TOKYO EIGHT CATS



『こんにちは、今回ご出演ありがとうございます』

『いえいえ、楽しみにしております』

『今回、プロデューサーの私(ボナ)の考えでこの名前で舞台に出演していただくのは実は心ぐるしいのですが、よく快諾していただき感謝しております』

『それはいいんですが、なぜこの名前で?』

『いやー先生は芸能界の大先輩でありますので、しかも由緒正しい代々伝わる芸名があり失礼は承知だったのですが、どうしても単なるスペシャルゲストではなくさらに特別な出演形態を取りたいと思ったのです。それにマジックライブですのでちょっとミステリアスな事もあっていいかなと考えたんです。よくそれに賛同していただき心から感謝しております。最初は怒られるかと思いましたよ』

『私は戸っ子ですよ!。それぐらいのシャレはよくわかりますよ』

『家は代々芸能一ですよね』

『当然ですよ』

『このCATという名前が付いてますが、やはりがお好きなんですか?』

『もちろんですよ。猫になりたいくらいです』

『いま、先生はいたるところでいわゆる面六臂のご活躍ですが、このミミックというのは?』

『英語で模倣という意味ですね』

『形態模写とは違うのですね?』

『形態も入っていますがほとんどが口と手を使いますね』

『私は、そこがイリュージョンだと思うのですよ、現実のものではないのに観客は頭の中にその幻を見る――それはまさにマジシャンと同じですよね』

『そのとおりですね』

『ところで、一体あなたはどなたですか?』

『――それは当日のお楽しみにしておいてください』

『では当日楽しみにしています。マジックランドに電話しても教えてはくれないですよね?』

『スタッフも知らないと思いますよ』

『では、よろしくお願いします。お客様の喜ぶ顔と驚く顔が目に浮かびます』