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01.11.30…02.2.17…02.4.24
本稿は私見である(念のため)
2001年6月20日に測量法等が改正され、2002年4月1日施行で、明治以来の日本測地系が、ついに世界測地系に移行する。
世界測地系への移行 −測量の2002年問題−
関連情報は全て国土地理院のWebで公開されている。
2002年4月1日以降に向けた具体的な行動
考えられる対応は以下のようなことであろうか。
- 2002年4月1日以降は、地形図の新旧緯度・経度対照表に従って経緯度を読替え、いわゆる報告書抄録に記載する。ちなみに地形図の図郭は変わらない。
- 発掘調査をめぐる測量や実測において基準となる公共座標は、原点が(キリのいい)現在の経緯度値を維持するため、数百m移動する。X/Y値はその分増減する(東京の所属する第9系の場合、原点周辺でXは約360mプラス、Yは約300mマイナス…ただし場所によって微妙に異なる…全国的にはもっと色々)。2002年4月1日以降はこの数値で作業する。従って、今年度中に改訂された座標を入手する必要がある。変換パラメータ等は国土地理院のサイトで公開される予定。<座標変換ユーティリティは公開済み
- 調査区のグリッドがローカルの場合は問題が少ないが、公共座標に準拠したグリッドを自治体の範囲全体に設定していた場合は重大問題になる。これは、過去の資産蓄積量との兼合いで、既存のグリッドを、ローカルグリッドと読替えて使い続けるか、新グリッドを世界測地系準拠の公共座標に準拠して設定し直すか、選択を迫られる。後者の場合、過去の座標値は、遺跡GISの本格導入の過程で修正して収録していくのが現実的だろう。
- 遺跡地図などは、更新の際にベースとなる地形図の経緯度をずらす(数字を書き換える)ことになるが、遺跡地図GISを導入する際は世界測地系に準拠したものとする。
- 遺跡台帳・地図の情報は、更新時に世界測地系に直していく。既刊の報告書の情報は、GIS化、データベース化の過程で直していく(報告書抄録とて1995年頃からにすぎない)。
同じ地区の調査が点々と続いている場合が、一番やっかいな問題となりそうだ。紙ベースの時代に築かれた過去の資産は、今後本格化する埋文のGIS化の過程で、世界測地系に即していくことになろう。
数値地図も変わるが(いわばバージョンアップ)、旧データの変換プログラムは提供される予定。なお標高は、再計算や地殻変動の程度により、最高で数10cm変化する場合があるが、全国一斉ではなく、変動の激しい三角点から逐次変更していくとのこと。[←これだけは気になる]
※座標変換ユーティリティは公開済み ※注意が必要な地域あり
世界測地系の定義
上記の国土地理院公式サイトの解説が詳しいので省略。今後は、電子基準点とGPSの活用が期待される。なお世界測地系といっても、正確にはITRF系(International Terrestrial Reference Frame:国際地球基準座標系)及びGRS80(Geodetic Reference System 1980:測地基準系1980)楕円体を合わせた概念。WGS(84)はGPSの基準で、アメリカ規格(現在ではITRF系と殆ど同一)。
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筆者へのレスポンス.