<武(たけ=竹)、即ち【蘇我大王家】を詠める>
我(あ)が魂は武(たけ=竹)を崇(あが)めて草枕 勝宝の代へ雲と翔(か)けゆく
<中臣朝臣宅守【佐渡流罪になった美努王(みぬおう=人麻呂)の借名】の歌
塵泥(ちりひぢ)の数にもあらぬ我ゆゑに思ひ侘ぶらむ妹がかなしさ(巻十五・三七四九)
和(こた)ふる芭蕉の句
荒海や佐渡に横たふ天【白水郎(あま)】の川
和(こた)ふる歌 人麻呂を詠める【基 レ 行→行基(ぎょうき)】>
我が国の基(もとい)行ひし塵泥(ちりひぢ)を聖武(すめら)とぞ知る歌聖とぞ知る
五月雨の佐渡荒磯海(ありそみ)に歌聖思(も)ふ芭蕉・良寛、銀河の我も
銀漢を仰ぎて佇(た)つは我のみか七夕星に魂慰みぬ
<赤人を詠める>
【名前折込&離合歌(人の夢=儚い)】
山の辺に赤く咲く花見し人の夢は儚(はかな)く散りにけるかも
<筆名の歌聖=聖武天皇の実名【石川朝臣君子(きみこ)】を詠める>
【石】川乃 【川】辺乃宿尓 【君】坐史手 【子】息躬都良武 【朝臣】者人麻呂
(いしかはの かはべのやどに きみまして しそくみつらむ あそみはひとまろ)
<明日香を詠める>
ともかくも明日香の里に我が身置き風に揺れ居る紅葉に奈良夢(ならむ)
明日香川葦の穂先の赤とんぼ我(あ)に蘇(よみがへ)れ秋の彩(いろど)り
天降(あも)りつく天の香具山朝な朝(さ)な我(あ)に蘇れ秋の彩り
甘樫に盛(さか)る紅葉の露ひとつ朝を閉じ込めひそやかに落つ
古代史の謎を探りに九度来たり心は常に明日香に在りぬ
<高松塚古墳を詠める>
【被葬者は天武天皇・葬者は大津皇子】
彩色の女子群像に囲まれてあの世の夢を見けむ被葬者
目眩(めくるめ)く巡る星座に抱(いだ)かるる黄泉の大王(おほきみ)静かに眠れ
<吉野を詠める.>
ゆく川の流れを何にたとふべき宮滝にふる人麻呂の歌
み吉野の象(さき)の小川や宮滝の名残岩とに人麻呂を恋(こ)ふ
こころ騒ぐ櫻【持統天皇】吹雪に日傘さし肩寄せ合ひて君は歩めり
<阿騎野の炎(かぎるひ)を詠める>
炎(かぎるひ)の野を去りがたく歌碑に触れ秋雨(しゅうう)けぶれる朝に佇(た)ち居り
明け方の雨に炎(かぎるひ)隠れ居て我(あ)が身はなりぬ濡れ立つ歌碑に
我(あ)の歩む秋の阿騎野は紅葉して西に傾く陽は空を染(そ)む
秋の野の焚火を囲む笹酒の盃に浮く逆さ月はも
野に在りて炎(かぎるひ)立つを見つけたり南の空の火星見しのち
炎(かぎるひ)の謎を探りて三年(みとせ)経ぬ今し見つけむ太陽柱立つ
またも見む阿騎野の朝の炎(かぎるひ)を新たに佇てる馬上の像(人麻呂)と
人麻呂を探し求めてここに来し阿騎野の空に炎【かぎるひ=太陽柱】の立つ
<和歌の浦を詠める>
【藤原卿=中衛高明閤下・房前(ふささき)】
語り継ぎ残しゆくべき万葉の雑賀(さひが)の浦のこの夕景色
うら若き娘(こ)らに語りし万葉集雑賀の浦の夕日眺めつ
玉津島磯の小島の残照に赤人偲ぶ風曲がり来る
玉津島磯の浦廻(うらみ)の真砂(まなこ)にも片思(かたも)ひ貝の交じり耀(かが)よふ
そそり立つ奇岩風洞かげ落とし和歌の浦にも秋の波寄す
夕暮るる雑賀の浦に月は満つ鳴き渡りける鶴(たづ)はいづくへ
<奈良の都を詠める>
春萌ゆる若草山の昼下がり草を食(は)む鹿さくら食む鹿
月やいづく梅やいづくに坐(おは)せしも心は君に仕へ奉(まつ)らむ
武を以ちて聖(ひぢり)なりける天皇(すめろぎ)を誰(たれ)そ知るらむ歌の聖(ひぢり)と
秋の夜の月眺むるは哀しけれ平城宮址(へいじょうぐうし)に鈴虫の鳴く
朝露のひかりに透ける秋萩の君をこころに想ひ染めてき
秋の風秋の匂ひにものを思(も)ふ正倉院の展示の御物(ぎょぶつ)
眉ひそむる君し懐古の阿修羅像 絹の道より奈良に到りぬ
秋深き正倉院の瑠璃(るり)の坏(つき)シルクロードにルーツを探る
甃(いしだたみ)ひと足ごとを踏みしめて二月堂をも仰ぎ見るかな
紫陽花(あぢさゐ)の葉よりこぼれし露ひとつ石仏の頬撫ぜてながるる
天平の甍(いらか)は今も耀(かが)よへど聖(ひぢり)いづくや有明の月
梅【光明皇后】の花咲きて匂へる風吸はば熱き血潮の溢るるものを
鶯【聖武天皇】の声は聞こへど淡路島 夢の架け橋古代へ翔(か)くれ
<東大寺・行基堂にて詠める>
格子戸は君(行基)と我とを隔てども心も魂も臥(ふ)して捧げむ
<人麻呂の終焉地「隠岐島・島後・西郷町・加茂(鴨山の、かも)」を詠める>
込み上ぐる熱き想ひを如何にせむ歌聖聖武の終焉地知れり
山と光り黄葉(もみち)と散りにき歌聖知る隠岐の加茂なる末路川はも
降り荒(すさ)ぶ雪また雪を隠岐の島住めば都と君は言ひしも
荒海にたゆたふ銀河待ちにけり隠岐に入り日の秋の夕暮
<聖武天皇を隠岐の島流罪にした謀反人・恵美押勝(藤原仲麻呂)を詠める>
囀(さへづ)りを空に響(とよ)めて翔ぶ雲雀(ひばり=仲麻呂)ひかり届かぬ竹藪に消ゆ
うつせみは名のみの春【天智系】の疎ましし人や死にする国や死にする
生き甲斐は万葉集を読みながら月に想ひを馳せるひととき