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阪急商業学園第45回定期演奏会
阪急商業学園 第45回定期演奏会
「ハイランド賛歌」組曲より(P.スパーク)
歌劇「ルスランとリュドミラ」序曲(M.グリンカ)
スラブ行進曲(P.チャイコフスキー)
・エルザの大聖堂への行列(R.ワーグナー)
・喜歌劇「こうもり」序曲(J.シュトラウス)
演奏:阪急百貨店吹奏楽団&阪急商業学園卒業生
・ディズニー・プリンセス・メドレー(鈴木英史編曲)
・ブリリアント・ルビー(杉本幸一作曲)
・マーチ・アルバム(J.スーザ作品集)
 美中の美〜ワシントンポスト〜海を越えた握手
・星条旗世界を巡る(鈴木竹男構成、杉浦邦弘編曲)


大変な混雑になると予測していたので早めに到着しましたが、実際の混雑は予想をはるかに上まわる勢いでした。
例年は3部が始まるまで稼動されない3階席が開演前に埋まってます。毎年聴きに来ていてもこんな動員を見るのは初めて。しかもわたしが観賞したのは2回公演の2回目。おそらく1回目も同様に満席だったであろうと考えると今回の演奏会、世間の注目度の高さを見せつけられる思いです。

【今年の選曲】
好きな曲ばっかりで嬉しい。「スラブ行進曲」とはまた古典的な…と感激。今の若い人にもどんどんやって欲しいと願う曲なので嬉しい。もちろんノーカット。のっけからすごいスタミナですね。

演奏については何も申し上げることはなく、どれもパーフェクトな仕上がりでした。「ハイランド賛歌」冒頭のソリスト達も美しく奏でていて良かった。
あえて何かひとつだけということなら、瞬間的にですが緊張がほぐれるシーンもあったのが残念といえばそうかな。まだまだもっと上を狙える実力を秘めていると思います。しかしながら1日2回公演をこなしている事と、恐ろしい程の超満員の客席、わたしが夜公演を見るのは久しぶり(1回目より確実に疲れているだろう)という点考えると完璧と言ってよい仕上がりに満足です。心から演奏を堪能することができました。

【150人の吹奏楽】
2部恒例、先輩からのお祝い演奏は特別拡大バージョン☆学園OB・OGも加わっての総勢150名の大合奏でした。ステージ上は人、人、人。楽器、楽器、楽器の山。
2月のレポートでも書きましたが、今日もオーボエが上手いなぁ。テクニックもさることながら歌心のある演奏は本当にステキです!
150人で奏でる「エルザ」は感涙モノ。
素朴な疑問ですが、阪急って歴代要所のシーンでは必ず「こうもり」が出てきますよね。じぶんも「こうもり」をやるような大事なシーンに、やっと生で立ち会う事が出来たと思うと感慨深いです。
そして今回はアンコールまであるのです。な、な、なんと!1979年の課題曲E「朝をたたえて」。これには参りました。行けなかった人残念がってください(笑)。せいぜい羨ましがってください(笑)。阪急ファンに留まらず、吹奏楽マニア垂涎のレア選曲!
よくぞやってくださいました。誰が選んだか知りませんが本当にエライ!
今日の演奏会には特別な想いがある、その熱いマインドがこの一発に凝縮されていると感じ取ることが出来ました。
「朝をたたえて」はカップリング曲「ルイブラス」と共に、阪急の…いや日本の吹奏楽界の歴史に残る大勝負曲と言い切っても過言ではないでしょう。地味な存在であったこの課題曲Eは、マーチの阪急のプライドをかけた渾身の名演奏で、吹奏楽曲としての魂を吹き込まれたのです。わたしはじぶんのサイト内でこの名演奏について古くから注目して讃えてはおりましたが、同じ思いを抱いている人は多いはず。

こういう企画をやってのけられるのも歴史の力。不定期的でもいいのでまたやってほしいです。演奏に時々『時間差』が生じていたのは超大編成のご愛嬌ということで...。(^-^;

【ブリリアント・ルビー】
阪急を心から愛する作・編曲家に恵まれている事もこのバンドの財産のひとつでありますが、そんなお一人、杉本幸一先生入魂の作品。素晴らしかった。
明るさ、爽やかさを全面に押し出し、阪急マインドを音で表現するならばこうなるだろう、という王道を謳ったメロディー。やりましたねぇ〜。ついに「ブロックH」を超えたのが出ました。委託作品なので難しいでしょうが、許されるものならじぶんも演奏してみたいと思わせてくれるメロディーです。
川口尚氏のタクトも爽快で演奏者との一体感を感じさせ心地よかった。真っ赤なコスチュームも「ブリリアント・ルビー」。
でも、明るければ明るいほど、カッコよければカッコいいほど、なんだか切ないのです。
残りわずかの時間で幕を閉じてしまう大きな歴史。
最後の時間を刻むマーチのリズム。
それを思うと、言葉では説明出来ない熱いモノがこみ上げてしまい、ちょっとウルウルしてしまいました。

【世界の星条旗】
「星条旗世界を巡る」、おもしろい企画ステージでした。
スーザの足跡をたどりながら各国を代表する名曲と、「星条旗よ永遠なれ」を絡めたアレンジを9曲ミックス。ちょっとパロディ風なユニークさがよかった。特にウインナワルツ調の意外性が印象的でした。
この企画、最後をアメリカで〆るのはお約束としても、おまけで日本バージョンが準備されていたのはGOOD!八木節と星条旗のあの有名なピッコロソロの掛け合わせはナイス。これで全10曲、収まりよい終了の仕方です。

【総立ちタイム】
とにかく空席はどこにも見当たりません。例年ならば3部開始と共に先輩達が流れ込み、夜の公演だけに許される(?)という、会場一体の総立ちタイムを繰り広げるのですが、今年はそれもないままプログラムが進んでいくので心配です。「今年は"アレ"は無しかしら?」と諦めかけた時、最後の曲が始まる寸前、一気に大人数が流れ込んできたので(もちろん立ち見)ホっとしました。

アンコールのメインにはヒット曲をパート紹介風に構成したものが出て来るのですが、今年のお題は、森山直太朗の「さくら」。旅立ちの瞬間にこれ以上相応しい曲はないでしょう。若く瑞々しい感性が集結した振り付けには毎年泣かされます。

阪急商業学園のテーマソング「The Big BrassBand」(←確かこれが正式なタイトルだったと思う)をやると鈴木竹男先生がアナウンスすると、場内は大爆発状態。もう誰にも止められない。(誰も止めないけど)これぞ夜の部の真骨頂です!歌詞は男子校時代、女子校時代で別のものがあるようですが、一糸乱れぬ大合唱が圧巻。

ずっとこのまま時間が止まればいい。
だけど世の中の全てには、必ず終わりの瞬間が訪れてしまうのです...。
終わってしまうからこそ、限りある時を輝かせようとひたむきになれるのでしょう。

卒業生は花束を抱え、後輩の演奏と喝采に見送られ一人ずつステージを去っていきました。まさしくこれこそが「プリンセス・メドレー」というやつでしょう。
毎年感じることなのですが、最後にステージに残された1、2年生は、なんだかとても小さく見えてしまうのです。「来年は大丈夫かな。」と、つい余計な心配をしてしまう程に。ところが翌年度また見に行くとそんな事はケロリと忘れ、カッコイイ!すごい!と大喜びで浸っているのですから、わたしもしみじみ学習能力のない人間だと思います。
去年の演奏会での同じシーン、先輩達が舞台を去った後、不安げな表情で泣いている彼女達を見て、やっぱり小さな不安の念が頭をよぎった事を覚えています。ところが今日のパワー溢れるコンサートを作り上げてしまえるのですから、人間はたった1年でここまで成長できるものなのかと感嘆の声を上げずにはいられません。

大きな歴史の幕が閉じた瞬間ではありましたが、同時に新しい未来へバトンをしっかり受け渡す儀式でもありました。記念すべき瞬間に立ち会え、一緒に感動を分かち合えた事を光栄に思っています。
わたしも無駄な杞憂を抱くのは卒業しよう。
若さが持つ無限の可能性を信じよう。
彼女らは1年かけてまた大きくなって、旅立っていく。
それはずっと繰り返される、永遠に変わらない歴史の1ページ。
物語は、まだまだ終わらない。

未来に向かって輝け!
向陽台高等学校ウィンドバンド!