関西の音楽ホールはかなり制覇したつもりでいましたが、ムラマツリサイタルホールは初体験。どんな会場かな?
・・・と、着くまでは思っていました。
新大阪の駅を降りて、陸橋を渡り、UFJ銀行を通り過ぎたくらいの頃、遠い記憶が一気によみがえりました。
ずっと昔、義理で頼まれ出かけた演奏会。
ピアノや声楽の人が次々出てくるのだけど、セミプロ級の人がいるかと思えば、発声すら満足でないような人が氷川きよし風衣装を着て、気分だけ錦織健状態でオペラを歌っていたりもする。
レベルはバラバラ。
ジャンルもバラバラ。
いったいあれは何の演奏会(何かの教室の発表会?)だったのか、いまだによくわからない。
でも、上手い人も、そうでない人も、演奏する楽しさ、発表する喜びに満ちあふれていました。
うらやましかった。
最初は「義理を果たすため」聴いていたのだけど、いつの間にか世界に引き込まれていました。
演奏している人達の姿を、ついじぶんと重ねて空想してしまう。
「じぶんが出るとしたらどんなのを着ようかな。」
「何を演奏しようかな。」
でも、それは夢物語。
現実には絶対ありっこないお話。
「もう一度演奏してみたい。」
思う事は度々あったのですが、本当のやる気・固い決意はこの当時、全くありませんでした。
仮にやってみたとしても、あの頃ならば続かなかったでしょう。
あれが何年前の出来事だったのかも覚えていません。
その後じぶんにもいろいろな事がありました。
強い心境の変化が起こり、「もう一度吹きたい」とう激情に背中を押されながらも音楽ホールの舞台に立ちました。
「再び楽器を演奏する。」
絶対ありっこないお話だったのに。
じぶんもあの日、羨望の眼差しで見つめていた人達と同じ経験をする日が来るなんて、誰が予想したでしょうか。
じぶんは本当に何もわからない。コルネットソロの楽譜をどう調達したらよいのかもわからなかったので、岡本先生に紹介してもらった曲を、輸入注文したんだっけ。
わたしのようなある意味アウトロー路線を走る人間と、先生との出会いがあったのも、不思議な偶然がたくさん折りかなさっての結果です。
「わたしは絶対上手くなる。」と宣言した決意。一時たりとも忘れてはいません。
人生に起こる様々出来事は、その時々は一つの『点』でしかありませんが、繋いでいくと『線』となり、大きなうねりへと変化していきます。
うねりは時に高波となり、思いもしなかった世界へと連れて行ってもくれます。
今日の『点』は過去と繋がる『線』となり、またいつか未知の世界の『点』に続いているのだろうか。
じぶんにとって、ここ、ムラマツリサイタルホールは
「来た」のではなく、「帰ってきた」。
そう表現するのが相応しいような気がします。
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前振りが長くなってしまいました。(^^;
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例年より一層、アットホームな雰囲気の中で開演しました。
ピアニストのさくら色のドレスが、春を演出して華やかで美しいです。(もちろんご本人はドレス以上に美しい)
今回は新しい楽器のお披露目として、以前より構想を温めていた新しいジャンルに挑戦されるとのこと。
それがドビュッシーを選曲された理由だそうです。
これはコルネットの音なんだろうか?
まるで弦を奏でているかと錯覚する程のしなやかさ。
音域が変化しても、ずっとなめらかで柔らかいまま。
金管楽器で、こんな繊細な表現が出来るなんて…。
じぶんが長い間抱いていた金管(ラッパもの)のイメージは、鋭い・固い・元気みたいな、もっと単純なものだったのですが、初めて先生のリサイタルを聴いた時に
「こんな柔らかい表現も出来るとは!」
「こんな優しい歌い方も出来るとは!」
とカルチャーショックを受けた事が忘れられません。
岡本先生のための書き下ろし、本邦初演作品の発表も恒例のコーナーです。
作曲者との掛け合いトークを楽しみにしていたのですが、今年はお越しになれなかったそうで残念です。
今回は可愛らしい小品の組曲でした。
大阪ハーモニーブラスの生演奏を聴くのは久しぶり。1年以上ぶりの再会になるかも。相変わらずの巧さに圧倒です。当然ながら岡本先生との息もピッタリ。また演奏会に出かけて、もっとたくさん聴きたい!と思わせてくれます。
普段は指揮姿を見ることの方が多い先生ですが、目の前で吹いているお姿を見ると迫ってくるものを感じます。
パワーとか、勇気とか。気迫とか。ミストシャワーのように降り注いできます。
「合奏中、ごまかしながら吹くのやめよう(爆)。」
ふと、そんなことを考えてしまいました。
パワーの片鱗を、じぶんの心の中にも留めておかなくちゃ。
ピアニストも、ブラスバンドも、オリジナルの作曲者も、みんな家族のように仲良しなんだなぁ。そんな温かい関係が聞き手に伝わってくる、本当にアットホームないい演奏会でした。
最後の最後、おまけ(?)で聴かせてくれた、無伴奏の「Danny Boy」は得した気分です♪