古典電脳物語

 

最新のCPUが華々しく登場すると、ひとつ前のCPUが静かに現役を退く。それはもうひとつ前のCPUと同様、文字どおりの捨石となっていつか市場から姿を消すのだろう。これではいけない。ミンク鯨を保護するように古いCPUも保護してやらなければならない。なぜって、そんなこと知るもんか。だいいちミンク鯨はなぜ保護するのだ。とか考えながら、ともあれ古いCPUを動かしてみた。


【Intel 8085】
古いCPUを使って何かひとつコンピュータを組み立ててみようという話になったら最初はインテルの8080だろうけど、入手困難だし、何とか入手しても電源が3種類必要になり、コンピュータでなく電源を作るみたいになってしまって面白くない。8080の次の8085は、8080のソフトウェアや周辺チップが使え、細かいことをいわなきゃ8080みたいなもの。たのむ、8085で勘弁してくれ。

【Zilog Z80】
Z80の特徴は8080のプログラムをそのまま動かせる命令体系とレベル2の割り込みとDRAMの接続に配慮した端子の機能にある。 いずれも技術的に魅力的で、一刻も早く確認してみたいから、もう電線の配線やケースの加工を楽しんでいる余裕はない。コンピュータはキットを使って組み立て、 これとシリアルインタフェースと電源をひとつの基板にのせた。ラクをしてるが、勘弁してくれ。

【Motorola 6809】
モトローラやるなら6800からでしょっていう意見はもっともだが、6800は入手が困難だ。正直いうとぼくは日本で最初のパソコン、日立製作所のベーシックマスターレベル2をもっていてその中に6800が入っている。抜いちゃおうかなぁと何度も思ったがまだ動いているコンピュータの部品を抜いて万が一にも動かないコンピュータを作ったらシャレにならない。お願い、6809で勘弁して。