2005年6月28日(火)
『全裸オーケストラ』というアダルトビデオがあります。

ビデオは絶版です。貸してもいいですが、リアルのわたしを知っている方だけね(笑)。

AV女優が1週間練習して、ホールでコンサートする企画モノ。
『オーケストラ』と銘打っているけど、演奏形態は吹奏楽。
20名程のAV女優が集められていますが 技術的には悲惨を極めていて、未経験の初心者もいる。

これで1週間後にコンサートは、かなり厳しい。
曲目はチャイコフスキーの「バレエ音楽くるみ割人形」から3曲となかなかの難曲。
AVということで、練習中女の子達は裸。(こういうお色気的要素がないとAVとして売れないもんねぇ(^^;) 素っ裸で楽器の練習というのもシュールな光景ですが、練習そのものは いたって真面目なのが奇妙な感じ。

「裸を見せればお金になる」仕事に、厄介な練習がついているのだからリタイヤ組も続出。
ただひとり、女優のリーダー格・指揮者だけは音大卒の美人女優。
音大出てAV女優?という突っ込みは抑えておいて、彼女だけは楽譜も読めるしやる気満々。だけどみんながあまりに下手クソなのでイラついている。
指揮者のイライラ・上手く吹けない人に対する軽蔑感が伝わり、メンバーが反発。『女子部特有』の(笑)手が付けられない険悪ムード。

ところがある日、人間関係に奇跡の(笑)化学反応がおこる。
指揮者の見下し続ける態度に腹を立てたメンバーが抗議をする。それをキッカケに一気に崩壊すると思いきや、逆に『仲間』として本音で語る付き合いに変化していったのです。
音大女優から高圧的な態度が消える。
リズムが取れない人には何度も優しく教えるようになる。合奏中の笑いも増えてきた。メンバー同士で教え合ったり、遅れてる人を励ましたり、非常に良いムード。

「バカみたいなAVの企画なのに、わたしたち何アツくなってるんだろ?」って自嘲しながらも練習してる。
中にはAVとかけもちでソープランドで働いている人もいて(^^;、ソープの仕事が終わった後、真夜中の公園でトロンボーン吹いてホームレスに怒られた人まで登場。
最初は「AVの企画だから。」と与えられてやらされていた彼女たちが、「練習をする」という行為を「じぶんの問題」と認識し始めた。 彼女たちなりのやり方で自ら動き始めた。ここの変化。
こんな"絵"と"ドラマ"が撮れるとは、えっちビデオの会社も全く想像していなかったはず。
集団の人間関係(特に女子)って、悪い方に流れるとドロドロなんだけど^^;;;、一旦ポジティブな集団に変わるとすごいパワーを醸し出す。結束も固い。

で、1週間後。ちゃんとステージで演奏しました。
ある意味「スウィングガールズ」よりもすごい(笑)

でもこのビデオの一番スゴイのは、ラストのメンバー挨拶。涙…。指揮者の号泣…。
これには泣けました。アダルトビデオ見て泣くなんてありえないけど、彼女たちと一緒に泣いた。

言っちゃぁ悪いですが(自身でもおっしゃっていましたが)今までの人生で、一度もやり遂げた経験のない方達です。
初めてやり遂げた「くるみ割人形」の演奏。

音を楽しむ。楽しんで吹く。答が凝縮されていたような気がします。
AV女優と侮るなかれ。
真剣に練習して、演奏して、感激の涙を流す姿。プレイヤーとして遜色なく美しかった。




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