電気街で食事を楽しもうなんて
ちょっと筋違いではないかい?

秋葉原の食事処は、電気街の店員さんの短い食事時間に合わせ、だいたいどこも、さっさと腹いっぱいにして出て行ってもらう営業方針だ。そうでない少数の食事処は、ちょっと高いか混雑していることを覚悟しなければならない。

万世橋のたもとには「肉の万世」の本店がある。いまでこそ関東一円に34店舗をチェーン展開するこの店も、 もとは万世電気という秋葉原の家電店のひとつだった。その万世電気は時代の変化を読み損なって倒産し、食べるにも困る時期があり、もうそういう苦労だけはしたくないと思って飲食店を始めたのだという。
本店は地下1階、地上9階の大型レストランビルで、フロアごとに喫茶店、居酒屋、ステーキ、しゃぶしゃぶといったように料理が分かれている。3階と4階の窓際はカウンター席になっており、ひとりでも入りやすい。このカウンター席は、よい方向に座 ることができれば秋葉原の街並みを見渡せて楽しいが、へたをするとJR中央線快速電車と向かい合い乗客から見下げられる。


手ごろな値段でうまいと評判なのは、中央通りのソフマップ本店(アミューズメント館)わきを入ったところにある「九州じゃんがららぁめん神田本店」。卵を殻ごと練った麺、豚骨スープ、博多万能葱、やまやの明太子、鹿児島産黒豚の焼豚、長崎シッポク料理風の卵 など九州の素材にこだわった博多の味。ついで店員さんが九州出身で通用語が博多弁。店頭には、お昼から午後3時くらいまで行列ができる。道路にテーブルを出して客をさばいていることも多い。


JR秋葉原駅から昌平橋へ向かう途中、石丸電気パソコン館のとなりには、豚かつの老舗「とんかつ丸五」がある。電気街の中心に近いのに、なぜかこのあたりだけぽっかりと静寂な空間があいている。白壁に格子窓の店構えが威厳をはなつが、料金は一般的な豚かつ屋さんと変わらない。客あしらいもていねいで、電気街を歩き疲れた人が、ほっと豊かな気分になれるところだ。