Within Temptation
                                       
2007年7月4日 渋谷AX

セットリスト

Our Solemn Hour  
The Howling  
Frozen  
Stand My Ground  
Forsaken  
The Cross  
What Have You Done  
The Heart Of Everything  
Mother Earth  
イントロ〜See Who I Am  
Angels  
Hand Of Sorrow  
All I Need  
Final Destination 
The Truth Beneath The Rose  

アンコール  

Deceiver Of Fools  
Memories  
Ice Queen  

会場内に流れていたメタりっくな音楽が途切れ、ギターを掻き鳴らす音が聞こえ、いよいよ会場が暗くなった。
ウォーーーーー!!
すごい歓声が起こり、幕が開いた。
会場は、ステージの背後に、夕暮れ沈む中世の町並みを投影していたのだ。教会や建物の屋根、両脇には小悪魔のような小動物の横顔のシルエットが描かれていた。
一瞬で荘厳な独自の世界に招かれた。
(写真はライブ終了後のステージ。ご覧の絵が投影されていた。これ撮ったらもちろん怒られました。。^^;)

何だか私の足元が定まらない。落ち着かないのだ。
不安定な雰囲気の中、ステージを見ると、ドラムセットが左寄りで、中央がぽっかりと空いている。
イントロが鳴り響き、無人だったステージに、次々とメンバーが現れ、リフを弾き出した。
低音のリフと共に、だんだんと地についてきた。
そして、歌が始まる時、歓声を引き連れてステージの右端から、シャロンが姿を現した。

すごい声量だ!
そして迫力と存在感。何と言っても、歌が抜群にうまい!!
音は外さないし、突き抜けている。CDの数倍素晴らしい!
この歌声は本物だ。

会場は、もちろん腕を振り上げ人によってはヘドバンしていた。
私は、シャロンの声に耳を傾けてみた。
Reneissanceのアニー・アズラムを彷彿させる声。。私はアニーが大好きなんだ。
アニーがメタルを歌ったらこうなるのではと、よく想像していた。。
などと思い出したら、涙が溢れて仕方なかった。
感動なんて生易しいものじゃない、魂が今まさに揺すぶられていた。
ステージにはシャロンがいた。声を張り上げて歌っていた。これだけでもう満足だ。
低音から高音まで、力を抜いた優しい歌い方から、強力なシャウトまで、彼女はその魅力を余すことなく伝えてくれた。

シャロンは、観客を乗せるのがうまい。
サビになると、腕を振り下ろしながら歌ったり、両手を広げてあおったりした。
スローなパートだと、ペンライトを振ってるように左右に動かした。
また、パントマイムにも似た動き−手首をきらきらさせながら腕をくねらせる−が効果的だった。
そして身をかがめ、挑発した目つきでさらに広げた腕をくねらせる。何とも妖しい。
衣装は『The Heart Of Everything』と同じ、アイボリーのビスチェとギャザーのたっぷり入った膝までのドレスがくっついたもの。
足元は茶のブーツ。
ウエストニッパーのようなビスチェで、豊満かなと思われる上半身を、きれいにシェイプしてあった。

サビは観客に歌わせるのは“Stand My Ground”くらいで、他はすべて自分で歌っていたのに好感が持てた。
その突き抜ける声が聴きたいからだ。一緒に参加しに来たわけじゃない。拝聴したいのだ。

最初から最後まで、疲れは見せずに一気に歌い上げたのは、見事の一言。
33歳の、現役バリバリ、油の乗り切った美女の勇姿に目が釘付けだった。


さっきからシャロンのことしか書いていない。
まぁ、仕方ないや。
だって他のメンバーは、シャロンの引き立て役か、バックメンバーなんだも〜ん。
それじゃぁナンなので、思いつくまま書いてみる。
彼らのいでたちは、黒のTシャツにジーンズだった。
シャロンの彼氏でギタリストの、ちょっと格上(?)のロバートだけが紫っぽいシャツを着ていた。

彼らは結構統率の取れた動きだった。並んで頭を振ってギターやベースを弾く3人。
軽快なリフだと、3人でジャンプしながら弾く。これがかわいい。
“Forsaken”だったかな、サビでジャンプとヘドバンを4小節ごと交互に繰り返すもんだから、まるでラジオ体操のように見えちゃいましたぁ。
よくジャンプしながら弾けるもんだわ。(^^)

シャロンはステージ上を、右に左に自由に動き回るものだから、他のメンバーはジャマにならないよう、後ろや逆サイドへ逃げる。
その素早さも笑えた。
考えたら、ギターソロもドラムソロもキーボードソロもなかった。それどころかメンバー紹介もなかった。
いいのか、他のメンバーは!(私も他のメンバーで済ませているし^^;)
シャロンのMCは短く、「ありがとう〜♪」と日本語でしゃべって終わらせるのも多かった。曲紹介も、5曲くらいしかしなかったんじゃないかなぁ。

心配された“The Cross”や“The Heart Of Everything”の、シャロンの低音も、CDよりも幾分ソフト目で、思ったよりも違和感がなかった。
スキャットの美しさは、たとえようがない。その場にいた者はすべて幸福な気持ちになったことだろう。

ステージの2ヵ所くらいで、メンバーは一旦退席し、会場にイントロが流れてから再登場した。
その度に新鮮な空気が流れ、やや同じ曲が続くステージに変化をつけていた。
“Hand Of Sorrow”の出来は神々しいほどだった。可憐さと力強さの両方があった。
シンフォニックでドラマティックで、この曲だけで、もう満足だった。

本当に素晴らしいライブだった。
シャロンの声を120%堪能できた。
1曲1曲終わるごとに、観客席が沸き立ったのが、それを証明しているだろう。


Youtubeに、Within Temptationのライブ模様がありました。Pinkpopのです。
私の大好きなHand Of Sorrow こちら と、ラストを飾る、シャロンの高音が炸裂するIce Queen こちら を載せときます。
実際のライブは、この10倍素晴らしかったよっ!!
Ice Queenの歌の前の掛け合いは、この通りやっていた。近くにいた男性の歌はうまかったなぁ〜。