AKI-80用DRAMボード

 

電子工作でRAMといったらSRAMのことだが世間ではDRAMを指す。そりゃあ世間は買ってくればすむ話だから気楽なものだが、DRAMをちゃんと動かすのは大仕事だ。しかも、DRAMのメリットはZ80につながる古いチップを使うことですべて台無しにしてしまう。さあみんな、このバカバカしい試みに挑戦しよう。


AKI-80にDRAMを接続するには取り付け済みのメモリを無効にするとともにクロックを低くする改造が必要になる。余計な作業をして速度を落とし消費電力をあげようというのだからあきれる。ちゃんと動いているAKI-80を改造するのはもったいないからもうひとつ買って改造し、差し替えて使うほうがいい。制作マニュアルのとおり制作しない点はふたつ。ひとつは別に4.9152MHzの水晶振動子を買って取り付けること。 もうひとつは部品面の74VHC00(または相当品)の9番の端子からROMへ向かうパターンを切ること。さあ、度胸だめしにやってみな(パターンの切りかたはいちばん下の関連資料を参照のこと)。


DRAMは4164で、ナショナルセミコンダクタ社のDP8408というDRAMコントローラで動かしている。4164は64Kx1ビットだから8個ならべて64Kバイトとするのが最小構成。その容量の半分はAKI-80のROMと重複 していて使えない。つまり、たかだか32Kバイトのためにこんな大げさな基板を作ることになる。配線はめちゃくちゃ込み合うため、DRAMの裏側にサンハヤトのDRAM接続基板ICB-015を取り付け、一般の配線をワイヤリングペンとウレタン被服銅線でやった。DP8408は超高価、ICB-015は販売終了、ウレタン被服銅線は入手困難で 、ものすごく再現性が低いが、こんなこと再現したい人がいるとも思えないからまあいいか。


基板にはデコーダとコネクタを追加する。デコーダは7404というTTLひとつで作れる。コネクタは40端子のボックスヘッダを使った。本当は40端子も必要ないが、これだと格安で売っているパラレルATAケーブルが挿さる。あまった端子に適当な信号線をつなげば汎用の拡張コネクタになる。EP-ROMに8085で動いているタイニーBASICを移植し、書き込んだ。移植は入出力の手順を少しいじるだけで済んだ。レベル2の割り込みは、案外、簡単に実現できた。一方、DRAMを動かすのは苦労した。DRAMは電源を入れたあと待機時間とダミーサイクルが必要なのだが、そんな話は聞いていなかったので(マニュアルを読みそこなっただけだが)、数秒動いてすぐとまるという症状に悩まされた。現在はDRAMでも元気に動いている。


ソフトウェアは8080アセンブラモニタおよびTiny BASICで説明する。

【関連資料】
AKI-80の改造方法-aki80cut.pdf
AKI-80の改造のための追加部品表-aki80parts2.html
AKI-80の追加配線のための実体配線図-aki-80-2.pdf
DRAMボードの部品表-dramparts.html
DRAMボードの実体配線図-drambrd.pdf