Motorola 6809

 

モトローラのCPUはハードウェアが単純だからすぐ組みあがる。あとはソフトウェアでどうにでもしてくれっていう設計だ。そのわりにソフトウェア開発環境がお粗末なのがいただけない。大枚はたけばいろいろあるが、そんなものはたけない人はMS-DOSで動くクロスアセンブラでコツコツ開発 してもらおう。

 

モトローラやるなら6800からでしょっていう意見はもっともだ。しかし6800は入手が困難、上位互換の6303などはあるが機能拡張しすぎていてもう別物って感じがする。正直いうとぼくは日本で最初のパソコン、日立製作所のベーシックマスターレベル2をもっていてその中に6800が入っている。抜いちゃおうかなぁと何度も思ったがまだ動いているコンピュータの部品を抜いて万が一にも動かないコンピュータを作ったらシャレにならない ではないか。やっぱ6809で勘弁してくれ。
 


CPUが6809、パラレルインタフェースが6821、シリアルインタフェースが6850という構成で製作したコンピュータ。これらはファミリーにあたるチップであり、基本的に同じ名前の端子を電線でつないでいくだけで出来上がる。というより、あとにも先にも6809しか採用していない同期式バスに接続できるのはファミリーのチップくらいのものだ。クロックは1MHz。これは6809に内蔵の発振器で作れるが、シリアルインタフェースへ流す仕組みがないので、別に14411という発振器を載せ、ボーレートを作っている。こんなことなら何のために6809が発振器を内蔵しているか わからない。 メモリの容量は、EP-ROMが8Kバイト、RAMが40Kバイトだが、1個8Kバイトのチップ6個で構成したので、大したことないわりにすごそうな格好になった。


チップがそれなりの数になると、配線も大変だ。何しろ大きなチップが40ピン、中くらいのチップが28ピンだから、ざっと300箇所以上のハンダ付けをする計算になる。それを間違いなく、しかも美しくやるには、並みはずれた根性が求められる。このコンピュータはヒマにまかせて初めて組み立てたので、配線にものすごく気合が入っている。 流れるような配線はもう芸術の領域といっていい。ただし、基板を素手でベタベタさわったものだからしだいにサビがひどくなり、いまはもうこんな状態。いまひとつ 自慢しづらい。


基板の製作に細心の注意が求められ、精魂つきはてた。もうひとつケースの製作なんてやってられるかい。ということで、ケースは8085と共通。8085の基板を抜き、6809の基板をさす。こういう使いかたができるようあらかじめ基板とコネクタの信号などを共通にしておいた。しかし、強度が不足してい て、基板を差し替えたり不具合を修正したりするために抜き差ししたりしているうちコネクタの電線がポロポロ落ちる。マメに結束線で縛り、ベタっとハンダを盛って解決。
 


【関連資料】
回路図
-6809sch.pdf