み込みが始まった。しばらく待っていたのだが、ファイル読み込み中のままいっこうに始まろうとしない。
ついに我慢の限界が来た。
「使えん!」
ハードディスクビデオの誕生の時、東芝の初期型を買いに行き、デモ機を操作したところ、電源を入れてから画面が出るまで25秒を要した。VHSなら3秒以内に画面が出るところだ。店員曰く、「ハードディスクが入っているからね。パソコンと一緒ですよ」
あきれて、開いた口がふさがらなかった。
VHSの市場を奪おうという製品である。メリットはあっても、絶対的なデメリット(だれもが感じるデメリット)があってはならない。パソコンの部品を使ったから、パソコンのデメリットが上乗せされたなんて、よく平気で言えるものだ(言ったのは販売店の店員だが)。当時まだ価格がVHSビデオデッキの10倍もする製品である。
私が店員だったら、先の台詞は、恥ずかしくて言えない。
購入意欲が消滅した。
ビデオレンタルなどの市場ができあがっているところへ、ブロードバンドテレビが参入するためには、ビデオレンタルに対してメリットはあっても、絶対的なデメリットがあってはいけない。再生開始まで5分待っても始まらないなんて、東芝の問題機以上だ。
まだまだビデオ・オン・デマンドは先の話なのだろうか。