PINK FLOYD SPIRIT


               2009.3.13(金)  国際フォーラムA


暮れ馴染む国際フォーラムの周囲
Hall Aへの入り口(裏手)
ライブの張り紙(これだけ)
沖縄の音楽仲間から、突然ライブチケットを譲り受けてくれないかとの連絡が入った。

かくして、ご招待でPINK FLOYD SPRITのライブに出かけてきた。
どだい、PINK FLOYD SPIRITなるバンドがあるのも知らない。
多分、知らないアーチストばかりだと思うが、なにせライブ!きっと楽しめる!
また、昨年の2008年9月15日に癌で亡くなったリチャード・ライトの追悼の意味もあるらしい。


ステージは、最初から開かれており、中央にYAMAHAとRolandのキーボードがちょっと高めにセッティングされ、その右にドラムセットがあった。
また、キーボードの左にはパーカッション、そのまた左にはコーラスの女性達って具合。
そして際立つのが、中央のキーボードの上に位置された、円形の直径5mあるスクリーン!!そのスクリーンの周囲には、カラフルで回転するライトが10箇所くらい取り付けられていて、目立っていた。
いやが応にも、期待を駆り立てずにはいられない。


オープニングは、風の音から始まる、「吹けよ風、呼べよ嵐」だった。
ベースのうねるような刻みと、キーボードの鋭い切り口が今でも新鮮。
シンプルでありながら効果的を地で行く曲だ。

演奏は、オリジナルよりもちょっとRockっぽいかも。
ベースとバスドラの重低音が響き渡り、音に厚みが増していて、むしろ良い!

スクリーンに映し出される画像は、フロイドが活躍していた時代を意識したのか、それほどは鮮明ではなかった。
そしてメンバーの姿が映されることはなく、ジャケットの写真や幾何学模様、どこかの風景が、めまぐるしく映写されていた。

Moneyは、1単語ずつ表示される“字幕”付き。文字を追うのが恐ろしく忙しい。

『Wish You Were Here』は、マルチな女性ギタリストステラのアコギ風に処理した前奏で始まった。
彼女とキーボード奏者にだけスポットライトを浴びせている。

『Dark Side Of The Moon』からは、インストの2曲以外はすべて演奏した。
“孤空のスキャット”は、前出のステラが歌っていた。
パワフルだけど、どこかかすれた声。
これもいいんだけど、オリジナルのインパクトが大きいので、どうもオリジナル通りを求めてしまう。
ステラはドイツ人なのだろうか、彫りが深く、目が落ち込んでいる。
黒人特有の声の艶は、どうしても出せない。
けれど、それらを差し引いても、魂の熱唱で素晴らしかった。

『Another Brick In The Wall (Part 2) 』では、ボーカルのKEVIN FITZPATRICKが、
「一緒に歌ってくれ。声を大きく出してね」と
“We don't need no education”と歌ったら、観客にマイクを向けて、その通り歌わせた。
“we don't need no thought control”も同様に。
でも悲しいかな、日本人は、たとえ英語が理解できないとしても、その素振りで何をしなければならないのかはわかるはずなのに、シャイで応えられない。
ボソボソと歌声が聞こえるだけだ。
私は、歌詞はよくわかんなかったものの、KEVINが何を歌っているのかがどうにか聞き取れたので、自信がないながらも歌ってみた。
すると、一体感が出てきて、気持ちいい。
みんなで声を大きく出して歌えばいいのにな、メタル系のライブがそうであるように。。
当のKEVINの声は、恐ろしくロジャー・ウォータースに似ていた。
これが、Pinl Floyd Sriritが楽しめる一番の要因になっていた。

なお、この日の観客は、40歳代後半〜50歳代後半ってとこだろうか?
8:2で、男性が圧倒的に多かった。
中には30歳代もいた。
う〜ん、彼らにとってプログレは、基本的にはライブは“拝聴する”ものであって“参加する”ものではないのだろう。

曲で一番感動したのは、『Shine On You Crazy Diamond』だろうか。
陰鬱で暗い流れの中から出現する、一筋の光明。
歌詞はよくわからないが、曲はそんなイメージでずっと聴いていた。そしてステージでそれが目の前で再現されたのだ!
ライブで好きな曲が演奏された時の感動は、何にも代え難い。
これがあるからこそ、ライブに足を運んでしまうのだろう。

ツアーTシャツ。
ツアー先がプリントされてる
フロイドの魅力は、ゆったりとリラックスして聴けることだ。
音の変化で衝撃を受けることもあるが、曲によって暗くなったり、やや明るくなったりで、感情移入して聴ける。
疲れることはない。
改めて、Pink Floydの作った曲の“普遍性”を感じた。
シンプルにして、人々の心の奥底に潜む曲。それが長年愛されている秘訣なのだろう。


今回は、思いつくままに。
今回のライブに行くチャンスを与えてくれたNさんに、深く感謝する。
また、前日のお誘いにであるに拘わらず同席してくれたBさんにも。。


【参考:Pink Floyd Spirit 公式HP】
http://www.tate.jp/offTheWall/stage.html
http://www.tate.jp/offTheWall/musician.html