物を大切にしないリサイクルって?。

 まぁ、せっちゃんたちが子供の頃。
子供服なんかは、お兄ちゃんのおさがり。お兄ちゃんがいなくても、友達や近所のお兄ちゃんや、親戚のおにいちゃんから嫌でも廻ってくるおさがり。
自転車もお下がり。おもちゃもおさがり。何でもかんでもおさがり。
まぁ、頑是ないガキのことですから、そんなモンでも喜んで着て、ぼろぼろになるまで遊び狂ってました。で、ぼろになったモンは、雑巾になったりてんぷら油を浸されて、家の前で一斗缶に入れて燃したり、骨の髄まで使い回したモンでした。
まぁ、これがリサイクルのあるべき姿だと思います。
得てして森羅万象大概の物は少なからず二次使用されていたりしますね。
本を売るならブックオフとか。これなんかもリサイクルでしょう。

 さて、10月から家電リサイクル法がパソコンにも適用されるようになりました。まぁ、そんなに関心があるこっちゃなかったので『ふーん』とか思っていましたが、アナウンスを良く聞くと、処理にかかる費用が『ノートパソコン3000円』『デスクトップパソコン一式7000円』とか、とんでもない値段です。
7000円あればパソコンの場合結構なパワーアップができちゃう金額ですね。
(ノーチェック、リカバリなしのペンティアムIII 500MHzくらいなら買えるかも。)
 ここで誰もが考えることは『捨てるくらいなら誰かにあげちゃえ』ってことなんですが、世の中そんなに甘くはありません。こと、おさがりってことになるとパソコンの世界では通じないようです。

 いくら、パソコンとして使える物(壊れてはいない物)でも、今日日、なかなか使うのは難しいんです。『これが初めてのパソコンだ〜』っていうビギナーさんにはなおさらです。



 たとえば、ここに、まだまだ元気なパフォーマー630があるとします。HDDも2GBに増設したし、メモリも32MB増設して36MBになってます。68系のアプリケーションも、クラリスワークスや宛名職人。ペイントitなどが入れてありますんで、いろんな使い方もできます。ワープロを打ったり、インターネットにメールや、年賀状の印刷。
そう、あなたがパフォーマー630を買ったのは、そもそもパソコンのお勉強と、年賀状や暑中見舞いを刷るためです。
 購入して10年近く経つ物なので、いい加減処理が遅く感じられるようになったのと、ノート型が欲しくなったので、12インチPowerBookG4なども買ってしまいましたが、まだOSXの使い勝手に慣れることができません。しかし、時代の風に敏感なあなたはPowerBookG4をメインマシンにすることに決めました。
 そうすると、困るのが、パフォーマー630の処遇ですが、これがまた困ったことに、全然壊れていないんです。旧来通りの使い方をすればまだまだ現役で使えます。

粗大ゴミには出したくありません。

そこであなたは考えました。

今年の年末は現役の愛機であるPowerBookG4でTutayaで借りたDVDを見ながら、630に年賀状を刷らせよう。

完璧なプランです。これで年末はのんびりと過ごせるものと、思ったのもつかの間。
パフォーマーにセットでついていたスタイルライターは既に壊れちゃってたりします。たとえ修理したとしても、いくらかかるか、判りませんし、初期のカラープリンタですから、今の写真画質のプリンタと比べて、明らかに見劣りします。カラーが信じられないくらい汚いんですね。
 仕方なく新聞に挟まっていたビッグカメラの広告とか見ると、安いプリンタは1万円台で買えちゃいます。

しかしあなたは、コイツはお得と思って買いに行って愕然とするわけです。

なぜなら今日日のプリンタでパフォーマー630などのMacシリアル(ジオポート)などに対応した商品がありません。

みーんな、USBか、よくてWindows用のパラレルしかついていなかったりします。量販店なんかで買えるのは概ねこんなモンです。
でも、愛着あるパフォーマーです。買ったときには30万円以上しました。
 しかたなく、秋葉原にパフォーマーで使えそうな中古のプリンタを物色しに行ったあなたは、500円で売られているLC630を見てさらに愕然とすることでしょう。
心の隅でちょっとだけ「中古で売っちゃえ」と思っていたあなたは、蕭然とします。

『これじゃ、下取りに出したところで、いくらにもならんがなぁ〜!』

ここであなたは、考えを改めて、金をかけてプリンタをしつらえるよりも、いっそパフォーマーごと誰かにあげちゃえと考え直します。

しかし、年賀状もまともに刷れないようなパソコンを誰が買ってくれるでしょう。

実家の弟にやろうにも弟はばりばりWindows派.。

 

『兄貴はMacなんか買うからだよ、ばーか』と言われるのは目に見えてます。

父親にぼけ防止のためにあげるのが一番にいような気もしますが、パフォーマー一式はあまりにかさばります。プリンタがないので、年賀状も作れません。AI将棋のためだけにあげるんだったら、ゲームボーイアドバンスでも買ってやる方が気が利いています。

あまつさえ、最近つきあいだした彼女に押しつけようモンなら、パフォーマー諸とも自分も捨てられてしまいます。もう、女の子にパソコン教えて親密度をあげるような時代ではありません。会社で、Windows XPでばりばりとエクセルを使っている彼女が何が悲しうて、68LC040/33MHzのマシンを貰ってくれるでしょう。

ここはやはり、自分で使うしかありません。

ジャンク屋で500円でEPSON PM750-Cを見つけてかなり心が動きましたが、ケーブルも取り説もドライバーもついていません。この分じゃインクもまだ売っているとはかぎりません。

あなたはやめておいた方が無難だと考えて、取りあえず、秋葉原を後にします。

 ここであなたに転機が訪れます。近所のブックオフで、old Macの改造本を見つけたあなたは、パフォーマー630の改造方法を見つけ、それを検討する事にしました。

『うん、どうせなら最強のLc630にしてやろうかな。』

ドーピングMac
というその本に、Haw To BULD Gundam以来の感銘を受けたガンダム世代のあなたの心の中はパフォーマー630の改造でいっぱいになってしまいました。

 しかしMacの改造には越えなくてはならないハードルがいくつもあります。

取りあえず、最強のパフォーマー630を作るのに必要な材料と、かかる費用を挙げてみましょう。

基本的に中古部品の価格ですので皆、平均的な時価とします。

3.3ボルトのレギュレーター2000円(材料費のみ、配線図から、自分で組まなければいけない)

ガゼル(225MHz)ロジックボード10000円

メモリ(168Pin EDO DIMM 64MBX2 10000円〜

PCI L字ライザーカード 4000円〜

PCI USB1.1/FIreWireコンボカード10000円

最低この材料で改造しなくてはパフォーマー630で年賀状を作れません。

あ、うちフレッツADSLだった。

はい、LANが必要ですね。

PCIスロットはコンボカードで埋もれているので、CS2のカードを買わねばなりません。中古で10BASE-Tなら1万円。10BASE-T/100BASE-TXなら17000円(ちなみにPCIスロットに挿せる100BASET-Xの台湾製のカードなら1000円)
フレッツ対応のブロードバンドルーターを買い足すならばさらに10000円〜
エアマックベースステーションですか?。はははは、ここまで改造しても有線でしか使えませんよ。
それでもよいならどうぞ。25000円。
あ、USBがまともに使いたかったら、OSは8.6以上。どうせだったら.Macにも入っているからOS9がいいや、秋葉の中古やで1万円。OS9を快適に動かしたかったらG3カードは必須でしょう。

SONNET L2 G3 500MHzが35000円。

かなりの金額になってきました。

『どうせならDVDも見たいな』

あのね。世の中には無理なコトもあるの。

『じゃ、せめてCD-Rが欲しい。』

SCSIのCD-Rは今日日なかなか売ってません。PowerMacG4用のapple純正ATAPI CD-R/WにIDEブリッジをかませて5000円+8000円。

おーい、いい加減冷静になろうよ。これだけぶち込んだらeMac買えちゃうぞ。これじゃぁ本末転倒だぁ

大体、文系のあなたは、3.3Vのレギュレーターを作る時点でアウトです。

あなたは年賀状を作ることに絞ってプランを練り直します。

ロジックボードは最高峰のガゼルを狙うから高いのです。

試みにアルケミー200MHz位の物を探したら、3000〜5000円でありました。

『なんだ、25MHz違うだけで値段がこんなにちがうがな。』

3.3ボルトのレギュレーターは作れないので、最初から3.3V使えるケースを探します。PowerMac6300/120ケースは、3000円位で安いけど、3.3vが出る個体と出ない個体が存在します。PowerMac6400系のケースは1000円位からありますが、いかんせんでかい。タワーのG4と同じ位です。しかも、Pciが2段ライザーなので、USB/FiREWiREコンボカードと、安価なPCIのLANカードの併用で、かなり価格が落とせます。さらに、パフォーマー6410(604ev180MHz)程度ならフルセットで10000円しない位で買えます。(メモリ64MB)

『これにコンボカード挿して、OS9を買うから3万円コースかぁ、いや、この際8.6でもいいかも』

中古価格じゃ、8.6も9も値段はそんなに変わらないと思うがいかがな物か。しかも、冷静になれ。3万だしゃ、中古の青白G3が買えなくはないか?。

我に返ったあなたは、パフォーマー630のパーツも旨く使いつつもっと安く上げるよう考えて見るコトにします。

フロッピーと、CD(2倍速)は、630からそのまま使うとして......、HDDは、もう2GBに換装済みです。2GBあればOS8.6もインストールできるでしょう。

ロジックボードもアルケミー160に落とすと2000円位です。

ケースはPowerMac550/225ならオークションで、『1円即決。振り込みはいいから送料だけ負担してください』というのがあります。ライザーは1段ですが、LANを諦めてUSBカードだけにすれば3000円程です。
しかも15インチモニタ付き。ちょっとかさばるかも知れませんが、iMacを買ったと思えば良いでしょうしかも、これならフロッピーも使える。いいことづくめです。

ライザーカードは仕方ないと思っていたらオークションで1000円の出物を発見。しかし、USBを使う限り、OSは絶対買わなきゃだめ。これはハードルが高いかと思われましたが、あなたはオークションで3000円のMacOS8.5をゲット。appleから無償で配布されてる8.6アップデータと、USBカードサポートで、USBの機器が使えるようになります。これにメモリが32MB 2枚で5000円。
やった、2万円ちょいです。かなりしょぼくなりましたがこれなら行けそうです。

『これでパフォーマー630で年賀状が作れるでぇ!』

............ちょっとまて、アンタ。それ、パフォーマー630ちゃうやろ。別のジャンクMacでしょ。それが証拠に、ほれ、13インチモニタと、630本体とが一式残ってまんがな。使ったのドライブ類だけやん?..............これ、家電リサイクル法で引っかかると思う。


げ、そりゃそうだけど............。年賀状作れるし...........。

5500/225の筐体の出品者は北海道でしょ。あんな重いモン送料がいくらかかるとおもってんの?

...........3000円くらい.......かな?。

起動バッテリーはどうなん?中古のロジックについてるヤツなんかたいがい死んでるでぇ

(ここでWindowsの人に豆知識。DOS/Vマザーに付いている起動バッテリーは主に時計用丸形電池CR-302。よく100円ショップでも手に入ります。それに引き替え、Mac用の電池は、3.6V丸形電池(専門店で1000円くらい)か4.5V角電池(専門店で2000円くらい。この価格差って何事なんでしょうね。ちなみにPowerBookの電池はもっとえげつないので、注意が必要です。)

 あなたは、それでも送られてきた部品と630との部品で、何とか一台の一体型Macを嬉々として組み上げました。部品を一つ一つ揃え、組んでいく様は、化石発掘と復元に似て楽しい物です。

完全にパーツが組み上がり、あとは電源を入れるだけになった時、あなたはときめきます。気分は天馬博士かフランケンシュタイン博士。まずはCDから起動させ、ドライブ設定で、HDDをHFS+でフォーマットします。そして、8.5のインストールです。景気良く全てをインストールします。この間にADSLで繋がっているPowerBookG4でApppleからMacOS8.6アップデータとUSBホストカードアダプタ4.0をダウンロードします。とりあえずこっちは、パフォーマー630(?)にデータの持って行きようがないので、CDに焼くことにしました。これならLanに繋がってない630にもデータを送れます。8.5のインストールが終わる頃CDが焼き上がりました。すかさず、8.6のアップデートをかまし、USBホストカード機能拡張をインストールします。これで、年賀状専用機は完成しました。
 早速再起動です。起動音とともにアイコンパレードが順調に並び、完全に立ち上がってくれました。成功です。しかし、完全に立ち上がった後、時計と地域情報が合ってないというアラートが..........。

時計と地域情報を合わせ直してもう一度再起動です。しかし結果は同じ。どうやら起動バッテリーが死んでいるようです。まぁ、それ以外、メールとかに使わなければ当分使えそうですが、やはりいつ起動しなくなるのか冷や冷やしながら、使うのは心臓によくありません。
『ああ、やっぱりバッテリー買おう。どうせ2000円くらいだ』

新しい(?)Macを手に入れたあなたは、それでも有頂天です。しかし、画面を見ているうちに何か違和感を感じるようになりました。

『画面が汚い。なんで?』

お答えします。PowerMachintosh5500/225のモニターは800x600インチ。純正のガゼルボードに搭載されたビデオチップなら1670万色出ますが、アルケミー160MHzでは256色しか出ません。当然の帰結です。

『.....まぁ、安く組めたんだからいいや。』

 かなり脱力しましたが、あなたはまだめげません。どうせビデオカードを挿そうにもスロットは空いていないし、いっそ将来的にガゼルと交換すればビデオボードを単体で買うより安いです。パワーアップにもつながります。

しかし今は、取りあえず年賀状です。バッテリーの購入は急務です。

会社の帰りにSofmapで起動バッテリーを買おうとしているあなた。ここであなたは見てはならない物を見てしまいます。

『iMac Rev.D,ストロベリー、19800円〜〜〜〜〜〜!』
あなたは、もう立ち直れません。色々な資料を漁り、掲示板を読んだあなたは、すでに旧機種をG3カードでアップグレードするよりは、スッピンのG3を買ってしまった方が遙かに安定して高速稼働することを知ってしまったからです。

『.........でも.........でもなぁ、630には愛着があるんだよぉ!』

だからもう630じゃないって。全く違う筐体でアーキテクチャの機械です。共通部品はFDDと2倍速CDドライブだけです。その証拠に部品を抜かれた630は、それ部屋の隅にあります。

『この、ドライブ類がないパフォーマー630、誰か貰ってくれないかなぁ.........』

おーい、話がループしてるぞ。それは無理ってもんでしょう。幸いパフォーマー630は、割と小さめなので分解すれば燃えないゴミに出せるかもしれません。あ、モニタは別料金か。
 あなたはここで考えます。ホームセンターで、鉄板もカットできるようなディスクグラインダーを買って、金属部品も完膚無きまでにカットしてしまえば燃えないゴミで出せます。しかし結局ディスクグラインダーが買えずに、金鋸を買ってしまったあなた。そんなあなたの貧乏性が全ての原因なのです。深夜、泣く泣くパフォーマー630を解体したあなたは、めちゃくちゃな騒音をまき散らし、大家さんからこっぴどくしかられます.............。

『でも、これで落ち着いて年賀状が作れるよ。宛名職人のデータを開いて..........。』

あああああああああああ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!

今度はなんだ?

630改造するのに夢中でプリンタ買ってない〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!

んなあほな〜〜〜〜〜〜!さすがにもう予算はありません。

 慌てて秋葉原へ走ったあなたは、取りあえずこの間のPM750-Cを500円で購入。プリンターケーブルはスタイルライターのシリアルケーブルがつかえました。半泣きになった、あなたは、エプソンのホームページでドライバを探し、ようやっとダウンロードしました。インクをセットして、テストプリントをすると、黒だけでません。

『ああ〜〜〜ヘッド死んでる〜〜〜』

慌ててヘッドをクリーニングして、何とか黒も出るようになり事なきをえました。

あんだけ騒いで500円のプリンタで解決かい......。

そう、PM750-Cは、すっぴんのパフォーマー630でも使えるプリンタだったのです。

あなたは、怒濤の1ヶ月間に思いを馳せ、ため息をつきます。

『まぁ、面白かったからいいか、結果オーライってコトで.......。今度ガゼル買おうな。うん。』

ええかげんにシナサイ。ああ、あなたは全然懲りてない。


でもね、あなたは気づいていないけど、アルケミー用にあなたが買った168pin5V DIMMは、ファーストページなの。ガゼルはEDO DIMMなの。

あなたがそれに気づくのは翌年の年賀状の季節でした。ちゃんちゃん。


 なんて、コントが容易に予測できるくらいパソコンのリサイクルって奥が深くてやっかいなんです。

だいたい、『家電リサイクル法』なんていっても、実際はまだ使える(ものもある)パソコンを分解して、材料の素材レベルにまで砕いて、金属やプラスチックのチップにしちまおうっていうわけですから、ものすごく乱暴な話だと思いません?。

この時点で、『物を大切にしよう』っていうリサイクルの理念から大きく逸脱していると思うんですがどうでしょう。『自分で買った物は最後まで責任を持て』ってコトなんでしょうが、デスクトップ一式の処分に7000円っていうのは、ボリすぎじゃない?。

時給1000円の人が1日働いた金額だよ。こんなのは体の良い増税でしょ。

大体、パソコン買うときには既に消費税も払ってんのよ。わしら。こんなの納得行くわけないじゃん!。

はぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!
..........とか憤慨していたら、appleは、パソコン購入時に処分料は、一括で上乗せ。でもパソコンの価格自体は値上げしないという方針を打ち出してきました。

appleの日本市場のことをまるで考慮しない(特にジョブスが復帰してから)の商品ラインナップってどうも好きになれなかったんだけど、これでまた考えが変わりました。アメリカ人の考えることはさすが合理的です。これはどう考えても実質的なキャッシュバックですからね。

ってわけで、次もMachintoshを買えというのか、appleよ。

買うのもいいけど最低でも5年は使うよ。わしは。何と言っても、日本人は物を大切にするからね。

                                                2003.9.27